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誉関連の開発史などでよく誉開発は栄が実験室で1400馬力運転を達成することができたから〜云々と言った記述を目にします この1400馬力運転を達成できた栄というのはどのような改造が行われたのですか? 単純に過給機ブースト圧を上げればいける馬力なのでしょうけど栄の許容ブースト圧がが250oHgで誉11型が400oHgとかなり差がありますし栄のシリンダーのままではうまくいきそうにはないように思えるのですが… また、誉11型から21型で許容ブースト圧がさらに100oHg上昇していますが、これは冷却フィンなどを採用できたおかげなのでしょうか?それともシリンダー自体を再設計したとか…? リーン |
- 「栄の『1400馬力』運転」=やっていない。
「誉の冷却フィン」=当時の空冷発動機の殆どに冷却フィンはある。
まずはここから。
BUN
- すみません寝ぼけて書き間違えました
冷却フィンじゃなくて植え込みヒレ式冷却フィンです…
これを採用したことでシリンダー温度を10℃近く下げれたというのを見たことあるので誉21型が馬力向上できたのはそれが原因なのでしょうか?
あと栄1400馬力運転やってないっていうのはそもそもそんな計画ないって意味でしょうか…?それとも計画はあったけどやってないって言うことでしょうか…?
リーン
- 誉試作のきっかけどなった栄の1500馬力運転は耐久審査を伴わない実験運転ですから、特別な改造は無かったと推定されます。
ブーストと回転を上げ100オクタン燃料を使用した実験運転である事が「中島飛行機エンジン史」にあります。
それはさておき、誉のシリンダーは機械加工で冷却フィンを削り込んだ鋼の筒で、鋳込み式の冷却フィンはありません。鋳込み式の冷却フィンはシリンダーヘッドに用いられています。
BUN
- 100オクタン使用ということは状態的には92オクタン+水エタノール噴射相当ってことですか…栄31型の水エタ噴射の計画値とか考えるとそこまで突拍子もない数値ではない…?
鋳込み式の冷却フィンってすべての部分がそうだったわけじゃないんですね…勉強になりました
ところで栄から誉11型にブースト許容圧が上がってますけどこれは結局シリンダーが増えたことが原因でしょうか?
リーン
- オクタン価100の航空揮発油を遣っているからそう書いているので
水噴射(「水エタ噴射」とは言わない これは酒を飲むことを指した冗談)併用ならばそう書きます。
勝手な深読みはしないように願います。
BUN
- ノッキングの起こしにくさ的に92オクタン+水エタノールで擬似的に100オクタンとしたって言う風な話をよく見るのですがそれとはまた違うってことですか…?
無論この2つが別物というのは分かるんですけど馬力的にはどうなのでしょうか…?
リーン
- 100オクタン燃料の国産化見込みが立たなくなったので、その代替策として戦時規格燃料の航空九一揮発油と水を噴射する方式(水が主体でメタノールは氷結防止用に混入)を採用したのです。
栄の1500馬力運転時には水を噴射する装置はありません。
BUN