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ホーカー・ハリケーン戦闘機について質問いたします。 ハリケーンの機体の後ろ半分は木骨・布張りでしたが、材料は何でしたか? モスキートは合板(いわゆるベニヤ板)でできていたそうですが、ハリケーンはオークでも使っていたのでしょうか? 布張りはキャンバスだったと思いますが、ジーンズのような材質だったのでしょうか? PIAT |
- 航空機の木骨は軟木を使います。
ハリケーンの具体的な材質指示は判りませんが、欧米ではスプルースがほとんどでした。
代用材として、ポプラも使われたそうです。
http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/contents/osakacu/kiyo/111C0000001-108.pdf
布は羽布と言って、麻や木綿の細い糸で緻密に織った薄い布です。
この上にドープと言う塗料を塗るので、おそらく布目は見えなかったと思います。
少なくても今のグライダーに使われている羽布+ドープは、一見樹脂フィルムの様に見えます。
わんける
- わんける 様
回答ありがとうございます。
スプルースはマツ科の針葉樹で日本名は『ベイトウヒ』と言い、建築材・造作材・家具・パルプなど様々な用途に使われているそうです。
ポプラについては、児童書の出版社か並木しか知りませんでしたが、マッチ棒に使われるようです。
共に柔らかい材質が特徴なので、強度が重要な飛行機に使われているのは意外でした。
『羽布』という言葉は初耳でしたが、検索すると様々な情報があるので、これから調べてみます。
どうもありがとうございました。
PIAT
- ハリケーンの胴体構造で強度を担っているのは鋼管トラス構造の内部骨組みです。
その周りに木製の整形枠をはめ込んで外側に羽布を張っています。
したがって木製部品は強度には関係ありません。
ご存じだろうと思いましたが、2.のレスを見てもしかして誤解してるかもと思いましたので、念のため書いておきます。
超音速
- 超音速様 新知識をいただき、ありがとうございます。
ハリケーンの後部の骨組みは全部木製だと思っていました。
そもそも、私は飛行機の構造には無知であり、木製飛行機に興味を持ったきっかけは、数十年ぶりにプラモ屋へ行って一番カッコイイ双発機を購入したことです。それが、モスキートで、説明書を読んだところ、機体が木製だと知りました。
そこで、レン・デイトン『戦闘機』に「ハリケーンの後部は木製」との記載があったのを思い出したので、今回質問させていただきました。
PIAT
- >2
細かいことを申しますと、スプルースはトウヒ()属の総称です。ベイトウヒ(米唐檜)は、北アメリカ産ですので、ハリケーンに使われたかどうかは疑問です。ですから、ヨーロッパで一般的な、英語でNorway spruceと呼ばれるドイツトウヒ、つまり、ヨーロッパでクリスマス・ツリーに使われる木ではないかと思っております。
なお、デ・ハヴィランドがモスキートに用いたのは、樺材に軽量のバルサ材を挟み込んだ合板です。
hush
- hushさんにさらに細かく補足しますと、モスキートは樺材・バルサ材のほかスプルース材・樹脂含浸木材・金属の金具やボルトも使われ、これらを適切に組み合わせて作ります。
超音速
- 後で考えれば、長年の艦艇建造によりイギリス国内の樹木は払底していたそうですので、カナダから入れたスプルース、つまりベイトウヒを使っていた可能性もありますね。
また、樺と書いたのも、1379の1で書かれているようにbirchのほうがいいのかもしれません。もっとも、欧州白樺は日本の白樺と近縁種だそうですが。
あと、1で書かれているように、軟木が使われるのは、曲げやすく、軽いからで、オークのような稠密な木材は堅いですが、折れやすく重いです。
>6
フォロー多謝。
hush
- hush様 超音速様 詳しい情報をいただき、ありがとうございました。
バルサ材とは懐かしいですね。
少年時代、バルサ製の模型飛行機に熱中していたことを思い出しました。
なお、南米大陸からイースター島まで航海したイカダである『コンティキ号』はバルサで作られていたとヘイエルダール博士の本で読みました。
PIAT