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第二次世界大戦時の有名なジョークに、ノルマンディー上陸作戦時の英国戦艦「ウォースパイト」に、ドイツ水雷艇が突っ込んで行ったのに戦艦からは、何の動きもなし。誰もが怪訝に思っていたら、士官が一言「おかしすぎて撃てないんだろう?」というのが有りますが 水雷艇、魚雷艇が魚雷を当てられる有効射程ってどのくらいでしょうか?あと潜水艦や駆逐艦、巡洋艦ではどんなものなのでしょうか? まさのり |
- この場合の有効射程とは、おおざっぱに「命中を期待できる距離」ぐらいの意味でしょうか。
そうであれば、そんなものは戦況や戦術、発射管数、環境などの要素次第でいくらでも変わりますよ。一言で有効射程は何メートルと、言えるものではありません。
例えば戦況。
相手が損傷して速度が落ちていれば当てやすくなります。
そうなれば、多少遠くから撃っても当たるでしょう。
一方、無傷の敵艦相手ならば、相当接近して撃たないと回避されるでしょう。
例えば戦術。
日本の水雷戦隊が完成させた、「予想される相手の行動範囲を塗りつぶす」統制雷撃法ならば、多少遠くても当たる可能性はありますが、そうでなければ、急に舵を切られれば回避される可能性もあるため、有効射程はその分短くなるでしょう。
例えば発射管数。
装備している魚雷の射線数が多い方が当たりやすくなりますから、多少遠くても当たる可能性が高くなりますし、射線数が少なければ逆になります。これは、個々の艦の発射管数の話もそうですし、艦隊や戦隊全体での話もそうです。
例えば環境。
夜戦の方が、昼間よりも魚雷発見率が下がりますから、多少遠くても効果は望めるでしょう。また同じ夜間でも、月齢ゼロの咫尺を弁ぜぬ暗夜と、月齢十五の煌々とした月明かりの下では、発見率に差が出ますから、有効射程にも影響を与えるでしょう。
そしてそもそも魚雷は、それがたとえ酸素魚雷であったとしても「接近して」撃つものです。遠距離から当てるには誘導魚雷を持ち出さなければ無理でしょう。
長々書きましたが、
・戦況や戦術、発射管数、環境などの条件が限定されていない
・誘導魚雷を考慮するのか否か、考慮する場合、その誘導方法の信頼性はどの程度か
という部分を省いてしまっては、たとえここの碩学の皆様の知識をもってしても、回答のしようがないのではないかと思いますが。
Jack
- ザクっと言います。
日本海軍では巡洋艦、駆逐艦、潜水艦なんかの複数魚雷をバラ撒ける場合で10km,
甲標的は1km以内です。
無頼庵