228 図鑑を読んでいたときに気になったのですが、船体左右に重油タンクや空洞を設けて雷撃などに備える設計について。
「油空(機関など)空油」と「空油(機関など)油空」という2通りの配置が考えられ、「前者は浸水時に空気より重油の方が水に比重が近いので、後者に比べ傾きが小さくなるというメリットがある」とその本に乗っていたのですが、後者のメリットは何なのでしょうか?
(日本の空母などに実際に見られる配置なので、それなりに利点があるはずなんですが…)
ホーク

  1. ごく簡単に言うと
     空油←爆 油層がスプリンターの減速に効果的
     油空←爆 空層(容積が充分大きい前提)が爆圧自体の緩和に効果的
    つーコトになります
    駄レス国務長官

  2. C 水中防御の基本は、魚雷の破壊力を縦隔壁で食い止めることです。これには魚雷の爆発地点と隔壁までの距離を大きくとる。隔壁の強度を高めるの、大きく分けて二つのやり方があります。
     しかし前者は爆発地点と隔壁までの空間が水没することで強烈な浸水を齎し、後者は強力な隔壁は重量的につらい上、単に隔壁の鉄板を厚くしただけでは意外と効率が悪いのです。
     そこで、この外舷と隔壁の間の空間を上手く利用して、爆発威力を拡散して和らげつつ浸水量を小さくしようと色々工夫するわけです。
     そして水(油)層は浸水を妨げるには有用で、また魚雷や外舷の破片等を和らげるにも有利なのですが、爆圧を殺すには不向きです(だから多層にして各油層の隔壁が変形することでエネルギーを吸収しますが、言い換えれば鉄板を多数重ねてるので重くもなります)
     空層は爆発ガスを拡散させてエネルギーを殺すには最適ですが、破片は殺せないし浸水も大きくなります。そして破片が隔壁に達すると隔壁を損傷させ爆圧や水圧に弱くなってしまいます。

     そこで空層を防御の基本として、破片を殺せる程度の油層を隔壁手前に配置したのが日本式で、浸水は大きめですが最終防衛ラインである隔壁は厚みの割りに強靭になり、致命傷を負いにくい構造です。
     米式は、最終的には外舷、小さめの空層、多層油層、空層、隔壁というような順番に進化し、多層仕切り板と空層で爆発エネルギーを、油層で破片と浸水を削ぐことで、最終的に隔壁を守るというデザインで、非常に強靭で有効なシステムですが、仕切り板が多数必要なので重量的にはやや不利でしょう(最終隔壁さえ守れればよいとするならの話ですけど)
     つまり日本式は軽く、米式はタフにできるのです。
    SUDO

  3. なるほど、その図鑑では「米空母は前者(重油→空洞の順)」と説明してあったのですが、実際は3層以上だったのですか。
    確かにそれなら多少浸水時の事を犠牲にしても2層で軽量化したくなるのも分かるわ…
    ホーク


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