1496 付け根まで広い「パドルプロペラ」の純粋な上昇力上昇分を知りたいです。
P-47、P-51や雷電は「プロペラのみ」条件を変えた場合どれだけ差があるのかを知りたいです。また、併せて、「高空で有利」はどういう理屈でしょうか。高空ほど気温低下によりマッハが小さくなるのと付け根まで広いのとが何か関係したりするんでしょうか。低空をかっ飛ばすコルセアにも新型パドルブレード「6501A-0」が効果を挙げた(671→693km/h)とWikipediaにはありますが。
げしゅたぽ

  1. http://www.wwiiaircraftperformance.org/p-47/p-47.html

    こちらにカーチスとハミルトンそれぞれのプロペラをつけたP-47のスペックシートがありますよ。
    超音速

  2. うわ、本当でした。件のサイトはよく使ってるのに、知っていたサイトだけに調べもせずに申し訳ありません。
    Ham. std. 13' 6501A-0、やっぱりコルセアと同型ですね。
    スピードに関しては、海面で(ハミルトン社製1者とカーチス社製5者)6者中下から3番目であるが殆ど遜色無し。
    やはり上昇力に有利なプロペラであることがわかります。
    しかし同型プロペラであるにもかかわらずコルセアとの結果の差は何なのでしょうか。
    が主体

  3. 名前がミスりましたげしゅたぽです。
    げしゅたぽ

  4. http://www.wwiiaircraftperformance.org/f4u/f4u.html

    同じサイトのF4Uのページをよく読んで欲しいと思います。
    671→693km/hというのはそれぞれ406と431mphですね。
    水噴射( Water Injection)の有無による違いだと思いますが。
    超音速

  5. 従来のプロペラは付け根付近が真円形の断面でした。付け根部分は曲げ捩じれ引っ張りと物凄い力がかかるので、それに耐える剛性を得るためです。
    しかし円形断面では当然空気抵抗が発生します。大馬力対応で付け根も太くなるとこの部分の空気抵抗も無視できなくなる。そこで翼断面型に整形するわけです。
    付け根部分は推力はほとんど発生しませんが、空気抵抗が減ることで全体として推力も向上するのです。
    空冷エンジンでは冷却空気取り入れがスムーズになります。

    「高空で有利」の件ですが、エンジンの全開高度が上がったのなら、プロペラ翅を広くしないと高高度では空気が薄いので過回転になってしまいます。
    本当は先端寄りの75%位置をいちばん広くするのが最も有効なんですが、そうすると前述したように付け根に力がかかりすぎるので付け根寄りを広くして、必要な翅面積を取るのです。
    超音速

  6. 非常に納得深い説明ありがとうございます。
    以前から多翅プロペラは効率面では干渉の観点から妥協では無いかと疑っておりました。
    しかし一翅あたりが巨大延長化するに従って付け根が太くならざるを得ない、結果としてロスといくらかトレードオフしなければならなくなる。
    震電も雷電用の幅広ブレード四翅よりも本来の6翅の方が効率が良いといいます。
    一枚あたりの面積が小さく、幅広薄厚化もやり易い多翅プロペラの効率は良いのでしょうか。
    げしゅたぽ

  7. いや、パドルプロペラとはコンセプトが異なりますね。質問を改めるべきでした。
    ただ、パドルプロペラの要領で凄まじい荷重のかかる付け根の強度を緩和し大馬力化出来るのは多翅プロペラの利点たり得るんじゃないかと考えたので、聞いてみたくなったのです。一枚あたりの質量寸法を多くの枚数に振った場合、より理想的な翼断面形状が追求できて干渉を補い余りある性能を出せるのかと。
    げしゅたぽ

  8. どちらかというと翅数は少ない方が効率面で有利です。したがって戦後のターボプロップ機は幅広の4翅が多いです。複合材の発達で剛性を高くできるようになったからです。
    近年では騒音対策のため5以上の多翅プロペラが目立ちます。後退翼ブレードやスーパークリティカル翼型の採用などで翅間干渉による効率低下を最小限に抑えています。
    超音速

  9. うーん、やっぱり多翅は効率低下なのですね。あと最近の多翅の採用例が騒音対策だとは知りませんでした。思わぬところで参考になります。
    となると、やっぱりグリフォンスピットの5翅は邪道でしたね。ピッチ変更メカも複雑になりますし。同じ直径ならP-51の3.38mペラが使えましたね。後知恵でものを言っても仕方ないのではありますが…。
    げしゅたぽ

  10. ほぼ最後まで3翅だったBf109と5翅のグリフォンスピットが対照的ですね。
    Bf109は同調機銃が手放せなかった事情があったのですが、両機は直径はほぼ同じながらスピットのほうが翅面積が広いように見えます。
    DB 605AM
    エンジン回転数 2,800 rpm
    減速ギア比 0.594:1
    プロペラ回転数 1663 rpm

    Griffon 65
    エンジン回転数 2,750 rpm
    減速ギア比 0.51:1
    プロペラ回転数 1402 rpm

    スピットのほうは回転数を低く、翅面積は広くする方式なのがわかります。
    効率面でいうとチップスピードを可能な限り速くし、翅面積は最小限にするのが有利です。
    スピットがそれに反しているのは、急降下で音速近くまで加速する際の悪影響を遅らせたい考えだと思います。
    超音速

  11. ありがとうございます。もうプロペラしか関係しなくなっているのに本当に度々すみません、最後に隼に、干渉の少ない大直径2.9m二翅で、減速比を末期水メタ零戦並の小減速比としてチップのスピードを高めれば効率は上がって良かったのでしょうか。
    げしゅたぽ

  12. 2翅プロペラは振動問題があります。
    効率だけで考えるべきではありません。
    超音速

  13. 零戦はそれで二翅が流れましたね。隼は例によって効率の低下を偲んで剛性を強化したパターンでしょうか。
    げしゅたぽ

  14. http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000810.html

    かなり古い過去ログですがご参考までに。
    超音速


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