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フォレスタル級以降の、最初からアングルドデッキを有して完成したアメリカの空母ってどんなソナーを積んでる(積んでた)んですか? 完成前や入渠中の写真等を見ると、とても大きなバウを有しているように見受けられるので、積むなら立派なものが積めそうですが… エセックス級の一部がSQS-23を積んでいたことまでは調べられました。よろしくお願いします。 レオ |
- CVS改装をされたエセックス級を除くと、バウ・ソナーを装備していたのはアメリカだけで、エセックス級と同じくAN/SQS-23を搭載しています。あと、ジョン・F・ケネディも計画段階では搭載予定でしたが、実際には装備されていません。
hush
- >hush 様
ご返答ありがとうございます。
つまり、基本積んでいないんですね。ソナーは護衛の艦艇に任せるって感じなんでしょうか。
同じ級でも積んでる艦と積んでない艦が混在しているのが不思議な感じです。
レオ
- ソナーは、音を拾うためのものですから、周囲に雑音があるといけません。このため、停止、あるいは低速での航行が必要ということになりますが、これは攻撃を受けやすいということになります。このため、ソナーを装備するのは小型の、つまり、価格が安く、大量生産できる艦艇となります。また、逆に、大型艦艇、特に防御力の弱い空母には、充分な護衛艦艇を用意できるのなら装備する必要性はないわけです。
それが変わったのは、AN/SQS-23という、それまでのものより格段に長い探知能力を持つソナーが開発されたからです。これを使えば、長距離で探知して、対潜攻撃機を送り込んで撃沈という戦術が使えるからです。もちろん、護衛艦艇に装備するソナーの情報に頼ってもいいのですが、当時はデーター・リンクも発展途上ですから、自艦が装備したほうが楽だったわけです。したがって、エセックス級を対潜空母に改造する際に、このソナーもセットで装備され、新造空母にもとなったわけです。
ところが、ヘリコプターと吊下げ式ソナーの発達により、このメリットはなくなります。搭載ヘリコプターを派遣して潜水艦を探知させれば、自分が音波を発して相手の潜水艦に発見される危険性を冒す必要性がなくなるからです。
JFKの場合、アメリカが発注されてから4年後の発注です。おそらく、その間に上記の発達があり、ソナーの搭載が計画されたが、必要性がなくなったということです。
つまり、アメリカの戦後の攻撃型空母でアメリカだけがソナー搭載しているのは、端境期の計画だからなのです。
hush
- >hush 様
丁寧な説明ありがとうございます。
大きなバウを有しているだけにもったいなく感じてしまいます。
レオ
- >4
>大きなバウを有しているだけに
多分、大きなバルバス・バウという意味でしょうが、そこにソナーを入れると乗員が増えますし、維持費も必要になります。動かすのに水測員が1人でよかったとしても、軍艦は3交代勤務ですので、それだけで3人必要なわけです。
もちろん、機械だけ入れておいて人員を配置しないということも可能ですが、それでも装備代はかかります。そして、軍の装備というものは、確実に動くことが求められますので、使用の有無に関わらず、常に部品交換をする必要があります。
したがって、設置するほうがもったいないのです。
なお、JFKは、戦後建造のアメリカ空母としては珍しく、艦首端にアンカーがあります。これは、バウ・ソナーの保護が目的ですので、ソナーが要らないと決まったのは、かなり遅かったということになります。したがって、装備予定だったソナーはすでに発注されていた可能性がありますが、そうだったとしても、他艦に転用されたのでしょう。
hush
- >hush 様
ありがとうございます。あのバウは純粋に造波抵抗へのものだったんですね。よく分かりました。
レオ
- ありゃ
http://navgunschl.sblo.jp/article/187170457.html
失礼いたしました。
hush
- 7> hush様、どうも有難う御座いました。両艦についての砲の換装は初めて知りました。
なお、小生が不可能と思われると記したのは、艦と一体の大口径の主砲の換装、及び明治25年頃を念頭においていたからです。
UK
- >7
それは上の1000の7に対するレスかと思いますが、その時期、橋立を国内建造しています。大口径砲、ならびに同砲塔部等の国内生産は無理でも、輸入したものへの換装は不可能であったとは思えないのですが。
hush
- >7ではなく、>8ですね、失礼致しました。
ところで、もしかすると、橋立の建造中に厳島、松島の運用実績を見て、主砲の変更を企てても、それは不可能だったということでしょうか。
もし、そうだとしても、橋立は無理でも、三景艦の4番艦は秋津洲に変更されていますし、この艦こそ、計画段階でさらに主砲を変更しております。
hush
- 10> 明治25年ごろの我国で、いわば艦と一旦で搭載した巨砲を完成後に我国で換装しようにも、砲のみならずシステム(弾庫、揚弾機構、駆動装置)の製造や改装は先ず不可能、またあの時点で新たに必要な機器を輸入することも金銭的にも時間的にも先ず困難、また換装のために艦をあの時点で一線から何ヶ月かはずすことはなおさら困難(何時戦争が始まるのかわからない)であったと思います。但し、あくまでも私の推測です。
UK
- 1000>27、999>11
艦と一体と申しましても、フランスの潜水艦シュルクーフのように特殊なものではありません。
拙サイトで申し訳ないのですが、橋立と松島のページに
RIRO氏の作られた模型を使用させてもらっています。
http://hush.gooside.com/name/h/Ha/Hashidate/Hashidate.html
http://hush.gooside.com/name/m/Ma/Matsushima.html#anchor96785
中央構造物との間に遮風壁のようなものが設置されていますが、砲塔自体は普通のものです(露砲塔ですが)。
そして、橋立は国内建造ですから、当然、砲塔を設置するだけの力量を持っていたということになります。
明治25年、つまり1892年に厳島と松島は日本に回航されますが、橋立の竣工は94年で、この完成を待って日清戦争が始まります。
したがって、厳島と松島の砲に重大極まりない欠陥があったのなら、改修する時間が2年間もあったわけです。
実際、その間に4番艦を、アメリカのボルティモア級を参考にしたとはいえ、自力で設計建造して開戦に間に合わせています。
にもかかわらず、三景艦の改修、もしくは設計変更を怠ったというのなら、海軍の大いなる怠慢と言うしかないわけです。
その上、運用上、そこまでの問題があったならば、ベルタンがフランス帰国後設計者として成功し、海軍大臣までなるというのは考えられないでしょうし、賠償問題にまで発展するのが普通だと思いますが。
hush