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AWACSに管制機能を持たせたのはなぜでしょうか。 警戒機は中継に徹して地上基地なり空母なりから管制を行ったほうが安いし安全なのではないかと思ってしまうのですが。 せつ |
- 早期警戒管制機、空中警戒管制システム、空中警戒管制機
airborne warning and control system, AWACSの日本語訳です。
つまり管制機能をもった警戒機(AEW)です。AEW&C機という機種もあります。
哨戒機の発展としてレーダーを持った警戒機(AEW)ができ、その警戒機に管制機能を持たせる要求が生じたと考えると解りやすいと思います。
地上基地や母艦を介しての管制を、はるかに上回る効率があった。または、どうしてもそうしなければならない必要があったということです。当然、費用も危険性も織り込み済みということになります。
ウイキペディアで良いですから一度読み通すことをおすすめします。
タンジェント
- wikipediaは読んだつもりだったのですが... はるかに上回る効率について説明しているのはどのあたりですか?
>また、レーダー情報の指揮管制部署への転送が必要など非効率な部分があった。 (wikipedia)
転送すりゃいいじゃないかと思います。レーダーが一周するのに十秒オーダー、口頭で指示するのに数秒オーダーの遅れが生じるのであれば数十ミリ秒転送に時間がかかったところで問題ないと思います。
せつ
- 無線通信技術の発達史には詳しくないので概論です。
質問者様は、無線の帯域幅や、無線通信を敵に妨害される可能性についてどう考えますか?
というのは、この2020年の無線通信技術を前提とする限りに於いては
「警戒機は中継に徹して地上基地なり空母なりから管制を行ったほうが安いし安全」は事実ではないかと考えるのです。
と云うか無人機の運用を見るに結構以前から実際にそうなってると推測してます。
「レーダーが一周するのに十秒オーダー、口頭で指示するのに数秒オーダーの遅れが生じるのであれば数十ミリ秒転送に時間がかかったところで」
というのは、AWACSだのAEW&Cだのが開発された半世紀前(!)の話ですよね。
もう随分前からレーダーはフェーズドアレイだし、指示は鍵盤で打ち込むし、地上基地は地球の反対側だし。
あとAWACSというのは米空軍の言葉で、海軍はAEW&Cと云ってます。内実は同じでも、セクショナリズムで違う様に言い合ってる側面があります。
にも。
- >レーダー情報の指揮管制部署への転送が必要など非効率な部分があった。
加筆
>レーダー情報の指揮管制部署への転送に希少な無線帯域を費やす事が我の指揮管制の隘路且つ敵の妨害目標となっていた。
にも@追加。
- 代替の効かない短波の無線帯域より、レーダーの指揮管制機能を飛行機に乗せるコストの方が、高いですか?
にも@追加。
- 3の解説をもう少し判りやすく砕きます。
警戒機のレーダーは様々な波長で非常に高速にスキャンします。
データ量にすると、軽くGbps、おそらく数十GBpsの量になります。
これは電波で通信できる速度ではありません。 光が必要です。
航空機と基地局を光ケーブルで繋ぐことはできないし、信頼性を無視してレーザー通信を行っても見通し距離した通信できません。
航空機の通信は電波の性質上HF帯で粉うのが普通ですが、この帯域でデータをのせてもせいぜい数十Kbpsがmaxです。
つまり、取り扱うデータ量と通信できるデータ量が6桁も違って、基地でリアルタイムに情報を受信するのは不可能です。
もちろんジャミングとか通信不良、暗号化するにしても機密の問題等、電波の性質以外の問題も多々ありますが。
わんける
- AEW機のレーダー画像はデータリンクによって地上/艦上のCICでモニターできますが、データリンクの通信波はUHFのため水平線以遠には届きません。
200キロ前後の距離までなら航空機と直接リンクできるものの、作戦機の行動半径がそれ以上伸びてくるとリンクが届かず、中継機を挟むにしてもなんらかのトラブルでリンク切れのリスクが大きくなるわけです。
リンク切れが起きてもAEW機のレーダー操作員が管制を代行できる、または地上とリンクが届かない場所でも機上で本格的な指揮管制を行なおうというのがAEW&CもしくはAWACSです。
超音速
- にも。さんのいうとおり近年は衛星通信が発達しており、事情もまた変わってくるかもしれません。
ただ、国によっては戦時において衛星通信が利用拒否される可能性もありますし、先進国であってもASAT攻撃があることまで考えると衛星通信に全面的に頼るのはリスクとなり、当面はAEW&C/AWACSが維持されるだろうと思われます。
もちろん最終的にはリスクマネジメントとコストのバランスで判断されるでしょうが。
超音速
- >2、3
失礼した、昔のウィキペディアには「前線のすぐ後ろ」での管制という表現があったと思ったが記憶違いだったようで。
7.で超音速様が補足してくださった通り、基地や母艦とAWACS は直通できますが、管制すべき編隊とは、できるとは限らない。
そして6.で、わんける様が説明された通り、前線のすぐ後ろで膨大なデータを処理して指示を下す機能を持った機体が必要になり、登場したのがAEW&CやAWACSです。
その効率は、一方だけが運用している場合、運用側のワンサイドゲームになると聞きました。
ちなみに機体が比較的小型で機能が限定されているのがAEW&C、大型の機体で十分な機能を持っているのがAWACSと区別していたこともありますが、現在では曖昧になっているようです。米海軍と空軍の呼称は、その名残があるかもしれません。
タンジェント
- 無線の各周波数での帯域幅と、やり取りされ得る諸々のデータの数値化された量の相場値を、
体感で掴めなければ話にならないのですね。自戒します
にも。
- 皆さんありがとうございます。
データ容量に関しては頭にありませんでした。納得しました。
せつ
- 前記の技術的な原因や理由の他に、「重要な事項は多重に備える」という考えもあるのではないでしょうか。例えば、米国に限らずフランスでも潜水艦発射ミサイルの他に陸上発射のミサイル、巡行ミサイル(昔なら戦略爆撃機)、空母等を配備しています。
UK