1369 |
第二次世界大戦中の戦闘機や爆撃機や攻撃機などの飛行について聞きたいのですが、当時の操縦において計器のみを見て飛行することはあったのでしょうか? 海軍兵 |
- 門外漢ですから、間違っているかもしれませんが、当時は、夜間戦闘機や夜間爆撃というものがあったのですから、計器飛行をしていたはずです。
日本の場合、レーダーが未発達の部分があって、特に航空機搭載用のそれはあまり役立たなかったようですが、アメリカの場合は、エンタープライズが夜間戦闘機専用とされたぐらいで、かなり計器飛行を行っているはずです。
また、戦争末期になると、アメリカの艦艇は、日本と違って電波封鎖をしていませんので、誘導電波に乗って帰投というのも通常のことになります。
もっとも、誘導兵器が未発達ですから、排気管の炎を見てとか、サーチライトに照らし出されたのを攻撃するということにはなりますが。
なお、発着時には有視界飛行となりますが、これは現在においても一緒だろうと思います。
hush
- あります。例えば日本海軍の中間練習機には操縦者の視界を全く奪う、計器飛行用の覆い幕が用意されています。
BUN
- 質問の計器飛行が離着陸を含むと解釈して回答します。
現代でも利用されている計器着陸システム(ILS)は1930年代末には民間航空ですでに実用化されており、米国などでは主要な空港で使えるようになっていました。
軍用機での導入は大戦末期あたりで、B-29やB-17GにILSが装備されてます。
超音速
- 1935年初飛行のMiles Nighthawk が完全計器飛行可能(を謳った)機体の嚆矢(のひとつ)かと思います。
おそらく客席部分で切断され、後から操縦席を覗きこめる形態で1936年のヘンドン航空ショウにおそらく出品されています。不鮮明なのですが、ふたりの人物とともに写っている写真があります。飛行可能でなかったことが、出品機リストにない理由と推測しています。またこの胴体と翼が完成機としてカウントされたことがあるのかは不明です。
ウラを取りたくて英空軍広報に問い合わせましたが詳細不明との回答、Miles社がどこかに含まれているはずのBAEシステムズからき回答を得られませんでしたので、 確実ではありませんが。
スピット、ハリケーンのお披露目と同じ時点で、完全計器飛行は相当な新規性があったとすれば、第二次世界大戦中をひとくくりにするのは難しいと思われます。
六
- 英独でもランカスターやHe219などにILSが装備されてました。
各種の計器航法システム(IFR)は戦時中夜間爆撃と迎撃に激しい戦いをした英独で発達してきました。
多彩な方式があってざっくばらんにしか書けないのですが、
・地上の無線局(艦船含む)からの電波を受信する方式。これは敵に妨害・欺瞞されることがある。
・自機から電波を発信して地上側で受信し、方位を教えてもらう方式。これは一度に多数機が来ると順番待ちとなる。
・地上のレーダーに誘導してもらう方式。順番待ちの欠点は上と一緒。IFFが必要。
・機上レーダーで地形を確認したり母艦を探したりする方式。広い洋上で何も見えないときは他の方式と組み合わせる。
戦後もGPSのなかった時代から現在まで、戦前〜戦時中に完成した計器航法システムが利用され続けてきたのです。
超音速