982 戦艦比叡はロンドン軍縮条約の結果、主砲塔1基と舷側装甲を撤去することにより練習戦艦となりました。装甲は埋込ボルトにより内側の背板に、マホガニーの板を挟んで、取り付けられています。従って、装甲をはずした後、ボルト用の孔が残ります。このままだと水が入りこむのでまずいです。実際はどのような処置をしていたのでしょうか。写真を見ると、何か新たに板を張ったようにもみえるのですが。
電気戦艦

  1.  さっき勘違いしていました。マホガニーではなくチーク材でした。なお、日本ではヒノキ材を使うこともありました。今回の質問のポイントは、鋼材でできた船体表面に、どのようにして木材の板を張り付けて止めるかということに有ります。昔の戦艦や重巡の進水式の写真をみますと、舷側装甲を取り付けていない状態で滑っています。そこは木の板が張ってあるのが見えます。
     なお、大和や武藏は木材を使わずにパテという粘性はあるが流動性のあるものを詰めていました。これは後には固化します。おもしろいのは、明治末に英国から輸入した香取(ヴィッカース社)と鹿島(アームストロング社)はパテを使ってました。大正終わりにこれらを解体したとき、前者は完全にパテが充填されていましたが、後者はまだら状であったとのことです。
    電気戦艦

  2. 推測だけで回答しますけど。
    その頃の舷側装甲は進水後に取り付けるのが一般的なのですから、元々からして装甲板が無くても浸水しない作りになっているのが自然では?
    例えば船体側は貫通穴でなく、止め穴にナットを切っているだとか。
    2Q4B-523P

  3. >2.
    装甲板はふつう裏側よりボルトで呼びます(穴はめ○ら)
    駄レス国務長官

  4. >3.
    どうもありがとうございます。"warship armour bolt fastening"で検索したらそういう図面がたくさんでてきたよ!書き込む前に調べろ、自分。周回遅れだぞ。

    恥かきついでに元の質問へもレスします。
    進水直後の戦艦の画像を調べてみたら、とてもわかりやすい絵面が。
    ---> https://www.gettyimages.fi/detail/news-photo/launch-of-the-austrian-battleship-st-stephen-in-rijeka-news-photo/929540578
    これは極端としても比叡のケースでも、砲塔とボイラーを撤去すれば相当に喫水が浅くなるので、適当にヒール調整すれば十分に装甲帯は露出するのでと推測します。装甲による水線下の防御が重点されていない時期の設計ですし。
    2Q4B-523P

  5.  どうもありがとうございます。
     最初の質問中で間違いが有りました。「埋込ボルト」ではなく、「植え込みボルト」が正しいです。前者は、木造建築で土台の木材をコンクリートの基礎にしっかりと止めるため、長いボルトの先端をまだ固まっていないコンクリートに差し込んで固めるものなどを言います。後者は、ボルトの両端にねじが切ってあり、一方を他者の雌ねじに先にねじ込んでおいたものを言います。ガソリンエンジンのシリンダカバーは、シリンダから飛び出ている植え込みボルトを利用して固定します。
     装甲に一方がねじ込まれているボルトは、木の板と鋼板製船体外板(これを背板といいます)の孔を通し、裏側からナットで締め上げます。この孔とボルトの隙間から海水が進入しないように工夫がなされています。この辺りについては、英国式とドイツ式が有ります。なお、背板に開ける孔の位置は、現実の装甲の孔に合わせて開けるようです。
     大艦が浸水しても、機関も大砲も積んでおらず軽いため、吃水は浅いです。これを擬装岸壁につなぎ、装甲をはりつけます。工事中水が入ることは有りません。
     出来上がった戦艦から装甲をはずすと、ボルトが貫通していた孔が木の板と鋼板に残っています。このままだと外洋に出られないので、どのように処置したのかに関心が有りました。木の板を張り直せばいいのですが、鋼板への取り付け方がわからないので質問した次第です。
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  6.  忘れていました。「決定版 金剛型戦艦((歴史群像)太平洋戦史シリーズ Vol.65, 2008年7月、学習研究社)のページ 8, 9, 11, 33, 40, 41 にたいへん役に立つ写真が掲載されています。なお、41ページの説明に鋲接とあるのは間違いで、ボルト止めが正しいです。
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  7. 訂正:5.の浸水は進水、擬装岸壁は艤装岸壁に直してください。
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  8.  写真紹介見落としがありました。5. の雑誌のP57,P58,P59 です。
     今回の質問は、物事を大げさに考えすぎていたと思います。もっと単純に考えればよかったと今は思います。結局木板を船体に取り付けるためには、木板にボルトを差し込み、船体の鋼製外板裏側からナットで締めたのでしょう。ボルトの頭(六角か)が木板表面から飛び出ているとまずいので、円筒形の窪みを掘り、隙間はピッチか何かで埋めたのでしょう。これらの写真をみるとそれらが見えるような気もします。
     ということで一応新しい理解に達したということで、今回は終わりにしたいです。皆様お考えいただきありがとうございました。さらにいい資料など見つかりましたなら教えてください。
    電気戦艦

  9. 「戦艦武蔵建造記録」アテネ書房 に装甲板の取付け方法が詳しく載ってますよ
    駄レス国務長官


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