216 |
散弾銃の歴史において、元折れ式の上下二連銃が初めて登場したのはいつごろで、発明者(設計者)は誰なのでしょうか? ご存知の方が居られましたら、よろしくお願いします Maneko |
- まず、元折れ式という点では先込めでない(=ショットシェルを使う)のが前提になりますね。
この前提で普及した水平二連の「ボックス・ロック」の発明者(銃を折ることでハンマーロックを同時に行う近代的なセンターファイア式)の特許が1875年にアンソン・デイリーから出されています。
(一部の過渡的な「リバウンド・ロック」(有鶏頭式)は、1800年代後半から手作りの高級品としては存在していたようですが。)
上下二連銃は、更に遅く、クレー射撃が盛んになった(=航空機の機銃照準の「狙い越し」の習得のため)第二次大戦後が一般的普及時期。
それ以前から手作業製作の超高級品は存在したようですが、銃を深く折らねばならず、狩猟用としては不利になるため、普及していなかったようです。
登場そのものは、水平二連とほぼ同じ時期と考えられているようですが、だれが最初かは手元資料ではわかりません。
まとめると、登場時期そのものは1800年代後半、発明者は不明、ということです。
ショットガンは基本的に猟銃で、機構的に凝ったものは欧州貴族のもちものだったので、手作りのガンスミス作品が多くて特定は困難かもしれません。
(参考:別冊GUN:Part2・P55〜P57)
TOSHI!!
- TOSHI!!様、回答ありがとうございます。
おかげさまですっきりしました!m(_ _)m
Maneko
- Michael McIntoshやGeoffrey Boothroydなどの研究者がショットガンについて考察した著作を読んでまとめると、おおむね以下のようなことがわかります。
上下二連(over/under)は、19世紀末にジャーオフを阻止する単引きのトリガー・システムで成功したイギリスのボス社が、数多くの競争相手からさらに抜きんでようとして、1909年に同社のジョン・ロバートソンが特許を取った。技術的な開発をおこなったのは、ボブ・ヘンダーソンというactionerであった。ただし、最近の研究によると、ドイツではもう少し古くから上下二連(Bock-Doppelflinte)が普及していたらしい。ドイツの上下二連で特徴的なのは、バレルをロックするためKersten boltを採用していたことである(双方の著書にはそのイラストあり)。こうしてヨーロッパでは、水平二連よりスポーツ用に適している上下二連が徐々に広まっていったが、これをアメリカでも普及させようとして独自の構想を練ったのが、当時ベルギーにいたジョン・ブローニングだった。彼は1923〜1926年にかけてSuperposedモデルを開発して特許を取ったが、ファブリック・ナショナル社が製造を開始しはじめた矢先に他界した――云々・・・
よければ参考になさってください。
Jウォ〜ク
- Jウォ〜ク様、回答ありがとうございました。m(_ _)m
Maneko