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太平洋戦争中、日米とも航空機の輸送は主として船舶でなされたと聞きます。 素人考えだと飛行機なんだからそのまま飛行して空港に着陸したほうが輸送は合理的ではと思ってしまいます。 そうならない理由を教えてください。 さんしきだん |
- そのまま飛行して移動することを空輸といいます。輸送先が近い場合は空輸のほうがいいのですが、ラバウルや蘭印方面など遠隔地の場合は船便のほうが適しています。
空輸の問題点はまずパイロットの負担で、出発地まで部隊のパイロットが取りに行くか、空輸専門パイロットが運ぶ場合も帰りの足が必要なのです。
次に飛行機の消耗です。当時の飛行機は耐用限度とされた飛行時間が短く、零戦ですと空母搭載機で100時間、基地航空隊で150時間までと決められていました。空輸するために十何時間も飛行すると前線で使用できる時間がそのぶん減ってしまいます。
船便ですと耐用限度を過ぎた機体を帰りの便に乗せていけます。これを環納といいます。
船便での輸送は輸送船に積載するときは分解梱包するので、当然現地で組み立てる手間がかかるのがデメリットですね。
航空機輸送は空母を使うのが一番合理的で、完成状態で積載できて現地近くで発艦して飛行場に着陸すれば輸送完了です。陸軍の戦闘機でも輸送できます。
米軍は護衛空母を大量に建造したので航空機輸送に積極的に活用しました。陸軍機にもカタパルトフックを取り付けて空母から発艦していたのです。
以上は戦闘機の場合でして大型機になると空輸のほうが適してきます。長距離航法も確実ですし、耐用時間も千時間単位です。
超音速
- 最大の理由はコストです。
まず、飛行機だけ移動しても移動先で飛行機は使えません。移動先で飛行機を使うためには様々な部品や機材や燃料等消耗品が必要です。整備士等の人員も必要です。飛行機を移動させ、なおかつ移動先で飛行機を運用するためには飛行機だけでなくそれら一切合財を運ぶ必要があるのですが、飛行機でそれらを運ぼうとすると何往復もしなければなりません。その手間と費用が馬鹿にならないのです。
有名な実例としては米軍の第40爆撃群による「ハンプ・ミッション」(B−29を中国に展開させるために行われたインドからヒマラヤを越える輸送作戦)があります。
おうる
- 陸地伝い・島伝いで行ける南西方面は、どんどん飛行して輸送しています。
南東方面は輸送距離が大きく、間の海面が大きいから船を使うわけです。
片
- B-29なんか、
シアトル→北米東海岸→アイスランド→英国→北アフリカ→中東→インド→成都
と、空輸してますしね。
結局、航続力と航法能力の問題というに尽きます。
片
- >2
「ハンプ」は1942年から行われた援蒋ルートの空路輸送のことです。
B-29のために始めたものではありません。
アッサム地方から中国奥地までの山越えルートが「ハンプ」と呼ばれたのです。
ビルマが日本軍の手に落ちる前にはミートキーナから空路での輸送が行われていましたが、これは「ハンプ」とは言いません。
BUN
- それから、太平洋戦争中の飛行機輸送は主に空輸で行われています。
内地 サイパン トラック ラバウル
内地 朝鮮 大陸
内地 台湾 ルソン 仏印 シンガポールといった空輸ルートにどんどん飛行機が流れています。
これらを補助したのが空母や輸送船による輸送です。
例えばラバウルの空襲が激化すると船舶輸送はトラックで下してそこから空輸といったパターンもあります。
BUN
- 旧陸軍機に関して言えば、航続距離が短いこと、洋上航法能力の欠如を挙げられます。出典:PHP文庫 奥宮正武著「真実の太平洋戦争」のP275〜288。なお、これがまたマリアナの戦い等で陸軍機がいなかった大きな理由です。
UK
- 陸軍機も、南東方面へは空母を使って運ぶことが行われ、トラックからは洋上空輸も行われています。
片
- >6
それは出典からして不適当で間違っています。
陸軍機こそ開戦時から主に空輸で機材を前送しています。
上に書いたフェリールートはサイパン経由を除き、陸軍機もほぼ同様です。
航法は目標の有無、誘導機の有無で条件は大きく変わります。
BUN
- >7
そもそも68戦隊と78戦隊はどうやってニューギニアに進出したのでしょうか・・・
P-kun