338 米国海軍は軍艦の名前に激戦場となった地名をつけますよね。なかには米国領でもない外国の地名をつけたりしてますけど。
強襲揚陸艦イオージマとか誇らしげに命名してるのは抵抗感ある日本人は多いと思いますが。
もちろん犠牲となった両国の兵士に敬意を表し…とか言い分はあるんでしょうが。
タイコンデロガ級ノルマンディーとかフランス人はどう思ってるんでしょう。
自国の軍艦名に使いたかったのに取られちゃった!とか…

以上の前置きはともかく質問は、
米国領でない地名をつけるときそこの国の政府に事前に了承とかとったりするのかな?
という疑問です。
フォンデアたん

  1.  空母「ミッドウエー」を横須賀母港にする米軍の神経はスゴイと思う。
    ごもら

  2. >自国の軍艦名に使いたかったのに取られちゃった
     そのケースはキャンベラですね。オーストラリア海軍の重巡洋艦キャンベラは、第1次ソロモン海戦で日本艦隊の奇襲を受けて沈没しましたが、「アメリカ」海軍は、これを記念し、「栄誉を称える」目的で、ピッツバーグとして建造中の自国の重巡洋艦(CA70)にキャンベラと命名したのです。
     その上、この艦はミサイル巡洋艦に改造されたために、他の同型艦が次々と除籍されていく中で生き残ったのです。このため、オーストラリア海軍は混乱を避けるため、自国の首都の名であるにも関わらず、キャンベラという艦名を使うことが出来ず、1978年にようやくアメリカ海軍がキャンベラを除籍してくれた御蔭で、新しいミサイル・フリゲートにこの名を取り戻すことができたのです。そして、このキャンベラの進水が、アメリカのキャンベラの除籍された1978年であるということが、もう一度、アメリカがキャンベラの名を使う前にという焦りを感じさせるのであります。
     イオー・ジマ、スリバチやオキナワは、戦後の建造艦ですが、このような艦名をつけることの了承を同盟国に求めたという話も聞きませんし、御質問の事前了承の件はないものと思います。
     なお、ノルマンディー上陸作戦を記念したフランスの艦はあり、この作戦で自由フランス軍が上陸した村の名をとってアローマンシュと命名されていることを追記しておきます。
     
    hush

  3.  うろ覚えの記憶からの回答ですが・・・たしか米海軍が駆逐艦にチャーチルの名前を採用したいと英政府に打診したことがあったはずです。
    おうる

  4. 横合いから失礼します。
    堀田善衛、司馬遼太郎、宮崎駿の鼎談集「時代の風音」の中に「ブルーリッジ」(「青い山脈」)の話がありました。
    同艦を第7艦隊の旗艦にした米海軍のセンスって・・・
    けーくん

  5. 便乗質問すみません。
    USSブルーリッジといえばアパラチア山系南東部のブルーリッジ山脈にちなみ、1918年就役の初代から数えて現在のLCC19は同艦名の3代目にあたるはずですが、ブルーリッジ山脈か、歴代艦になにか面白いエピソードでもあるのでしょうか。
    該書を読んでおらず不思議に思ったので、差し支えない範囲でご教授願えれば幸いです。

    エクレア

  6. 同書のなかでは、戦後に創作された「青い山脈」を「民主化された日本」の象徴として米国は、とらえていた趣旨の内容でした。
    けーくん

  7. なるほどそういう趣旨のお話だったのですね。ありがとうございます。
    エクレア

  8. >1.ごもら様
    キティホークの後の横須賀配備空母を決めるときH.S.トルーマンをあてるほどの神経ではなくてよかったです。
    >2.hush様
    そんな例がほんとにあったとは興味深いことです。
    そんな長期間最後まで使われ続けたということは、わざわざ抗議や変更要請などをする大問題というわけでもなかったんでしょうね。
    >3.おうる様
    これも興味深いです。チャーチル氏死去は'65年、英原潜チャーチルは'69年進水で現在でも一応保管中ですね。いつごろの話なんだろう。
    >4.けーくん様
    私も最初該当書を読んでないの意味がわかりませんでした。機会があれば読んでみます。

    人名はともかく地名は事前の相談もなしだとわかりました
    米国艦は最近は生きてる人の名前を平気で採用しますからね。
    このため突っ込みどころを挙げるとキリがなく、気にはなってもいちいち問題にする気も起きないといったところでしょうか。
    今後は新しい戦場名も出てこないと思うので2代目3代目のイオージマやノルマンディーもできるでしょうね。
    レスいただいた皆様ありがとうございました。

    フォンデアたん

  9.  地名というものと、戦場名というものは別に考えて戴いた方がよいように思います。
     たとえば、最近まで在籍していたイギリスの原子力潜水艦にトラファルガーというのがありますが、これは言うまでもなくネルソンがフランス・スペイン連合艦隊を打ち破ったトラファルガー海戦に由来するものです。そして、この海戦名の由来になったトラファルガー岬というのは、ジブラルタルの北西約50kmにある、れっきとしたスペイン領です。しかし、この艦名をつけるからといって、スペインに了承を求めるということはしていないと思います。もちろん、撃破された側であるフランスにもです。
     これは、たとえば、フランスに在籍していたアゴスタ級潜水艦の艦名を考えると、1番艦アゴスタはイタリア、シチリア島アウグスタ沖でオランダ艦隊を撃破した海戦、2番艦ベヴェジエは一般にビーチ・ヘッド海戦として知られるイギリス艦隊を撃破した海戦、3番艦ラ・プラヤもイギリスの護送船団を撃破した海戦であり、最終艦ウェサンもイギリス艦隊との海戦名に由来します。つまり、どちらの国も相手の国にとって、余り面白くない艦名をつけているわけですが、これを問題にしてしまうと、艦名の選択肢が随分と減ってしまうのではないかと思います。
     もっとも、昨今では、多少の外交上の配慮があるのか、イギリスの現有艦艇にはそのような戦場名、あるいは提督の名等はなくなっているように思いますが、他の国ではそのようなことはありません。もちろん、その中にはアメリカも含まれているのですが、この国の場合は他の国で比較的少なくなっている戦場名を多用している傾向があります。そして、その歴史的な経緯からヨーロッパにおける戦場名より、アメリカ国内と太平洋各地の戦場名が多いように思われます。
     これは他国より艦艇数が圧倒的に多いということに起因するものでありましょうが、マニラだとかサンティアゴ・デ・キューバのように米西戦争の海戦名を採用していないのは、意図を感じずにはおられません。しかし、上記に述べたように戦場名を艦名に採用することは、一般通念において普通のことであり、特には問題となるものではないと思いますし、これを相手国に了承を求めるというのも変なことだと思います。
     これに対して、戦場名ではない異国の地名を艦名に採用するというのは、かなり意味合いの違うものではないかと思います。特に、その地が係争地であったりすると、外交上の問題も生じる可能性もあろうかと思います。実際、大韓民国が独島という艦名を採用した際には、問題視する意見が多く出ましたし、古くは、ロシアがマンジュール、コレーツという砲艦を建造した時には、満洲人、韓国人を意味する艦名ということでロシアの膨張政策に警戒する声が出たとも聞きます。
     したがいまして、国際通念上、戦場名を採用する場合は、了承を求めるとは思えませんし、係争地であり、自国の領土であるということを主張する場合は、余計にありえないと思います。海上保安庁が巡視船に「くなしり」と名づけたからといって、ロシアに了承を求めたとはとても思えないからです。
     
     なお、就役中のイオー・ジマは未完成に終わったエセックス級空母も数えると3代目であることを蛇足ながら付け加えておきます。
     
    hush

  10. かさねがさねご教授ありがとうございます。
    フォンデアたん


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