346 久しぶりに質問させていただきます。
小室直樹氏の「大東亜戦争ここに甦る」という著作の中に、次のような記述があります。

「戦艦や重巡は、専門家が実物を見れば500トンくらいの誤差で排水量を当てられる。しかし空母は、遠くから見ただけでは1万トンと1万7千トンの区別は付けられない」

この記述に関して、2点、御教示ください。
@戦艦や重巡の実物を見て、排水量を当てるということは、実際に可能なのでしょうか? 要目を知らされていない専門家が、実物を見て排水量を当てた実例はあるのでしょうか?
A上の記述が事実である場合、実物を見ただけでは航空母艦の排水量を当てられないのはなぜでしょうか?

第二次世界大戦ぐらいの時期の艦艇が対象の質問ということで、よろしくお願いいたします。
隼兵

  1. 直接の回答とはちょっと違いますが、航空母艦に関して。

    改装空母を例にしますと「祥鳳」が全長205mで基準排水量11200トンですが、「神鷹」は198mで17500トンになります。
    祥鳳と神鷹では水線最大幅が7.6m(祥鳳18m、神鷹25.6m)も違いますが、横から見ただけではこの違いは判りません。
    1万トンと1万七千トンの区別が付けられない、というのはこの両者のような事を言っているのではないでしょうか?
    薩摩

  2. >500トンくらいの誤差で排水量を
     何をもって専門家と言っているのかは知りませんが、その様なことは絶対に不可能なことです。
     そもそも艦船の排水量というのは水面から下のことが問題なのであって、水面から上の部分ではありません。 その水面から上の部分を見ただけで、水面下のことが誤差1〜5%程度で判るわけはありません。

    艦船ファン

  3. ご質問の中で空母に関してのみ「遠くから見ただけでは」と書かれており若干意味が不明ですが、常識的に考えて、戦艦等であれば主砲等の大きさとの比較で全長、全幅を推定することは可能です。
    もちろん設計思想が大幅に従来艦と異なり新砲塔を搭載した新型艦の場合等は推測は困難になります。
    どちらにせよ500トンというレベルの話ではありえないでしょう。
    一方空母の場合は離れた位置からは、正規空母と護衛空母を見間違える位の話で排水量云々以前の問題かと。

    WTM

  4. たとえば大和のサイズと排水量についての大戦初期の米軍の推定では、「大きさは870ft(約265m)×139ft(約42m)」「排水量は45000t」となっています。
    http://www.warbirds.jp/ansq/2/B2000967.html

    もちろんこの推定は「専門家が実物を見て」のものではないでしょうが、>1で薩摩さんがおっしゃっている最大船幅について、10%程度過剰な見積もりをしていてさえ、現物は見積もりより40%以上重いわけで、>3でWTMさんがおっしゃった新型艦の事情や、米軍側に45000トン級という思い込みがあったことを考えに入れても、500トン単位で排水量を当てるのは困難でしょう。
    カンタニャック

  5. 皆様、御回答いただきありがとうございました。
    戦艦・重巡洋艦であっても、正確な推定は困難とのことで、勉強になりました。
    大和の例は勉強不足で未確認でしたが、長さと幅まで見切っていても、排水量の推定は困難なのですね。

    隼兵


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