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対砲レーダは誘導砲弾に対しても、その射撃元地点を特定できるものなのでしょうか。 太助 |
- 質問者です。
通常砲弾ならば弾道特性から、相手側の砲の位置を推定できると思います。
おそらく、砲の口径や砲弾の形状、ベースブリード弾やロケットアシスト等について、弾道特性のデータベースがある/もしくは実戦でリアルタイムに登録していくのだと考えています。
そこでふと思ったのが、誘導砲弾で弾道を縦横に曲げてやれば、対砲レーダを無力化できるのではないかということです。
例え相手側の対砲レーダを無力化できても、陣地転換は必要でしょうが、味方が即座に反撃されるのは避けられるのではと考えました。
最近はUAVや偵察衛星なども発達して、考える要素も増えてきていますが、特科は戦場でどうすれば生き残れるか。
よろしくお願いします。
太助
- 太助さん。
誘導砲弾はあくまでも命中率を上げる為のものであって縦横に弾道を曲げることは不可能です(誘導ミサイルとは異なり砲側で弾道を制御することは出来ません)。
また、対砲レーダーを使ってもすぐ対応が取れるわけではないので数発撃ってすぐ移動でもかなり被害を減らせます(この為、新規砲の殆どは自走砲です)。
今後は牽引砲のみならず迫撃砲も移動力を要求される様になるのでしょう。
安井 賢一
- 安井さん、
回答ありがとうございます。
ご回答の後半部分は概ね同意なのですが、前半部分がちょっと。。。
誘導砲弾の弾道制御については、別に砲側が行う必要はないんじゃないかと思うんですよ。
例えば、砲弾の制御翼に関して、飛翔の初期段階だけプログラム制御を活かすこともできるでしょうし、制御ゲインを変更することによっても、弾道特性がかわりますよね。
砲軸を目標からずらして撃っても、弾道は曲がります。
嘘か真か、Excaliburという誘導砲弾ではoff-axis15度でも、目標近辺に弾着するようです。
http://raytheon.mediaroom.com/index.php?s=43&item=646&pagetemplate=release
弾道を最適軌道から曲げるということは、すなわち射程距離が短くなる訳なので、必ずしも良いことばかりでないことは承知しています。
誘導砲弾の第一目的が命中率を上げることにあるのも、安井さんのおっしゃる通りでしょう。
しかし、小生が提示した例/もしくはリンク先のように砲軸をずらすことでも、誘導砲弾を曲げることは可能だと思います。
弾道を曲げるという表現が引っかかるのでしたら、砲弾の動翼制御の話はおいておき、
例に挙げたExcaliburで、
1)目標に対して砲軸を-10度ずらした場合と
2)目標に対して砲軸を+15度ずらした場合で
対砲レーダは1)2)の発射元が同じ場所だと同定できるのかどうか、回答して頂けたら助かります。
太助
- なにか微妙にすれ違っている気がします。
誘導砲弾の場合、発射(発砲)後に、GPS誘導等で弾道を変えることは可能でしょう。ただし、安井氏の言われているのは、所謂、カウンター・バッテリー・ファイア(対砲迫射撃)の議論です。
つまり、空中で弾道が変わっても、射撃位置が露呈するかしないか、という点が論点であって、安井氏は、【撃ったら逃げろ】=射撃位置は判る、という主張をされています。
実際の戦場では、対砲迫撃レーダーとは別個に無人偵察機等の観察もありますし、山越えの曲射攻撃等も日常茶飯事でしょうから、衛星からのリアルタイム映像も(場合によっては)得られます。
対砲レーダーのみに限れば、相手が誘導砲弾の場合(特に曲射の場合)は射撃位置の特定は困難。ただし、それが前提の戦場では、相応の対策が用意されるはず、ということになりますまいか。
参考:
http://toymilitary.militaryblog.jp/e16464.html
TOSHI!!
- TOSHI!!さん、ありがとうございます。
確かに、太助さんの言われる通り弾道をずらされたら最初は分からないと思います(大砲レーダーの解析プログラムでは対応が困難でしょう)。
しかし、砲兵とは1発だけでなく数発撃ちます(1発で目標を吹き飛ばせるとは限らない為)。
何発か撃っていればその内弾道を解析されてしまうでしょう。
(打つたび弾道を変えるなんて事は照準の問題もあるので非現実的とします)
安井賢一
- 大砲レーダー側から見て、発射された誘導砲弾の初期弾道がどの程度捉えられるか(有効なビーム走査仰角等も影響)という問題はあるでしょうが、誘導砲弾が弾道を修正するのは、主に弾道頂点を過ぎて下降フェーズに入ってからとすれば、むしろ着弾地点よりも発射地点の推定の方が、より早く且つ容易なのではないかと考えましたが如何でしょうか。
終末まで誘導・制御を続けるミサイルや誘導砲弾なんかだと最後まで飛翔体を追尾し続けないと正確な着弾点を把握できないかもしれませんね。
MK@2004-
- >例に挙げたExcaliburで、
>1)目標に対して砲軸を-10度ずらした場合と
>2)目標に対して砲軸を+15度ずらした場合で
>対砲レーダは1)2)の発射元が同じ場所だと同定できるのかどうか
ですが。わたしは、同じ場所だと同定できると考えます。
対砲レーダーは、レーダーのよってある時刻の砲弾の位置を計測するものと思います。
短い時間間隔で時刻ごとの砲弾の三次元座標値を計測しているのだとおもいます。
時刻t0と時刻t1の計測値から時刻t0(又はt1)の速度が得られます。更にt2のデータを加えると加速度が得られます。更にデータを追加すると加速度の変化、即ち、砲弾に加わった力の変化が得られます。
おそらく、このような演算を高速で行い時刻t0以前の砲弾の弾道を推定しているのだと思います。
Excaliburの誘導砲弾のoff-axisが最大15度だとすると、2)の場合は、砲口を出てすぐに最大軌道修正の舵が切られていると思います。つまり、時刻t0以前では舵は一定と仮定して弾道を推定して良いことになります。
また、1)の場合でも、誘導砲弾はGPSデータに従って弾道を修正するために、砲口を出れば、できるだけ素早く弾道を修正するために、最大舵を切っているのではないかと想像します。即ち、10度分=弾道の2/3間では最大舵にしているのではと想像します。対砲レーダーが弾道の弾道の2/3間までに砲弾を捕捉すれば、過去の弾道は2)と同様に推測できると考えます。
なので、対砲レーダー自身の誤差の範囲内で
対砲レーダは1)2)の発射元が同じ場所だと同定できると考えます。
対砲レーダーは、時刻t0以前の状態は推測するより手はありません。
時刻t0以前の舵が一定と仮定するより手は無いと思います。
砲弾側からすると、如何にレーダーに捕捉される前に、舵を上下左右出鱈目にコントロールできるかが勝負でしょうが。
そこまでしているものなのでしょうか。
ちょん太
- 皆さん、コメントありがとうございます。
Excaliburを含む誘導砲弾の弾道がどうなっているのかは、興味が尽きないところですね。
>>8 ちょん太さん
一般的には、砲弾の上昇段階では制御は行わずに(動翼の展開すら行っていないかもしれません)、落下段階でのみ誘導がなされるようです。この点は>>7のMKさんの指摘は現状では正しい。
>>7 MKさん
ご無沙汰です。
対砲レーダが砲弾の上昇段階を捕らえられるかどうかは時の運しだいといったところでしょうか。
それとも、ベストな位置取りができるように訓練しているのか。(Bスコープだと、本体の斜め前ぐらいが見やすいのかな?)
また、ちょん太さんのそこまでするのかという疑問はごもっともです。
上昇段階で舵を切るのは、飛距離の縮減に直結しますから。
しかし、待ち伏せなどで、最大射程よりも“浅く”陣取った場合は、装薬量で射程を稼ぎつつ、味方の砲位置を秘匿できないかなぁと思い質問した次第です。
もっとも、誘導砲弾のこういった運用方法は、小生は確認しておりませんが。
ただ空や海でステルスが重要なように、陸でも味方位置の秘匿は大事だろうから、将来どうするのかな、と。安井さんもおっしゃられているように、陣地転換するまでのわずかな間のステルスですが。
太助