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旧海軍の軍艦では分隊士が裸足で見回りをして、気合を入れていたと聞きます。裸足は危険だとおもうのですが、なにか理由があったのでしょうか。 ゲン |
- 近代的なデッキ・シューズは1935年にアメリカのスペリーが開発したものです。
それまでの靴は濡れた甲板上で使用すると非常に滑りやすく、転落する危険性があり、スペリー自身も海中に落ちたことがありました。このため、滑らない靴のアイデアを考えていたところ、自在に走り回る愛犬の肉球にヒントを得て開発したのです。
したがって、彼以前では、濡れた甲板上を滑らずに動き回るためには、靴を履かずに、素足で動くほうが有効だったのです。
実際、人前で素足を見せるのを極端に嫌がるイギリス人が、艦上生活では危険な靴を履かずに生活していました。実際、Navy Barefootで検索をかけると、いくつか実例を見ることができます。たとえば https://www.reddit.com/r/HistoryPorn/comments/1n4sun/winston_churchill_inspecting_royal_navy_cadets/ は、チャーチルが練習艦を査察した際のものですが、少尉候補生は陸上であるにも関わらず、靴を履いておりません。また、 https://www.navy-net.co.uk/community/threads/any-idea-on-this-photograph-early-1900s.76732/ の写真はヴィクトリア時代のものですが、前3名中、2名は素足です。
旧日本海軍はイギリス海軍の影響下にありましたから、水兵の日常は素足であり、その足を守るために甲板にささくれがないように磨いていたわけであり、鉄甲板では火傷するために、木甲板が必要とされたわけです。
hush
- 皆裸足だったのですね。ありがとうございました。
ゲン
- >2
ただ、多分、士官は艦上でも靴を履いていたと思います。旧海軍の艦上写真を見ると、足まで写っているものが少ないのですが、靴を履いているからです。
兵員も、通常は何らかのもの、 http://navgunschl.sblo.jp/article/176540046.html によりますと、少なくとも戦闘時は「底がゴムの布製ズック又は厚手の地下足袋を多く着用した」そうです。実際、 http://www.furukabe.com/EQhaw020c.html は、横浜震災とありますので、1923年の関東大震災の際のものと思われますが、イギリスの水兵が裸足であるのに、士官と、日本側の水兵は靴を履いています。
にもかかわらず、甲板士官が裸足であったのは、濡れた木甲板が危険であったという以外に、ささくれがないかを確かめる意味合いもあったのかもしれません。また、汚れたところにも入っていく必要があるので、靴を汚さないためという理由も考えられます。
ただし、だんだんと鉄甲板に変わっていくと、滑り止めもついてきますので、素足である必要性はあまりなかったとは思います。
「皆裸足だったのですね」とお書きになられているので、旧海軍では常に裸足であったように思われていそうですので、慌てて追記させてもらいます。
なお、1の「水兵の日常は素足であり」は、ちょっと自信がなくなってきましたので、削除させてもらいます。
hush
- 空母大鳳で最後の火災が発生する前、ガソリンが充満しているので靴裏の鋲で火花が飛ばないように注意するよう伝令が走ったとかいう話がありましたね。
船上で裸足だったか何か履いていたかというのは歴史的にどうだったんでしょうか?
ローマ海軍は鋲付きのサンダルを履いていたようですし、ヴァイキングも船と共に靴が発掘されています。もっとも、ヴァイキングのは船そのものが葬式用で靴も副葬品である可能性があるので。航海中に船乗りが履いていたかどうかを証明するものではありませんが・・・北海や北大西洋で裸足というのもちょっと・・・いや、寒さに強い白人なら平気なのか?
おうる