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自分なりに色々調べたのですが、幼稚な疑問なのか解答が見つからなかったので、皆様のお力をお借りしたく思います。 「護衛艦しらね」に搭載された5インチ砲は、砲撃の際に排出される空薬きょうはバスケット状のもので回収されています。 一方、「護衛艦こんごう」などの砲では、空薬きょうは甲板上に排出されるようです。 この、回収用バスケット(?)は何故廃止されたのでしょうか? 素人考えでは、資源回収と言う意味でも有効な装備かと思うのですが…。 やはり、無駄な重量増加を嫌ったからなのでしょうか? ひよっ子 |
- 排出された薬莢は必ず海に落ちるという訳ではないので、資源回収という意味ではバスケットの有無はあまり関係ありません。
Oto Melara 127mm
或いは
Oto Melara 76mm
等で検索するとこんごう型で採用されている127ミリ砲やDDで採用している76ミリ砲の射撃動画が見れますが、薬莢がすぐ前の甲板に落ちているのが判るかと。
薬莢受けそのものに関しては、廃止されたと言うより「とりあえず付けてみたけど効果があまりなかった」というのが正解じゃなかろうかと……。
元々73式5インチ単装速射砲としてライセンス生産した際に取り付けた日本オリジナルのようですし(F・シャーマン級の写真等でも同様の装備は確認できず)。
ぶっちゃけ、制式化の際に薬莢受けが付けられた状態>撤去するには面倒な書類手続きてんこ盛り>なし崩しにそのまま、ってのが真相じゃないかと(現役自衛官の友人談)。
薩摩
- 米海軍でもMk42が採用された当初は、この空薬莢受けはありませんでした。 打ちガラ薬莢が砲塔の前方に自動的に排出される、というより放り出される方式のものはこれが初めてでしたが、DLG(後のCG)などの大きな艦の上甲板に装備される分にはそれ程問題にはならなかったからです。
それに、実戦態勢を旨とする米海軍には、元々空薬莢を厳格に回収するなどという考えはありません。
しかしながら、当時のDDやDDG程度の艦、特にその52番砲のように01甲板の狭いところに装備されたものは、「平時の訓練」において、上甲板への落下による危険性や乗員の回収の利便性などがあって、その後この空薬莢受けが付加されました。
そして、別に日本だけではなく米国でも同じで、一度付けたものが新規製造されるようになると、大型艦用のものでもそのままとなり、例えば「Truxtun」(DLGN 35)などでも就役時から付いています。
(付ける砲、付けない砲があるとその製造に手間暇がかかり、コストが高くなることはご承知のとおりです。)
1970年前後頃からはこれが付いたものが米海軍艦艇の写真でも結構あることがご覧いただけると思います。
一方で海自では、「たかつき」型や「はるな」型に採用した時に、特にその52番砲などでの事情は同じことですので、全て空薬莢受けが付いたままでライセンス生産されています。
しかしながら現在では、米海軍でも海上自衛隊でも、大きな船体の広い上甲板上に装備されるようになりましたんので、OTOやMk45ではわざわざ付ける必要性が無くなってきたということです。
もちろんMk42でも、実戦が想定されるような場合には逆にこの空薬莢受けは邪魔になりますので、取り外すことは申し上げるまでもありません。
艦船ファン
- 米海軍は演習では、薬莢の落ちるあたりにマットのようなものを敷くこともあるようですね。ttp://www.navy.mil/view_image.asp?id=136164
机
- マットは普通のことで、海自でも使っていますし、旧海軍は明治時代から使っていますね。
打ち殻薬莢が甲板で跳ね返るのを防止するためで、木甲板ではその毀損の防止もあります。
なにしろ熱いですし、また5インチ以上になるとそれなりの重量がありますから。
艦船ファン
- みなさま、ありがとうございます。
不勉強なこともあり、「便利(そう)なのに、なぜ最近の艦艇には付かなくくなったのかな?」と思っておりました。
大変勉強になりました。
ひよっ子