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これも「今さら聞けない質問」のたぐいですが…。 日本陸軍航空隊と海軍航空隊を比較すると、機体の部隊マーク、パーソナルマークのいずれも、陸軍の方が圧倒的にデザインが多彩かつ派手になっています。 これはそれぞれの航空隊の創設時の規範となったフランス陸軍、イギリス海軍の違いによる伝統なのでしょうか? それとも何か他の理由(例えば海軍の方が洋上飛行での視認性上塗装の規定が厳しいとか?)があるのでしょうか? 備後ピート |
- にわかに明確な答えを用意できないのですが、日本陸軍航空隊の部隊マークは、フランスから影響を受けた時期である第一次世界大戦直後には標識規定どおりの地味なものだったはずです。
どのあたりからそれが派手になっていったのか、時期的な経緯を調べて見られるとよいのではないでしょうか。
それからこれはちょっとした蛇足ですが、日本海軍航空隊に影響を与えたのはイギリス海軍ではなくイギリス空軍ですね。大戦間のイギリス空軍機は機体に白黒のチェッカーなどを描いていて、日本海軍機とはおもむきが違います。
片
- 海軍機は支那事変での迷彩塗粧が「官房機密」五〇五号以降で定められ、大東亜戦争中の迷彩も内令兵第四二号で定められているように、塗粧に関する規定が陸軍より多く、その他部隊識別についても命令によって定められるために自由度が小さいという事情があります。陸軍は迷彩の要領は示されるものの、部隊マークの選定と共に部隊長の判断に任せられた範囲が大きい傾向があります。
陸軍機は戦隊マークに留まらず中隊ごとの識別塗装なども飛行戦隊内で戦隊長判断で実施できますが、海軍では、例えば昭和18年11月以降に23航戦、28航戦の零戦が垂直尾翼と主翼端を灰色で塗るといった識別塗粧が艦隊レベルでの命令によって定められているように、特殊な塗粧は作戦ごとに上から命令によって定められるため、あまり勝手なものを描けないという事情があります。
BUN
- 片様、BUN様、ご回答ありがとうございます。
後から気が付いたのですが、日本ほどでは無いにせよ独立空軍を持たないアメリカでも、陸軍航空隊に比べて海軍航空隊の塗装マーキングは地味目ですね(戦前は黄色や青の塗装で結構派手ですが戦時には。)。
備後ピート
- 「国を問わず海軍航空隊だから地味」ということはないと思いますが。
片
- 派手かどうかというのをパーソナルマーキングに限らなければ、例えば日本海軍の三航戦は、胴体側面に機首から尾部まである長い赤帯または黄帯を描いて識別標識としています。
また、大戦間の米海軍機が主翼上面を黄色く塗ったり、日本海軍機が尾部を赤く塗ったりするのは、洋上で飛行するがゆえの保安塗装です。
米海軍機は1950年代にはド派手な部隊マークを描くようになります。
片