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第一次大戦前の野戦用カノン砲(十加等)ってどのような運用が想定されていたのでしょうか? 野戦万歳で間接照準が未成熟なこの時代、高初速・長射程のメリットを生かせる場面がいまいち想像できないのです。 強いて言うなら要塞砲へのアウトレンジが考えられるわけですが、そういう場面では野戦砲である意味は薄いわけですし。 三八式十加・10cmK04あたりの駐退機付き第一世代を想定して質問させてもらってます。 皆様どうぞよろしくお願いします。 ハナ |
- 野戦万歳で間接照準が未熟な時代だったので、直接照準による榴撒弾射撃で歩兵集団を吹っ飛ばすのが、当時の野戦砲の仕事だったのです。いってしまえば巨大散弾銃的な用法ですので、実用射程の長さは主に初速に依存し、ある程度口径に依存します。
この用法にはいわゆる75mm級の野砲が適していますが、野砲の榴撒弾射撃の殺傷力は3000mあたりまでが優れるのですが、その先はかなり寒くなり、実用できる最大射程は5000m程度なのです。大抵の戦場ではこれで大体間に合うのですが、見通しが良い戦場等もある程度は考えられますので、そういった場合の射程と、野砲よりは一撃の殺傷範囲が広いという面を生かした使われ方を想定していたのです。
http://www.warbirds.jp/sudo/artillery/artillery_2_5.htm#A5_1_1
Aが野砲、BAが山砲、10Kと15Kがそれぞれ10と15のカノン、15Hが15榴です。
榴霰弾を使う場合、カノンは5000m以上で強力なわけです。
SUDO
- なるほど!榴霰弾がカギでしたか。
カノンは威力を犠牲にして高初速・長射程を取ったモノと認識していたのですが、榴霰弾使用においてはむしろ逆転するのですね。
15榴の意外なしょっぱさと15加の運用の難しさを考えると、10加の必然性がよく分かります。
19世紀的な野戦を想定してても、初速優先で砲を配備しうると得心できました。
SUDO先生に御教授いただいて光栄です。貴重な資料のご提示と併せて感謝します。
ハナ
- >2
野戦に於いて、そのしょっぱい15榴を守るために10加が存在し、
そして15榴こそが想定された野戦の切り札だったんですが。
ナゾ〜
- >3
言葉足らずでした。
「榴霰弾使用時・距離3000以上」という状況下では15榴は意外としょっぱいなと認識を新たにしたワケです。
ハナ