969 ww2の戦艦建造時についての質問です。
日本海軍は大和型を戦艦のスタンダードとして量産しようとしていたのだ、という記述を見かけたのですが、戦艦を量産する際には
1 主砲製造の砲熕技術
2 装甲製造の生産力
3 造船、造修能力の拡充
主にこれらのボトルネックがあるように見受けられました。
日本が大和型を量産しようとした場合、一番ボトルネックになるのはどれなのでしょうか。
チャカ

  1. あ、あと機関の製造能力もありますね。
    自分の知識ではこの四点を比較することができず、皆さんの力をお借りしたいです。
    よろしくお願いします。
    チャカ

  2. 海軍は戦時下での戦艦の建造はあきらめました。
    大和型4番艦の111号艦は開戦により建造中止→解体されました。
    なので、対米開戦なし、予算・人員無制限という前提ということにしてしまうと

    1.の砲熕技術については46p45口径砲の製造なら可能ですが、計画にあった改大和・超大和用の砲については厳しいでしょう。

    2.の装甲製造の生産力についても同様で、大和型用の410oVH鋼の製造で限界だったようです。
    さらなる大口径砲に対応する防御は、防御方法そのものを再検討する必要があるとされていました。

    3.の造船・造修能力については大分県の大神に工廠を増設する計画がありました。
    大和型の建造には対応しているのではないかと思われます。これで呉・横須賀・三菱長崎と合わせて四隻同時建造ができるでしょうか。

    追加でご質問の機関製造能力は大神工廠の増設で賄えるかなとおもいます。

    アビシニアン

  3. 御回答ありがとうございます。
    つまり戦争がなく、大神工廠があれば大和型を量産しようとした海軍の計画は
    成功する可能性が高いという理解で良いのでしょうか。
    あと、神戸や佐世保には既存の工廠があったと思うのですが、そこが大和型を作れないボトルネックが何かあったのでしょうか。
    チャカ

  4. それ以外に装備品(測距機、方位盤、高射装置、電探)および燃料の製造能力というのもあると思います。このへんはかなり厳しいのではないかと思います。
    また、ご質問にあった佐世保、神戸の造船能力ですが、佐世保の設備は規模が小さく戦艦の新規建造は不可、川崎神戸は防諜上の理由で使用できないでしょう。
    また、大和型の量産で補助艦の建造をかなりあきらめる必要があるのではないかと思います。老朽化した重巡・軽巡・駆逐艦の建造をあきらめざるを得ないという点から戦艦の量産はしないという結論になるのではないでしょうか。
    アビシニアン

  5. なるほど、ありがとうございました。
    チャカ

  6. 私の知っている限りでは、神戸(川崎造船)は、船台の幅が少し足りなかったからです。このためもあるのでしょう、川崎はもっと大型の艦船を建造可能な造船所を計画していたようです。
    UK

  7. >4
     基本的に同意致しますが、「佐世保の設備は規模が小さく戦艦の新規建造は不可」とあるのが、少し気になっています。と言うのは、ここの第7船渠で武蔵の艤装を行っているからです。現在は佐世保重工業第4ドックとなっていますが、我々の世代では日章丸を建造したドックであり、昨今ではアメリカの原子力空母が使用可能な4ドックの一つです。建造船渠として使えるかどうかは存じませんが、規模が小さいとまでは言い切れないと思っています。
     川崎神戸の場合は、機密保持という問題もありますが、船台での建設には問題が多いということで、D計画の戦艦は船渠建造に切り替わったと聞いたことがあります。
     また、大神(おおが)工廠については、後に台湾の高雄に建設予定地が変更になっていますが、D計画の必要費用44億円の過半を占める24億円であったことはともかくとして、中に入れる工作機械をどうするのかという疑問があります。と言うのは、当時の日本では、精度の高い工作機械は輸入に頼っていたからです。しかも、これは、大和級の主砲塔防楯に使われた650mmの装甲用にドイツから導入した1万5千t水圧プレスがという話ではなく、旋盤だとか、中ぐり盤だとかいうような普通の工作機械の話なのです。
     「対米開戦なし、予算・人員無制限という前提」ということですが、1939年にアメリカは鉄、屑鉄の対日輸出規制を行っています。そして、当時、日本に輸入されるの鉄の半分はアメリカからのものであったのですから、その影響は看過できないものと思っています。
     また、ドイツは1939年にイギリス、フランスと戦争を始めています。つまり、これらの国の工作機械の輸入はかなり厳しいということになります。
     したがって、これらの工作機械の輸入先はアメリカとなるわけで、実際、海軍は1937年から41年の間に総額2000万ドル以上、円に換算すると8600万円もの工作機械と航空機部品を購入しています。ただ、そのためには外貨が必要になるわけですが、戦前の日本が輸出できたのは生糸や綿製品を中心とする繊維製品がほとんどです。
     もし、アメリカが工作機械の輸出制限を行えば、かなりの隘路に突入する可能性が高いですので、アメリカの対日禁輸なしという前提も必要かと思っています。
     
    hush

  8. hushさん、回答ありがとうございます。
    つまり、工作機械の調達が最大のボトルネックになるという理解でよろしいでしょうか?
    チャカ

  9. >8
     鄭重な御礼をありがとうございます。
     ただ、工作機械の不足はボトルネックの一つになったという可能性を申しただけで、最大かどうかは存じません。もっとも、アメリカの対日禁輸が史実通りに行われたとしたら、量産が完成した頃には動かす燃料がなくなっていただろうとは思っています。したがって、しいて、最大の問題を挙げるとするのなら、燃料問題ではなかったかと思っています。
     
    hush

  10. >7
    hush様
    おっしゃるように第七船渠は大和型の艤装、修理を行うために整備された船渠ですので、この船渠では建造は行わないとおもわれます。
    アビシニアン


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