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ご機嫌よう御座います。技術的にいって航続距離無限大の航空機は可能でしょうか。かつてそういった計画や構造は存在したのでしょうか。 キャンサードリーム |
- NASAが翼面にソーラーパネルを張り付けて、そこから得られる電力でプロペラを回して成層圏を半永久的に飛び続ける無人全翼機を研究してたような記憶があります。・・・もう30年近く前の事だと思います。
おうる
- 屁理屈ですが、気球や飛行船も航空機に含まれるので、悪天候や構造寿命等を無視すれば理屈ではいつまでも飛んでいられそうですね。
みいつ
- 2016年に名古屋に飛来したのでご存知の方も多いと思いますが、ソーラーインパルスというプロジェクトがあります。
日中に太陽電池で充電しつつ上昇し、夜間はバッテリーの電力と位置エネルギーを使用して飛行、というプロシージャーを繰り返します。
理論的には半無限の飛行が可能と思いますが、実際は乗員の生理学的限界・天候・機械的信頼性に制限されます。
超音速
- 米軍にはかつて原子力飛行機のプロジェクトがありました。
陸軍航空隊時代の1946年から構想がありましたが、1951年に空軍・NACA・原子力委員会(AEC)合同の原子力推進航空機(ANP)計画となりました。
コンベアに実験機X-6の製作、GEに原子力ジェットエンジン開発が発注されました。
先行してB-36を改造してP-1小型原子炉(1メガワット)を搭載するNB-36Hが作られましたが、原子炉は推進には寄与しないもので、防護シールドの試験を目的としたものです。
1957年までテスト飛行が続けられました。
原子炉本体よりずっと重いシールドに遮蔽されてるとはいえ乗員の被ばく量はかなりのもので、原子力ジェットエンジンも放射性物質をまき散らしながら飛行するという現代からみればとんでもないものでした。
結局当時の技術で原子力ジェットエンジンというのは無理で、実用にはほど遠い状態で計画中止となりました。
その後も冷戦時代は核ミサイル母機として根強く構想だけは続けられたようです。
なにせ1960年代には核爆弾を抱えたB-52が常時空中待機しているという核アラート体制が継続していたのですから。
超音速
- 航空機の定義から微妙に外れるかもしれませんが、
人工衛星は、通信・観測・偵察などの用途で着陸不要の航空機として使われています。
わんける
- ソーラーインパルスはあくまでも記録樹立のためのプロジェクトで、巡航速度70キロ時では輸送機関としては使えません。
なのでプロジェクトの意義はバッテリー・モーター・インバータなどの電動機技術の進歩を図ることなのでしょう。
1.で言及されてるのは、2001年にNASAが飛ばした「ヘリオス」という無人航空機のことでしょう。将来的に火星の大気圏で飛ばせる探査機の実現を目指したものだそうです。
4.で言及した原子力爆撃機というのはつまり空飛ぶ戦略原潜で、敵の先制攻撃で地上の基地が全部やられてしまった時に備え常時空中待機するのです。
原子力航空機というものが実用化したとしても、飛行中に荷物の積み込みができない以上、輸送機関として利用するのは難しいと思います。
他の方が例示された気球・飛行船・人工衛星などが質問主さんのイメージに合うものかはわかりませんが、これらも(現代では)主に輸送機関として以外に利用されているものです。
超音速