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枢軸国は4発輸送機を作れていても4発爆撃機の開発はあまりうまくいっていないように思えるのですが、4発爆撃機というものは開発するにあたって何が技術的なネックがあるのでしょうか? ナマケモノ |
- 軍側がそれを必要とするかどうかという戦術思想の話や、開発予算などは考えないということでよろしいでしょうか?
超音速
- よくわからないのですけれど枢軸国は実際に4発爆撃機を作ろうとしてうまくいかなかったのですよね?
ナマケモノ
- 日本の場合、深山は失敗作といわれてますが連山は悪くない出来だったとおもいますよ。一式陸攻も三菱からは4発で提案があったようですし、開発するにあたって「技術的に」ネックになるようなことはなかったのではないでしょうか。
アビシニアン
- 少数例ですが二式大艇他の実際に運用された機体があります。
普段はROM
- 技術的な話だけをすれば4発機で大変なのは機体の軽量化とか脚の設計、エンジンの性能です。
要するにエンジンも機体も設計・材料・工作などの全部のレベルが高くないとダメです。
4発機といっても大小あって、連合軍のB-17/24/ランカスターなどの4発機はだいたい20×30m・1000hp級4発といった大きさで、このあたりならドイツもFw200がありますし日本も12試陸攻で三菱が4発機を考えたことから技術的にはそれほど大変ではないでしょう。
深山は一回り大きくてのちのB-29とほぼ同じ大きさですが、中島に大型機の経験がなかったこともありますが、このあたりになると技術的に荷が重いのでしょう。
同クラスの爆撃機はB-29以外に成功例が見当たりませんし、どこの国でも難しいのでしょう。
He177の失敗の原因は高すぎる要求性能のおかげで双子エンジンという奇策に走ったのと、急降下爆撃という無茶ぶりのせいですし。
なんにせよ軍用機開発の失敗というのは軍の戦術思想とか、資源や予算とかのバックグラウンド面での原因が絡んでくることも多く、技術的な話だけをしようとしても意味がないと思います。
超音速
- He177は緩降下爆撃能力が求められたのですが、原案が長距離グライダーのような脆弱な機体だったものを、この要求があったお蔭でB-17やランカスター並みの機体強度にもって行けたという面があります。
He177が実用爆撃機として活躍できたのはあの降下爆撃要求があったからなのです。
また日本の四発爆撃機は造る技術が無いのではなく、進行中の計画がB-17の鹵獲によって全てB-17基準で再計画されたからです。
B-17鹵獲前に完成した二式大艇以外に四発爆撃機が無く、また二式大艇ができたのに陸上四発爆撃機が完成しなかったのはそれが理由です。
BUN
- He177の急降下爆撃能力の要求には必ず否定的に評価され、戦力化を遅らせた原因とするのが定説ですが、好意的な評価を見て少々驚きました。
そういった見方もあるのですね。
超音速
- He177の実用化を遅らせた主な要因は技術的にあのエンジンが最後までものにならなかったこと(後期型では解決したと言われてはいますが、双子エンジンの信頼性は最後まで低く他の爆撃機より故障による不動機が目立ち、しかも1944年の英本土爆撃ですらあの「エンジン火災で乗員脱出」事例が出ています。)と再軍備途上で外貨を使い果たし対英戦備まで整えられないというナチスドイツの財政的な問題です。
どちらかが解決しても片方が残れば史実のような結果になったでしょう。
BUN
- 要求が途中で高まったということもありますが、四発の深山こと十三試陸攻の設計に関しては、中島の社内では、自由に持てる技術を使わせてもらえてたらもう少し何とかなったものを、ダグラスDC-4Eの設計を流用しろといわれた時点で、うまくいかなくなった、といっています。
DC-4E自体が設計が悪くて、アメリカでも採用されていない飛行機なのですから、「当時の日本にとって技術的に荷が重かった」というのとはちょっと違うような気がします。
もちろん、「自前で四発機の設計をこなせる」という信用を、当時の日本の技術サイドが得られていなかったことが、大きく影響しているとは思います。
片
- 便乗質問になってしまいすが(質問者さんごめんさい)、インフラは問題なくその様な大型機を運用出来る状況だったのでしょうか?
配備したい地域に必要な長さの滑走路を持った飛行場が無く、新たに造るか既存の物を拡張する必要があるといった事はなかったのでしょうか?
でかく重くなるので離陸滑走距離が長くなりそうだし、雨の後だとぬかるんで降着装置がめり込みそうでコンクリ舗装とかされてないと運用出来なかったりするのかなぁと以前から疑問だったのです
普段はROM
- 十三試大攻計画が失敗して、十三試大艇計画が実用になるのは何となく不思議な気がしますが、DC-4eの主翼と二式飛行艇の主翼面積を比較すると納得できます。高速の爆撃機を得るには200uの巨大な主翼は不向きで、二式飛行艇と同じエンジンを積んでいる深山の性能があの程度だったことは当然ともいえます。これは曲がりなりにも実用機となったHe177と輸送機にしかならなかったJu89の対比にも似ています。
>10 そうした点は英米両国とも実はそれほど大きく変わりません。英国などは四発爆撃機の離陸滑走距離について日本よりも厳しい要求があります。
BUN
- 〉11 回答ありがとうございます
師匠にお答え頂いた事で、もしやと思い真実一路をのぞいてみたら、帰ってきた性能標準に離着陸距離の要求がありました。失礼しました。
その当時に整備されているインフラで運用出来る様、要求されていて、英米でもそれは同様であったという事ですね。
普段はROM