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探し方が未熟で見つけられない内容でしたらご容赦下さい。 「木甲板」の効果について『乗組員の足への負担軽減』『太陽熱を艦内に伝え難くする』と言った効果内容は以前から耳にするのですが、現用艦艇には「木甲板」が見られません。 『足への負担軽減』は履物で対処出来るようになった 『太陽熱を艦内に伝え難くする』は空調が完備されたので解決された 若しくは、それに替わる材質が甲板に採用されている と云うのが理由なのでしょうか? よろしくお願いいたします。 ひよっ子 |
- 私も初心者ですが呼び水代わりに。
木甲板のほか、一時リノリウムという建材が使用されました。やはり疲労軽減・断熱のためですが、どちらも可燃性を持つ欠点があり、現在は使われていないようです。
「リノリウム」「甲板」「可燃性」で検索していたら、Ans.Qの過去ログがヒットしました。ご参考になりますでしょうか。
http://www.warbirds.jp/ansqn/logs-prev/B001/B0002596.html
http://www.warbirds.jp/ansqn/logs-prev/B001/B0002670.html
酒匂135
- 軍艦ではありませんが、国際航海に従事する旅客船については
船舶防火構造規則(昭和五十五年五月六日運輸省令第十一号)
第八条 船体、船楼、構造隔壁、甲板及び甲板室は、鋼又は鋼と同等の材料で造られたものでなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、船体、船楼、構造隔壁、甲板及び甲板室は、その耐火性等について告示で定める要件に適合する場合には、アルミニウム合金で造ることができる。
という法令があるせいです。
この法令が軍艦に適用されるかどうかは存じませんが、耐火性の考え方について似たような背景があっても不思議は無いと想像します。
絶滅危惧種
- 既出の理由に加えて、触れられていない点がもう一つあります。 本来の観点からするとこれが最も重要なのですが。
即ち甲板面も広い一枚鋼板ではない、ということです。 特に古い大型艦ほど短冊状の鋼板をリベット留めしますが、この方法は基本的には単純な「突き合わせ」ではなく、「重ね合わせ」です。 また、各種の構造物や艤装品の台座(裾部分)も甲板面に張り出します。
したがって、大型艦ほど厚い鋼板を使用しますので、甲板面が平坦ではなく、かなりデコボコとなります。 この状況は、詳細な断面図などをご覧になればよく判りますし、また例えば刊行物によく掲載されている「金剛」型の建造写真などでもよく判りますのでご覧下さい。
このため、1つは甲板上の歩行及び作業のし易さと言う点から、そして大型艦の威容(見栄えの良さ)という観点から木材を敷き詰める方法が採られてきました。
後に巡洋艦クラス以下になると、それ程露天の甲板の鋼板などが厚くはありませんので、木材の重量の問題もあって旧海軍ではリノリュウムが用いられました。 しかし、このリノリュウムは木材に比べると薄いので甲板を完全に平坦にすることはできません。 巡洋艦のリノリュウム張り甲板の写真をご覧になればお判りのように、かなり凹凸があって下の鋼板構造の状況が見て取れます。
戦後は、戦艦のような大型艦が建造されなくなったことと、溶接技術や製鋼・建造技術が進んだことにより、より広い鋼板で、かつ重ね合わせでなく使用できるようになりましたので、この点での必要性は無くなったと言えます。
そして皆さんが仰るように、断熱、防音などの点も空調や内装の断熱材の使用などで改善されてきましたので、その面からの必要性も薄れたと言えます。 なにしろ、木甲板は日々のメンテナンスが大変ですから。
艦船ファン
- 回答頂いた皆様ありがとうございます。
艦船ファン様の「甲板面の凸凹の理由による処理」の指摘は、大いに納得できました。
ひよっ子