297 |
今作っている艦船模型のマストに「艦名符号」の旗を付けてみようと思っています。 そこで、タミヤの『軍艦雑記帳』、シールズモデルズ製の『1/700スケール用信号旗セット』、ネットなどで調べているのですが、資料によって異なる内容が記載されていて、戸惑っています。 ネットで見つけた事例では、『1941年12月1日現在』の注釈付ではありますが(hush.gooside.com/call_sign_ijn_shiptype01.html#anchor8689)にて「金剛:JGAA」「霧島:JGBA」とあります。 『軍艦雑記帳』では、「JGAA」大和、「JGBA」武蔵となっておりますが、時期によって変わる事もあったのでしょうか?(大和・武蔵の就役で変更された等) もし、参考になる資料などあれば、御教示頂きたく思います。 宜しく御願い致します。 ひよっ子 |
- 艦名符字は、艦艇の竣工・除籍に伴い、ある程度の時期を置いて改訂が加えられるのではないかと推定します。
軍艦メカニズム図鑑の「日本の駆逐艦」に掲載の駆逐艦の例(太平洋戦争末期のものと推定とあります)から一部抜粋すると
朝潮型:
満潮 JXZA
朝雲 JZAA
山雲 JZBA
霞 JZCA
陽炎型:
不知火 JZDA
初風 JZFA
雪風 JZGA
天津風 JZIA
時津風 JZLA
浦風 JZJA
磯風 JZHA
濱風 JZMA
谷風 JZKA
…という風で、ある程度の順序性が見えますが、艦型内の並びに沿わせる傾向は強くなく、また喪失艦の空白が詰まっているようです。
(上記で不知火と初風の間でJZEAが飛んでいますが、同書では夕雲型の藤波に付けられています。また、不知火と初風の間は黒潮・親潮・早潮・夏潮の4隻(いずれも昭和17〜18年喪失)が入ると思います)
上記から、新造艦に新しい符字や除籍艦の符字を割り当て、時機を見て割り当て自体を改訂し、その際に除籍艦の空白を詰めているのではないかと思います。
符字の順序性は所属部隊(戦隊や駆逐隊など)も関係するかも知れませんが調べていません。
改訂されるものであれば、その信号符字は何時のものか?という問題も発生します。(上記資料も同じ一覧からかハッキリしません)
どんな史料を当たれば追跡できるのかは割振りの法則性も含めて以前から気になっています。符字一覧の類は必ず発行されるはずですが…。
質問の回答としては「時期によって変わる事もあるようだ」だけで不十分ですが、資料について私も識者からご教示いただければと思います。
大瀬千早
- http://hush.gooside.com/call_sign01.html#anchor223717
上記の出典は「信号規約」(昭和16年12月1日付)です。
信号規約は毎年改定された(新造艦艇の追記&除籍艦艇の削除が主)ようです。
信号符字そのものの改定については下記を参照。
http://www.geocities.jp/tokusetsukansen/J/D/callsign.htm
出沼ひさし
- ごめんなさい。hush様のサイトは閲覧済でしたね。
>1
>上記から、新造艦に新しい符字や除籍艦の符字を割り当て、時機を見て割り当て自体を改訂し、その際に除籍艦の空白を詰めているのではないかと思います。
これは私もそう推測していますが、裏付けが取れない状況です。
昭和17〜20年の信号規約が見つかるか、「軍艦雑記帳」「軍艦メカニズム」の出典が判ればよいのですが。
>符字の順序性は所属部隊(戦隊や駆逐隊など)も関係するかも知れませんが調べていません。
所属部隊は関係ないように思われます。
出沼ひさし
- >3
>裏付け
少し弱い裏付けですが、アジ歴「信号符号通信規約に関する件(リファレンス:C04015421300)」の3ページを読むと、大正13年3月13日付で『第一等巡洋艦の部 那智の次に「J G F A 足柄」及「J G G A 羽黒」を─中略─を加ふ』とあります。
昭和16年12月1日付では、JGFAは山城、JGGAは伊勢ですから、大改訂は行っていると思います。
それを戦時中に行ったか、までは定かではありませんけどね。
伸
- みなさま、丁寧な回答ありがとうございます。
除籍にならない限り、「継続して使用するもの」と安易に考えておりました。
大変勉強になりました。
ひよっ子