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先日放映された「坂の上の雲」で、戦闘前に艦上の手すり(チェーン)を除去するシーンがありました。事実に基づいた描写であるとすれば、目的は何なのでしょうか。 当時の海戦では主砲だけでなく中・小口径砲も使用されるため、中・小口径砲弾の着弾時に、チェーンなどが飛散して人員を殺傷する可能性がありそうですが、その対策でしょうか。 WWIIでは、海戦時でも手すりの撤去は行っていないようなので、ちょっと気になりました。 くさの |
- 過去ログにも有ったかと思いますケド
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/gunkan/ship_miscella.html
の「合戦準備」の規定に拠るモノではないでしょうか
駄レス国務長官
- 駄レス様、ありがとうございました。
「(ロ) Stanchion 及び Ridge Rope を外し乗員の動作を妨げざる位置に固縛す。 ただし Hand Rail はこれを外したる後直ちに敵と会戦せざるとき、または夜間哨戒中にありては人員保安のためこれを立て置くを例とす。」
ですね。ただ、件の番組では会敵しそうではない場合でも外したままになっていましたので、「直ちに敵と会戦せざるとき、または夜間哨戒中にありては」の部分を見落としてしまったのでしょうか。
リンク先の規定はいつのものかが不明なのですが、WWII中でも合戦準備がでたら、手摺などは除去されたと考えてよろしいのでしょうか。
くさの
- >2.
合戦準備において手摺及びその支柱を撤去するのは主として次の2つの理由からです。
1.戦闘の邪魔になる。(例えば砲などの旋回・俯仰で)
2.戦闘被害により毀損するのを防止する。
ご指摘の戦闘被害時にこれが二次被害を与えるのを防止するのは間接的な効果であって、断片被害はどこの部位でも同じことです。 例えば、木甲板に被害が有った場合、その木片が人体に刺さった時は鉄片などよりも深刻です。 これは帆船時代から知られていることです。
ただし、手摺などを撤去するのは状況により一律ではありません。 戦闘生起の可能性の高低もありますし、昼間・夜間の別、気象海象の状況、作業などの都合、等々によって変わってきます。
例えば、手摺と支柱を撤去せずに、一時的に手摺が付いたままで支柱を倒す場合もありますし、手摺のみを撤去して、替わりに麻索を最上段に張る場合もあります。(「坂の上の雲」で手摺を外した後に支柱を倒しているのは、ロケに使ったセットの都合で支柱が外せないためです。)
あるいは逆に、撤去したものを作業などの都合により一時的、部分的に復旧する場合もあります。
これは太平洋戦争時も同じですし、現在の海上自衛隊でも同じです。
>件の番組では会敵しそうではない場合でも外したままになって
会敵公算をどのようにお考えになるか、現場の緊張の度合いがどの程度であったかのご理解になると思いますが ・・・・
例えば2月6日の佐世保出港時であれば、いよいよ開戦が決定され、かつ何時会敵してもおかしくはない状況ですから、向後崎を出た直後に合戦準備を行い、また夜間は4直哨戒配備についていますので、当然ながら通常通り(戦闘・哨戒配置で必要な箇所以外の)手摺は撤去したと考えるの自然です。
あるいは開戦後の旅順港封鎖作戦実施中の頃はまだ根拠地の防備も完全ではありませんので、航行中、停泊中を問わず、少なくとも敵駆逐艦・水雷艇などの来襲は十分考えられますので、必要最小限の箇所以外の手摺は撤去されたままであったと考えられます。
艦船ファン
- 艦船ファンさま
丁寧なご回答ありがとうございました。対応は現在でも同じということで納得いたしました。
>会敵公算をどのようにお考えになるか、現場の緊張の度合いがどの程度であったかのご理解になると思いますが
ご指摘のとおり、「旅順港封鎖作戦実施中」の三笠で手摺が取り払われたままでしたので、それが気になったものです。旅順港からある程度距離がありますので、会敵機会はさほどないのではないかと考えた次第です。
くさの