1522 97式艦上攻撃機に関する質問です。
本機を正面から見ると、主脚部付近を起点に、主翼が軽く上に反っています。
逆ガル翼で有名なF4Uや流星、九試単戦などは、その採用理由として「主脚を短くするため」、「爆弾取り付け作業時の利便性」、「前下方の視界確保」などが上げられています。
97艦攻はそもそも逆ガル翼ではないので、これらの効果のある・なしに意味はないと考えますが、それでは97艦攻の主翼は、どのような効果を狙って軽く反り上がっているのでしょうか。
駆逐艦ユキカベ

  1. 自分なりに考えた理由は、「外に向かって反り上げることで、主翼折りたたみ時の翼端の位置を相対的に低くする」というものです。

    空母の格納庫内は、広さだけでなく、高さにも制限があるでしょうから、「あれ? これが正解じゃね?」と一瞬思ったのですが、「この程度の反り上がりで、どれだけ高さを抑えられるというのさ」という、自分自身へのツッコミもあり、確信が持てません。

    主翼折りたたみ機構が可動するキットでもあれば、イメージしやすいのでしょうけれど・・・。

    駆逐艦ユキカベ

  2.  軽い上反角をつけることにより、飛行時の安定性を狙ったものではないでしょうか。
     
    hush

  3. 理由は逆ガル翼と同じですよ。
    艦攻は魚雷を搭載するための空間が胴体下に必要です。
    したがって真っすぐな主翼だと主脚が長くなってしまいますが、その対策としてあのような主翼形状にして脚を短く抑えたのです。

    上反角の意味はhushさんの述べたとおりですが、内翼より外翼のほうが上反角効果が高いため、内翼が水平でも影響はないのです。
    超音速

  4. 3行目の「真っすぐな主翼」というのは付け根から上反角がついた一般的な主翼のことです。
    超音速

  5. じゃあなんで三菱製の九七式二号艦攻の主翼はそうなってないんだろう?
    と考えると良いですね。
    二号艦攻は固定脚だからですね。
    一号艦攻は最初の実用的な引込脚機です。
    だから脚を短くしたかったんでしょうね。


  6. その引込脚のモデルとなったヴォートV-143をそっくり真似た、という観方もできるかと思います。


  7. >hush様、超音速様、片様
    まとめての返事にて、失礼します。

    「安定性確保のため、本来なら主翼の付け根から反らせたかったが、そうすると主脚が長くなってしまうので、主脚付近までは水平にした」ということですね。
    主脚収納状態の同機のプラモデルを正面から見た時、「ン? 何で?」と抱いた疑問でしたが、納得できました。
    ありがとうございます!

    まったくもって主観的な話ですが、上記状態の97艦攻に美しさと優雅さを感じ、しびれた次第です。

    駆逐艦ユキカベ

  8. 一番大きくは「ヴォートV-143をそっくり真似た」でよいと思います。
    ヴォートV-143の第一風防を見ていただければ、九七艦攻の第一風防がそっくり真似ていることも見て取れるのではないかと思います。
    ですので、ヴォートV-143にも美しさと優雅さを感じてしびれていただければ幸いです。


  9. >片様
    ヴォートV-143、画像検索しました。
    確かに第一風防は「そのまんま」感にあふれていますね。
    とはいえ、ヴォートV-143に美しさやら優雅さやらを感じられるかどうかは、まあそのなんつーかハイ、アレなんですが、P51のように洗練された優等生的機体よりは、「試行錯誤しましたけど、多分荒があるっぽいので、運用は慎重に」というメーカーのアナウンスを勝手に想像してしまうヴォートV-143のフォルムに愛おしさを感じます。

    駆逐艦ユキカベ

  10. >97艦攻はそもそも逆ガル翼ではないので
    97艦攻、ヴォートV-143、ノースアメリカンAT-6、ダグラスDC-3、その他その他、水平な中央翼が内翼を為す機体は逆ガル翼ではないのですか?
    「主脚を短くするため」、「爆弾取り付け作業時の利便性」、「前下方の視界確保」は、内翼が下半角を為さなくとも、水平であるだけである程度実現できますよね。
    質問者様は逆ガル翼というものがアプリオリにあると考えておられるのでは?「逆ガル翼」という言葉を忘れる事をお勧めします。
    にも。

  11. http://armahobbynews.pl/wp-content/uploads/pzl_p11_01.jpg

    先にガル翼というのが有り、それのサカサマ状の翼を逆ガルと呼びました
    個人的な整理分類方法をとやかく言う気はありませんが
    中折れの角度が大きくなるにつれ失速特性や干渉抵抗、フラップの隙間、上/下反角による曲げ荷重、垂直分力の目減りなど特有の問題が起こるので
    区別して考える意義もあるのではないでしょうか

    また、雷撃機の脚が長目になる理由として
    魚雷後部下端(框板)と地面とのクリアランス確保があります
    すでに超音速さんが>3で触れている事ですね

    https://www.the-blueprints.com/blueprints-depot-restricted/ww2planes/ww2-nakajima/nakajima_b5n1_kate-62270.jpg

    https://cdn.amz.appget.com/c/wp-content/uploads/2016/09/kcjshstz_005_01.jpg

    https://www.the-blueprints.com/blueprints-depot-restricted/ww2planes/ww2-aichi/aichi_b7a1_ryusei_grace-86741.jpg

    https://i.pinimg.com/originals/48/23/1e/48231e4c2311a30db5d39bb014dbfdd9.jpg

    着艦しないFw190は3点静止角が重要では無いのか尾輪を伸ばしてクリアランスを確保しています
    ガス欠

  12. まあ、ヴォートV-143をもうひとつ発展させたヴォートV-166Bが逆ガル翼のF4Uであるということでいいんじゃないでしょうか。

    九七式二号艦攻のことも考えたほうがいい、と申し上げたように、雷装はこの場合に原因になっている要素ではないのです。


  13. >にも様
    今回の質問を投稿するにあたって色々検索しましたが、「97艦攻は逆ガル翼である」旨記載のサイトに出会うことはありませんでした。
    その程度の事実関係でもって、「97艦攻はそもそも逆ガル翼ではない」と断定調の書き込みをしたことは、軽率な行為だったと反省しています。
    その上で、ですが・・・

    >97艦攻、ヴォートV-143、ノースアメリカンAT-6、ダグラスDC-3、その他その他、水平な中央翼が内翼を為す機体は逆ガル翼ではないのですか?

    他にはグラマンF6Fに99艦爆、といったところでしょうか。
    それぞれ主翼形状に差はありますが、これらの機体を「逆ガル翼である」と主張する勇気は私にはありません。

    >質問者様は逆ガル翼というものがアプリオリにあると考えておられるのでは?「逆ガル翼」という言葉を忘れる事をお勧めします。

    「逆ガル翼」という言葉がお嫌いなのか、上反角も知らない半端者がある単語を分類して語っていることが気に入らないのか存じませんが、余計なお世話です。

    駆逐艦ユキカベ

  14. >>8
    >>「ヴォートV-143をそっくり真似た」

    この部分ですが、何か文献や開発者の証言がありますか?
    ネットなどを検索しても一次資料が見つけられないのですが、書籍などに記載があるのでしょうか?
    まやん

  15. 遅くなりました。
    .11で示された97艦攻の三面図、内翼も機体左右の中心線で折れて僅かな上半角が付いてる様に見えます。
    若しそうだとしたら、主脚付け根直ぐ外側からのより大きな上半角は、試作機を飛ばして見つかった飛行特性への対応ではないでしょうか。
    機体中心の内翼から直さなかったのは、改設計箇所が増え特に主脚が長く重くなる事を厭うての事でしょう。
    翼途中からより上半角を付けるのに翼折りたたみ部からしなかったのは、
    折りたたみ部がより外翼であり且つプロペラ後流から確実に外れる為、よりきつく上反角を付けた翼途中から気流が剥離する事を恐れたのでしょう。
    纏めると、
    「胴体内から内翼として飛行する気流の中に現れた上で、翼幅の途中から上半角を付けるよう曲げられた翼」
    という、利点と欠点を共有するカテゴリの下部分類として
    1.翼幅中央から既に上反角が付けられているが、気流内に現れた翼幅途中から更に上反角を付けた翼
    2.翼幅中央は水平であり、気流内に現れた翼幅途中から上反角を付けた翼
    3.胴体内から緩く或はきつく下半角を付けて気流内に現れ、その翼幅途中から上反角を付けた翼
    があり、3.「のみ」を「逆ガル翼」と呼称するのは未だしも
    1.2.を積極的に「逆ガル翼ではない」とするのは明らかにおかしいだろ、と言いたかったのです。
    質問者様ご自身が
    >97艦攻はそもそも逆ガル翼ではない」と断定調の書き込みをしたことは、軽率な行為だったと反省しています。
    と述べられてる以上、私も以上述べた通りです。返答が遅れ申し訳ありません



    にも。

  16. 「胴体内から内翼として飛行する気流の中に現れた上で、翼幅の途中から上半角を付けるよう曲げられた翼」
    訂正
    「胴体内から内翼として飛行する気流の中に現れた上で、その翼幅の気流内にある途中から、より上半角を付けるよう曲げられた翼」
    にも@追加。

  17. 1.翼幅中央から既に上反角が付けられているが、気流内に現れた翼幅途中から更に上反角を付けた翼
    訂正
    1.胴体内から気流内に現れたとき既に上反角が付けられているが、その(気流内に現れた)翼幅途中から更に、上反角を付けた翼
    にも@追加。

  18. >14
    酣燈社 設計者の証言 上巻 P246
    「米国には脚を横だたみするノースロップ機があって、その写真を空厰の桜井忠武飛行機部長が見せてくれた。これを唯一の手がかりにして、島崎技師が大いに苦心した末、我が国最初の油圧式引込脚機構を完成させたのである。」
    と中村勝治さんが書いています。

    写真のノースロップ機がA-17Aの事なのか3Aの事なのか解りませんが
    ヴォート社が後者の3Aをノースロップから買い取ってV-141に改名
    これを基礎にV-143を開発したそうです。
    ガス欠


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