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超甲型巡洋艦の各部分の正確な装甲厚とかはやはりわかっていないんでしょうか? それとも図面などがあったりするのでしょうか? yamato |
- 学研の歴史群像シリーズ「日本の戦艦」141ページには
・舷側装甲帯が190mm
・水平甲板部は125mm
・バーベット部は前面が210mm、後面が190mm
・砲室はバーベットに準ずると推定
とあります。
この元になった資料(=出典)ははっきりしませんが、
この文章は大塚好古先生がお書きになられているので、
問い合わせれば、何か分かるかもしれません。
(最近はAnsQにはお越しになってないのでしょうか・・・)
Jack
- なるほど、ありがとうございます。
準ずるというのはこの場合、砲塔前面が210mmで後面が190mmということでしょうか?
それともバーベットの厚さから推定される常識的な厚さということでしょうか?
前者の場合、アラスカ級などよりだいぶん薄いことになりますが。
yamato
- 1) 砲塔前盾とバーベットの厚みってそんなに違ってましたっけ?
サウスダコタ
砲塔前盾 457mm
バーベット 439mm
ヴァンガード
砲塔前盾 324mm
バーベット 330mm
大和
砲塔前盾 660mm VH
バーベット 560mm MNC
リシュリュー
砲塔前盾 430mm
バーベット 405mm
で、大和を除けば各国戦艦で厚さはそんなに違わないと思うのですが。
(大和の場合は砲塔とバーベットで素材が違うので、単純に厚さで評価できないですが)
2) 薄くても問題ないのではないでしょうか。
つまり、想定される任務の違いが、この装甲厚の違いになっているのではないかと思うのです。
アラスカは、日本で「建造された」と噂のあった超甲巡に対抗するためのフネです。
つまり、同規模の相手と戦うことを想定しています。
一方、超甲巡は夜戦における指揮艦艇 兼 火力支援艦です。
つまり、戦う相手は敵の重巡以下です。
実は今、各国主要艦砲の貫徹力について調べているのですが、
それによれば8インチ砲(日本)の貫徹力は、5000mでおよそ200mmです。
※どこの国でも、自国の武器の貫徹力を基準にするのが通例です(それしか参考にするものが無い)
つまり、重巡を相手にするならば、5000mまで近寄られない限り前盾は貫徹されない。
そしてそこまで近距離になれば、前盾は戦車の砲塔のように傾斜していますので、避弾経始の効果が出て貫徹は難しくなる。
つまり、重巡以下の艦艇に対しては、全距離で前盾は安全だと言えます。
ならば、この厚みでも問題ないのではないでしょうか。
参考:同規模のフネと殴り合いをすることを考えていた、仏独伊の中型戦艦の砲塔前盾とバーベット厚
ダンケルク
砲塔前盾 330mm 傾斜30度(内傾)
バーベット 310mm+15mm×2
コンテ・ディ・カブール
砲塔前盾 280mm KC傾斜30度(内傾)
バーベット 50mm POV+230mmKC
シャルンホルスト
砲塔前盾 360mm KC n/A傾斜20度(内傾)
バーベット 350mm KC n/A
同規模の相手と戦うことを念頭に置いているフネは、概ね300mm前後というのが分かるかと思います。
※何度も言いますが、素材の違いは考慮に入れる必要があります
Jack
- あ、あと砲塔背面は190mmもないと思いますよ。
あの大和でさえ190mmです。
もし同素材(NVNC)であれば、もっと薄いでしょうね。
砲塔の重量は砲塔そのものの旋回性にも関わってきますので、
想定される十分な防御力があるのであれば、軽い(≒薄い)ほうが有利ですから。
Jack
- なるほど。
個人的には砲塔バーベットは前後面より側面が厚く大和もここで560mmに達する事、砲塔前面はそれを数十mm上回る事、さらに日本の建造計画に関する誤報を受けたアラスカ級建造を受けて建造に踏み切ったことから重巡洋艦を圧倒すると共に同規模の艦艇に対抗する目的もあった事を考えるとバーベット側面は250mm以上300mm以下、砲塔前面は300mm以上330mm以下ぐらいと思っていたのですが……
yamato