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真夏のオリオンを見てふと疑問に思ったのですが、船には右なり左なり曲がりやすいほうがあるでしょうか? 一軸推進と複数軸推進で違うでしょうか? どしろうと |
- 普通、どんな船でも「クセ」がありまして、舵を中立にしていてもどちらかに曲がって行くのが普通です。1軸船の場合はスクリューの回転方向に水流が偏りますので、普通は軸そのものを若干オフセットしていたりします。しかし、それ以外の理由で曲がる場合が多く、ドックに入って船底掃除をしたらクセが反対になった、なんてケースもあります。(笑
ちなみに腕のいい操舵手は、ごく短時間でこの「クセ」を把握して、船を真っ直ぐ走らせる事ができます。
elebras
- ご回答ありがとうございます。
つまるところ船底に岩牡蠣やフジツボがついただけで、クセができてしまうわけですね。
どしろうと
- elebras氏が指摘されたように造船行程、修理、誤差、または積荷やエンジンの状態やその他諸々の所為によって 神様的な職人技術でなければ推進力を得る力の完全な左右対称は難しいです。この結果が「癖」となって船の推進性能や保針性能に関わってきます。
一軸右回り船で逆進をかけると、プロペラ上部の水流より、プロペラ下部の水流の方が推力に寄与して、その下部の水流はプロペラの回転の為に右舷に偏向するため、後進開始時に左へ曲がるので低速接岸時に一度しくじると 入港作業にかなり時間がかかります。
2軸船の場合、カウンター(逆方向回転)の方が左右対称ですから保針性が良くなります(回転方向にもよる)が、同方向回転でもそれほど性能は悪化しませんし、それよりも左右両舷の部品を共通化するメリットの方が大きいので、大型船では同方向回転を採用する場合が船主さんによってはあります。
RNR
- RNR様ご回答ありがとうございます。
二軸推進は全て逆方向回転だと思っていました。
あて梶をしなくてすむ分燃費が良いと思っていましたが、たいした違いじゃないということなのかな?
どしろうと
- >2,4
船底よりも舵とかそれがある船はスケグとかに付く定着生物の影響が大きいようです。同じルートを周回するような航路を取る船の場合、日照などの関係その他で、舵の片側に多く定着生物が着いたりすることがあります。そういう現象が大きな影響を与えるようです。
当て舵は保針のためではありません。船は舵を切りますと、回転モーメントが与えられますが、大きな船ほどその慣性力が大きいため、目的とする方位に船首が指向しても回転が止まりません。これを打ち消すために、普通は目的方位に指向する以前に回転方向と反対に舵を切ります。これを当て舵と称します。
船が目的方位からズレてゆくのを補正する舵を見切りなどと呼びますが、これが一般的呼称なのかは判りません。風見切り、潮見切りなどと漁師であった祖父からは聞いていますが・・・・地方に寄っては別の呼び方が有るかも知れませんので、参考程度に。
elebras
- 見切りですか、勉強になります。
定期航路線の舵ですか。言われてみればいかにもといった感じです。
勉強になりました。
ありがとうございました。
どしろうと
- 後は積荷による傾斜も有ると思います。
一般的に傾斜した側と反対側に旋回しようとします。
大きい船なら燃料移送やバラストである程度は補正するのでしょうけどね。
Skylla.