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デ・ハビラント社のジェット戦闘機 「ヴァンパイア」「ヴェノン」「シーヴィクセン」はツインテール式です。デ・ハビラント社は何のメリットを考えて「シーヴィクセン」までツインテール式にしたのでしょうか? まさのり |
- 例によって世傑シーヴィクセンを参考に要点を書き出します。
・空力中心と重心の近くにエンジンを置くため。とくに双発機の場合は片発停止の際に操縦性の点で重要。
・無尾翼形式のDH.108の実験結果から尾翼付きの形式が望ましいと考えられた。
・通常形式の機体の胴体内にエンジンを埋め込む案を検討したところ、機体構造が複雑になり、エンジンの整備・交換などのアクセスも困難になるという問題が生じた。その点、双胴形式ならば構造も簡単で、エンジン交換にも支障がないと考えられたのだった。
・DH.100ヴァンパイアは双胴形式でも重量や抵抗の点でペナルティはなかったとされた。
・長い排気ノズルを使ったのでは、ノズル内部での摩擦で推力を無駄に損失することになる。
超音速
- 水平尾翼の件、シーヴィクセンの初期案では「へ」の字型の後退角つき尾翼が考えられていたそうですが、構造設計の問題から薄翼の直線翼となった経緯があります。
スケールドコンポジッツの航空機は双胴機が多いですが、尾翼はそれぞれ独立してますね。
双胴(双ブーム)式の最大の欠点は、ブームの剛性が低いこと。剛性を得ようとすれば、通常形式よりも重くなります。
内部容積の利用という点でも不利と思われます。
これらのデメリットは、航空機が大型・高速・大航続距離になってくるとメリット上回るものになってくるはずです。
超音速