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質問させていただきます。 イギリス戦艦において、第二次改装されたQE級や、無条約時代以降に建造されたKGV級、ヴァンガード(未成艦であるライオン級)は、司令塔の装甲が、 76mm〜112mm(参照 海人社「イギリス戦艦史」 学研「世界の戦艦」)と、 他の列強海軍の戦艦と比べるとかなり薄くなっているように思えるのですが、 これは他の箇所の防御重量を捻出するためなのでしょうか? ビスマルク追撃戦で、ウェールズが直撃を受けて、艦長以外が死傷すると言う 被害を受けているところを見ると、艦の重要区画である司令塔部分を削るのは 何故なのだろうかと思いましたので。よろしくお願いいたします。 月読 |
- 英戦艦の司令塔の装甲圧減については、第一次大戦等の戦訓により、司令塔部のような狭い部分に砲弾が直撃する可能性は低いから、と判断されたのが主たる理由とされています。
また司令塔に大口径砲弾が命中した場合、貫徹されなくても展視孔部分から弾片・爆風圧が司令塔内に入って中の人員が死傷する恐れが否定できず、更に狭くて視界が限定される司令塔は、艦隊司令部の戦闘指揮・艦長が艦の指揮を取るには不適で使われないことが多い、と艦隊側から報告されるなど、司令塔の価値に疑問を抱く声が少なくなかったことが、この決定に大きな影響を与えたと言われています。
これに加えて、艦の高所に司令塔のような重量物を載せるのは、砲のプラットフォームとしての艦の安定性を損ねることが嫌われたのも、装甲減少の大きな要因となりました。
大塚好古
- 大塚様、丁寧なご回答ありがとうございました。
付随して質問なのですが、CICの概念も、司令塔廃止に影響を与えたのでしょうか? 昔読んだ小説の中で、イギリス戦艦の紹介で、艦内部に強固に防御されたCICがあるから、わざわざ司令塔なんか作らなかったんだ、というものがあったもので。(三木原氏の小説だった記憶はあるのですが)
月読
- 横から、便乗質問で申し訳ないですが、リーチ艦長が負傷
したのは、「コンパス甲板」または「羅針甲板」という記述を見た
記憶があります。(記憶モードにての質問、申し訳なし。)
リーチ艦長が負傷したのははたして司令塔内部だったので
しょうか?
あるいは、単にエンクロースドされた艦橋だったのでしょう
か?
当時の英軍艦艇では、フライイングブリッジも多用されていた
ようですが。
どなたかご教示お願いいたします。
SAW
- お詫び
ビスマルクと交戦した時には、リーチ艦長と他1名以外
が死傷したのでしたかな。
元ネタ本が手元になく記憶モードにて、申し訳なし。
SAW
- 連投多謝
でも、リーチ艦長は、どの辺りで指揮を執られていたの
でしょうか。
SAW
- >2
それに類する区画は確かに新造時より艦内部にあります。但し本格的にCICと言える区画が英の大型艦に装備されるのは、米艦と同時期の1943年以降になります。
>3/4/5
艦橋最上部にある羅針甲板(Compass Platform)/上部艦橋(Upper-Bridge<航海艦橋>)部にある艦橋構造物の内部です。
大塚好古
- なるほど、エンクローズドされた艦橋構造物内で指揮を
執られていたようですね。
そうであるならば、該当箇所の想定防御力は、せいぜい
スプリンター防御程度あたりだったのでしょうか。
ご教示ありがとうございました。
SAW