768 |
クリミア動乱でロシア海軍に接収された潜水艦ザポリージャの要目をみるとスクリューが3軸で驚いたのですが、ドイツ戦艦のごとき3軸推進が採用された理由は何なんでしょうか。スクリューは大きいのを一つ取り付けるのが効率上は理想で、たいていの潜水艦は1軸か2軸だと思うので、これにはびっくりです。 ご存知の方がいらっしゃいましたら御教授いただけると幸いです。 ナガシマプロペラ |
- 単に、元がフォックストロット級で、エンジン3台だから3軸だっただけでは無いでしょうか。
ザポリージャはプロペラを巡行用と高速用に使い分けていますが、艦体はフォックトロット級のままで3軸を継承しただけだと思います。
わんける
- フォックストロット級、タンゴ級など昔のソ連通常動力型潜水艦は3軸艦が多いですね。複雑化、推進効率低下などデメリットの方が多そうですし、西側での採用例は見受けられませんが、ソ連は何故この推進方式にこだわったんでしょうか?
ナガシマプロペラ
- 潜水艦の推進軸が1軸が主流になったのは1953年竣工のアルバコア、59年竣工のアメリカのバーベル級あたりからです。それまでは潜水艦は水上航走を主としてので、多軸推進が普通でした。実際、フォックストロット型の原型となったナチス・ドイツのXXI型潜水艦も2軸推進でしたし、1957年以降に竣工したアメリカのスケート級原子力潜水艦も2軸でした。
これがズールー型で3軸推進になったのは、1で述べられているように高速用の電動機を別途搭載した関係であろうと思います。そして、その改良型であるフォックストロット型にも継承され、さらに次のタンゴ型にも受け継がれたのでしょう.
そもそも、軍艦というのは、効率よりも耐久性を重視するもので、商船のほとんどが1軸推進であるのに対して、2軸推進が主流でした。1軸が壊れても運用可能だからです。したがって、流体力学の観点から実験用に1軸推進のアルバコアが建造されたのはともかく、バーベル級で実用化されたのは驚きであったのです。
ザポリージャの竣工は1970年ですが、潜水艦が潜航可能な水上艦艇であった時代の設計であるので、多軸推進になったのは当然だったのです。
hush
- 皆様ご回答ありがとうございます。
ザポリージャのプロペラは巡行用と高速用に使い分けているというのは初耳でした。
戦後潜水艦はとにかく1軸が常識、珍しいケースで二軸という誤った考えにとらわれていたようです。確かにザポリージャの見た目は水上艦ぽくってUボートの拡大発展型といった感じです。それなら3軸も不自然な感じはしませんね。たった一隻の潜水艦(過去形)がUボートの後裔というウクライナの海軍事情が泣けてきます。
ナガシマプロペラ