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ttp://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003219.html このAnsQ過去ログにて「遠距離戦闘機にキ43が不適だった場合は九七式司偵を単座に改造して戦闘機にする案があった」 という話がまるで事実かつ常識であるかのように議論が進行していますが、この九七式司偵の戦闘機化案というのは本当にあったのでしょうか? 自分が今まで諸々の書籍で見かけてきた九七式司偵の解説文ではそのような案があったという記述は見たことがないですし 色々とググってもみましたが件のページ以外全然ヒットが無く、正直この案の実在について少し疑っています この案について記述されている書籍がありましたら是非教えてください tellus |
- はじめまして。
自分の知る限りでは、まず「丸」の今年の6月号(隼の特集号です)で古峰文三先生が概要を書かれています。
もっと詳しい本が必要なら、光人社NF文庫の『戦闘機「隼」』(碇義朗・著)が手に入りやすいでしょう。
この作者さんは元陸軍航空技研の技術者でもありますので、書かれていることの資料的信憑性はかなりあると思います。
今川大佐としてはキ43が本命で、九七式司偵や九九式軽爆の改造は言ってみれば当て馬的な、キ43がどうにもならなかった場合の窮余の策だったのではないでしょうか。
それゆえ、それらの機体の項目に特記するほど重要な事柄と見なされなかったのではないかと思います。
R&R
- 非常に初歩的な資料で申し訳ないのですが「世界の傑作機No.65」の記事に
「昭和15年8月、参謀本部作戦課は飛行実験部実験隊長・今川一策大佐に
、行動半径900kmプラス空戦をこなせる戦闘機を、16年4月までに二個中隊
揃える方法を打診した。今川大佐は落下タンク付きのキ43案のほか、
司偵や軽爆の改造案を回答した」とあります。
但し、これは「司偵=百式司偵」「軽爆=九九式双発軽爆撃機」であったようで
司偵(百式司偵)改造案が、勘違いで九七式司偵改造案になったのかもしれないですね。
陸奥屋
- >陸奥屋さん
はじめまして…だったと思います。(違っていたらご容赦ください)
そうだ世傑があった、と、自分も慌ててNo.65とNo.13を取り出してみましたが、No.13のほうがより詳しく書いてありました。
それによると、確かにキ46に翼内砲を装備する、と書いてありましたが、キ46の1型の構造を考えると、翼内砲よりも機首装備のほうが良いような気がします。(2型ではありますが、夜戦に改造された機には機首砲がありますよね)
それに、キ46も重要な機種ですし、戦闘機に改造するための機数をひねり出せる余地があるとは思えません。
まだしも機数に余裕のある九七式に翼内砲を装備するほうが現実的なように自分には思えますので、世傑の記述のほうが間違っている可能性は捨てきれないと思います。
R&R
- >戦闘機に改造するための機数をひねり出せる余地があるとは思えません
確かにそれは当たり前のことなんですが各書籍(数種類見ましたが)に書いて有る通りで
元々、今川一策大佐自身がキ46改造案や、キ48改造案自体本命視して居なかったので
場当たり的に「キ43以外ですと、こう言う改造案も有りますよ」程度だったと思われます。
そこの辺りは雑誌「丸」1993年1月号に碇義郎氏が寄稿しているのですが、参謀本部から
意見を聞かれた後に、全く上記のキ46・キ48改造案を忘れたかのように、それらを進めることは
無く、参謀本部・航空本部・明野飛行学校代表を福生に呼びキ43のみのアピールを繰り返しております。
ですので量産可能・不可能とか、ちゃんとした改造案ですとか現実味のある改造案では無く
「まあ、こういう改造案もありますけどね」程度だったと。
書籍ではキ46案で出ていますが、それがキ15案であったとしても元々採用をさせようとの
考えがキ43押しの今川一策大佐には無かったようです。
というかキ15案ってあったんですね(笑)見たこと無かったです。
陸奥屋
- ちなみに、私は一般で云う軍オタ等と呼ばれるような詳しい人間ではないので
間違ってたら勘弁してください(笑
陸奥屋
- >陸奥屋さん
返信ありがとうございます。
確かに、本命はすでにキ43と決まっていて、当て馬がキ15だろうがキ46だろうが、はたまたキ48の武装強化だろうが、大した違いはないのだろうと思います。
後知恵で考えても、当時それ以上の選択肢はなかっただろうと思いますし、もし陸軍に隼なかりせば、と考えるとゾッとします。
本来、遠距離戦闘機の役割を果たすのはキ38かキ45だったのかもしれませんが…
もしハ20乙がうまくいっていたら、南方作戦の護衛機はキ38だったかもしれませんね。
R&R
- 回答ありがとうございました
そう具体的な話ではなく、遠戦が急遽求められたときにキ43以外の代案として「本当にとりあえず言ってみただけ」の案だったのですね
それでしたら世に出回っている九七司偵側の解説文に全く書かれていないのも納得な気がします
案として出された「司偵」が九七式を指すのか百式を指しているのか判然としておらず混乱が見られるのも
そこまで深く考えられないまま終わったためかどちらのことを指すのか確定させる史料すら残っていない、といったところでしょうか
tellus
- >tellusさん
いえいえ、拙い回答で申し訳ないくらいです。
どなたかが一次資料をお持ちかもしれませんが、自分の身の回りにあるものではここまででした。
もしかすると、司偵案はキ15とキ46の両方が上がっていたのかもしれませんが…
しかし、これ以上は憶測になってしまいますので、自分の回答はこれで終了させていただきたいと思います。
大変失礼いたしました。
R&R
- 例えばですがキ48改造案でしたら単純に一般で言う海軍で言うG6M1のような編隊援護機
(武装強化や軽量化等々)なのは、ほぼ間違い無いでしょう。「司偵に翼内砲」でしたら
キ15の可能性が高い(数値上は行動半径や空戦の時間や速度を考えてもII型辺りでも合致します)ですし
但しキ46も不可能では無い訳です(まあ普通に考えて機首武装になるでしょうけど)。
各書籍に、それらの具体例が掲載されていない&詳しい話が伝わっていない所を見れば参謀本部・
航空本部・明野飛行学校は南方作戦に必要な機種は今川一策大佐押しのキ43以外に”仕方が無いけど”
無いと判断したのではないでしょうか。まあ素人の戯言と思ってください・・・
陸奥屋
- だいぶ時間が経ちましたが御参考までに・・・
旧い書籍ですが碇義郎氏著「陸軍「隼」戦闘機」(第二次世界大戦ブックス別巻6)に
「第二案 一案が間にあわなければ、一〇〇式司令部偵察機の翼に機関砲をつける。」と有りました。
全部で3案ありまして第1案はキ43、第3案は「軽爆に機関銃をつける」です。
陸奥屋