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旧日本軍の酸素噴射装置の研究って中島以外に行ってたところってあったんですか? この間ヤフオクで見つけたものの購入できなかった資料ですけど、出展者の説明によると愛知飛行機が海軍から雷光の開発を命じられた際に中島から酸素噴射装置の説明を受けた時の資料だそうでした http://buyee.jp/item/yahoo/auction/f254642182 つまり中島開発の機体じゃなくで酸素噴射装置は中島系列と思われるものが多いということだと思ってたんですけど 日本軍機で酸素噴射装置を搭載した、あるいは予定だったのはキ43-2型、月光、疾風、陣風、雷光、キ96で このうちキ96だけは機体は川崎でエンジンは三菱で中島が関わる余地がありません これはつまり三菱、もしくは川崎にも酸素噴射装置の技術があったということですか? ちなみにイカロス出版のミリタリー選書14の陸軍機特集では疾風サ号機とキ43の酸素噴射装置サ一(43年版でポンプ式)およびサ二(44年版で圧力式)の開発者はともに八田龍太郎さんによるものと記載されていましたのでこの方が酸素噴射開発のボスなのかな? 中島に他に酸素噴射装置の開発チームってあったんだろうか… あと月光も酸素噴射装置搭載して試験してましたけどこれの開発時期やどの企業がやったかわかる方はいますでしょうか?あれって海軍技術廠が弄った可能性ってありますか? リーン |
- 酸素噴射装置は発動機とは別に複数研究されていたもので、中島飛行機はその中で圧力式のものをサ2として試作しています。ポンプ式はサ1は東京理化清水研究所です。
ですから、発動機が中島製である必要はありません。
また、こうした機器を民間だけで実験研究することはありません。かならず官民合同で試作が行われます。
一式戦での実験は陸軍第二航空技術研究所が担当していますし、海軍では海軍航空技術廠発動機部が担当しています。
BUN
- 文春文庫の『未知の剣-陸軍テストパイロットの戦場』では酸素噴射装置の話で、43年に中島が酸素過給システムを搭載したキ43を自身でテストしていたとあったんですけど、これは東京理化清水研究所が開発したサ1を中島がキ43に搭載してテストしたという認識であってますか?44年にはサ2を搭載したものを審査部実験飛行部がテストしていたそうですが…
しかし思った以上に酸素噴射装置の開発系統って多かったんですね
ということはいわゆる酸素噴射装置搭載の誉31型や誉42型は中島以外が開発したものって可能性もあるんですか?
キ43のやつと月光のやつが同じものかどうかすら怪しくなってきた…
あとできればでいいんですけど酸素噴射装置関連のことが乗ってる資料とか教えていただけるとありがたいんです…
それについて取り扱ってる資料が少なすぎる…
リーン
- ひとつの技術が複数の製造会社の発動機に使われているので、混乱しているのでしょう。
陸海軍がある技術を水平展開するセンター的な機能を持っていたことを覚えないと、勘違いが深まるばかりです。
出版物が不正確なものばかりだったり、まったく頼りにならない分野をいきなり調べるよりも、当時の陸海軍がどのように発動機や機体の開発を行っていたのかを先に理解した方が視野が広がると思います。
BUN
- なるほど…だとするとどのエンジンにどの技術が使われたかを判断する材料は残ってる資料と開発時期からの推測しかないという感じですか?
時期からすると43年に試験されたものが企業問わずに大体サ1を既存のエンジンに乗っけたもので、44年以降のものがサ2という感じですかな?
個人的に誉31型がサ1仕様で誉42型がサ2仕様だと勝手に思ってただけにいきなり道が遠のいた気がすゆ…
疾風サ号機の資料までの道のりが遠い…
リーン
- そうじゃなくてね。
市販書籍で調べきれないものは色々なアーカイブを使って慎重に調べないと正しいことはわからないよ、ということです。
これからが楽しいところですよ。
BUN
- 一次資料ってどう調べたらいんでしょう…?
アジア歴史資料センターのネットデータベース漁ってもかなり虫食いでほしい資料が全然出てこないんですよね…
実地に行った方がいいんでしょうか?
国会図書館も市販書籍という形でしか調べられないし…
リーン
- 酸素噴射云々の大体の概要は中島飛行機エンジン史ってやつに書かれてるよ
ただ問題はこの本の酸素噴射のパートは八田さんの書いた航空発動機の酸素供給についてって書物を要約したものらしいんだが肝心なその本、もしくは論文が見当たらないんだ
サ号機のこともそこに書かれてる可能性結構高いけどモノが出てこないことにはなぁ・・・
あと自分でもよく分かんないんだけどこの本に書かれてる44年5月の試験では8000mで18.5ノットの増速が確認されたってあるけどこれどの機体のものなんだろ?
ヅヴァイ
- 国会図書館で読んできましたが酸素噴射装置の開発自体は開戦直後からやってたんですね…ちょっと驚き
しかしながらやっぱりなんていうか、誉との関連性ってあまり書かれてないんですね…
そういえば酸素噴射装置つながりで気になってたんですけど、海軍の雷光の試作機のエンジンってなんでしょう?
排気タービンが間に合わないから応急処置的に誉22型の使用を命じられて、そしてそのままでは高高度性能不足が目に見えてたから酸素噴射装置を付けたって言われてて、これまでの資料を読んだ感じだとこれって誉22型にサ号装置を付けたってことのように思えるんですけど
じゃあ誉31や誉42の後ろについてる-Oってどういう意味なんですか…?
しかも31型NK9K-Oって21型NK9Hをベースにしたって言われてるけど型番見るとどう見ても22型ベースにしてるようにしか見えない…
リーン
- ん?Oは酸素のOじゃないかな?
過去にここでも言われてたけど
ヅヴァイ
- そうではなくてですね…
電光みたいに後付けで酸素噴射装置つけれてるならわざわざ新しく-Oって割り振った意味はなんなのかなってなるんですよ…
逆に酸素噴射装置つけたぐらいで-Oって名乗るのもちょっとわからなくなっちゃって…
リーン