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859の質問をしたものです。 その後、戦後に移送された艦について時々調べていて他の疑問が出てきました。 戦後大量のUボートが英軍に引き渡されています。そしてこのほとんどをイギリス海軍は大西洋で雷撃で撃沈処分しました。 英国はドイツの降伏によってアメリカからの物資支援が終わり国民は敗戦国と大して変わらない窮乏生活だったと聞きます。しかも戦後のイギリスは英国病と言われるほど何十年もの財政赤字国になりました。 そのイギリスが不足する金属の塊であるUボートを高価な魚雷を使ってボコボコ沈めたのでしょうか? Uボートの金属は解体処理してリサイクルするほうが高くつくようなものなのでしょうか。 そうだとしても魚雷を使わず注水した方が安上がりだと思います。 また戦後イギリスは財政難でトラファルガー海戦の戦利品だったフランス艦の返還をフランスに申し出て断られ、これも雷撃処分しています。 タダならアメリカ辺りの富豪や博物館などいくらでも引き取り手はあるでしょうし、解体しても木製家具や内装の好きなイギリス人に貴重な材料として売れたと思います。 またボロ倉庫で小銭取って展示しておいても、大西洋に引っ張り出して雷撃処分するよりお得だと思います。 武士は切腹。軍人は銃殺みたいに軍艦は雷撃処分といった考えがイギリス海軍にあったのでしょうか? トロッター |
- デッドライト作戦Operation Deadlightで沈められたUボートの多くは砲撃や爆撃により撃沈されており、雷撃というのは少数ではないでしょうか。
また、戦後のイギリスで不足していたのは食料等の生活必需品であり、不要になった自国の軍艦だけでも、屑鉄のほうはかなりあったのではないでしょうか。
それよりも、「戦後イギリスは財政難でトラファルガー海戦の戦利品だったフランス艦の返還をフランスに申し出て断られ、これも雷撃処分」という部分のほうが気になっています。戦後を第2次大戦後の理解しますと、トラファルガー海戦の戦利品だったフランス艦が、フィッシャーが木造軍艦の整理を行っていることもあり、その頃までどれだけ残っていたかという疑問がありますし、そのような木造艦に雷撃を行う理由が分かりません。もしよろしければ、出典を教えてもらえないでしょうか。
なお、降伏したUボートのリストは https://uboat.net/fates/surrendered.htm に載っており、Operation Deadlight submarine torpedoでGoogleの書籍検索を行うと、Black Flagという本が出てきますが、この本の最後のほうに、かなり読めない部分はあるのですが、各艦の処分状況が出てまいりますことを付記しておきます。
hush
- いつもありがとうございます。
帆船の雷撃処分の映像は、今回の疑問のかなり以前に見たNHKの番組です。
確か1950年前後の映像です(マスト無し。1隻のみ)。年は正確に覚えていないのですがフランスに断られて処分したということで、とんでもなくもったいないことをするなぁと強く印象に残っています。その後Uチューブでも偶然見かけたので間違いないと思いますが船名等調べてみます。
Uボートについては魚雷以外も使ったのですね。私の調べ方が足りませんでした。すみません。
ただ金属は魚雷・砲弾等の費用をかけて海に廃棄するほど余裕があったと思えません。 軍人はいちいち銭勘定しないだけかもしれませんが。
トロッター
- >2
御教示多謝。
こちらで船名を調べたところ、インプレカブルHMS Implacableでした。ただ、 https://www.youtube.com/watch?v=xTl7tphyvJY で公開されている動画を見ますと、艦上で士官が爆破スイッチを押した直後に爆発が起きていますので、雷撃ではなく、遠隔操作による爆破です。
>魚雷・砲弾等の費用をかけて
魚雷は高価ですが、砲弾や爆弾はずっと廉価ですし、戦争が終わっても、そのような爆発物を大量に持っていても、経年変化等を考えると、どこかで処分すべきでしょう。そのような時、実艦標的として使用するのは、悪くない方法かと思われます。
ところで、戦後のイギリスで金属が不足していたと主張されていますが、何かデーターでもお持ちなのでしょうか。日本では、開高健の「日本三文オペラ」にあるように、あるいは5円玉に穴が開けられたという話があるように、戦後は金属が不足していますが、イギリスではそのような話を、調べても出てこないのですが。
なお、一部のUボートは解体されていることは、1で示したリンク先でも確認できると思います。
hush
- >Uボートについては魚雷以外も使った
1で申しましたように、雷撃は少数です。
hush
- 確かに、金属類が極度に不足したと言うお話は聞きませんね。まあもしかしたら種類によっては不足だったかもしれません。
1939〜1945年の総計となりますが銅(鉱石)に関しては現在のザンビアから1640.8(1000トン単位)、
これにカナダ・米国からの輸入もあったでしょうから不足では無さそうです(日本比)。
鉄鉱石は3480.6(同。日本の3倍)で、亜鉛は英連邦構成諸国(カナダ・オーストラリア)からの輸入が主、
錫はマレー半島が英国にとって主産地でしたから日本参戦後はボリビア鉱山を押さえている米国や
ベルギー領コンゴからの輸入に頼ったと思われます。アルミ関係はボーキサイトが英領ギアナから
6695(同。開戦後インドネシア・マレーを押さえている日本の5倍)ですから、これも不足していなかった感じ。
但し一次製品の生産量は大戦期間中比較だと日本408(同)に対して英国240.5(同)+再生アルミが437.6(同)
他のマンガン・ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン・バナジウム・コバルト等に関しても主産地が英連邦・植民地・
米国(同盟国)傘下の鉱山が主産地でしたから、態々再生金属を使うより安価に精製出来たのでは無いでしょうか。
何れも鉱石・原料に関しては全ての数量が英国に来たわけでは無いですしドイツ側の潜水艦作戦で厳しい時期があったかもしれませんね。
ちなみに数値や場所は「レアメタルの太平洋戦争」より抜粋しています。
精錬に関して、知識が皆無に近いですので突っ込まれても反論できませんが。
陸奥屋
- >5
フォロー多謝。
精錬に関しましては、戦争終了まで、あれだけの原材料を運び入れて兵器類を製造できるのですから、問題があるはずはないでしょう。
hush
- >6
いえいえ
いずれにせよ、ドイツが英国の屈服を諦めた理由の一つに米国の援助もあるでしょうが、
この(当時としては)無限に近い英連邦や植民地のベースメタル・レアメタルの存在もありそうですね
話が大きくなってしまいましたが。
陸奥屋