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主翼のアスペクト比と地面効果について質問です。 超低空飛行で翼端渦が減少するのなら、地面効果機はわざざ高アスペクト比の主翼を採用する必要はないのでは…などと思うのですが、鳥人間などの人力飛行機はなぜあんなに高アスペクト比の主翼を使っているのでしょうか。構造がとても辛そうです。 地面効果と高アスペクト比の相乗効果のようなものがあるのですか? べっ |
- 地面効果の大きさは翼幅に対する高度の比に反比例するのはご存知ですね?
なるべく安定的に長時間&長距離を飛行したいのであれば、高度に余裕があった方が有利・・・つまり、高度を高く保ちたい。
高度を保ちつつ地面効果を活かすためには翼幅が広い方がいい。
翼幅を広くして翼弦長も長くすると翼が(ひいては機体全体が)重くなって人力では飛行できなくなってしまう・・・翼を軽くするためには翼弦長は短くしたい。
翼幅を広く、翼弦長を短くすると高アスペクト比の翼にならざるを得ない。
・・・という理屈で高アスペクト比の翼が使われているのだと解釈しています。
地面効果機が高アスペクト比の翼でなければならないという理屈はご指摘のようにありません。実用化はされていませんが研究段階にある逆デルタ翼の地面効果機は翼のアスペクト比がかなり低いです。
おうる
- 人力飛行機については既に説明された理由のほか速度域の違いがあり、人力飛行機は速くても36km/hで、500km/h程度をめざす表面効果機とは求められる要素が全く異なるのです。
表面効果の下では翼端渦の発生が抑えられて誘導抗力が小さくなり揚抗比が向上します。このおかげで人力飛行機は極低速で飛べる揚力を得られるのです。
表面効果機についてwikipediaには「地面効果により主翼後方で発生する翼端渦が減少するため、同じ翼面積ならばアスペクト比を小さくした方が抗力減少の点で有利」と記述されています。
これは高速であるほどこのような効果になってくる、という意味だと思います。
また、表面効果の下では水平尾翼の安定効果が減少するためと、外乱で安定を崩すと水面に突っ込みやすいので縦安定への配慮が要ります。
1.で挙げられた逆デルタ翼のような低アスペクト比の翼は風圧分布が前後に広がるため縦安定を得られるのです。
超音速
- まず、非力ありきです。
なので高アスペクト比にしたい。
非力であって何かあってもパワーを掛けられませんから、本当はそこそこの高度を飛びたい。
でも非力ゆえに高度を長くは保てないので、落ちる前には地面効果も利用しよう。
そういう段取りのはずです。
地面効果をなぜ表面効果と書かれるのかわかりませんが、「地面効果により主翼後方で発生する翼端渦が減少するため、同じ翼面積ならばアスペクト比を小さくした方が抗力減少の点で有利」はいささか不可思議です。
「地面効果があるため、アスペクト比大である利点が目立たなくなる」といったぐらいではないでしょうか。
高速になると、地面効果を得られる高度を飛び続けるリスクも大きくなりますから・・・。低空高速侵入を狙った飛行機はたくさんありますが、地面効果を得られるほど低い高度は想定していませんよね。
地面効果は概略、翼幅と同程度以下の高度から意味が見いだせるとされるます。だからといってそのために翼幅を大きくするほどの利得はないはずです。
かつ、翼幅と同程度以下の高度を維持しても地面にぶつかるリスクを管理できるぐらいの低速でないと、地面効果は活用できないでしょう。
「ちょいと浮ける機械」と「中空を飛べる機械が極低空」とは同じではないかもしれません。
レイノルズ数を考えると、人力飛行機の参考になるのはむしろ鳥かもしれません。ノスリという猛禽はまさに「野擦り」のように飛びます。獲物から空抜きで発見されないと言う要素もありますが、地面効果を利用することによってはばたかずに済むゆえに獲物から発見されない、という要素も使われています。雌で、重量1kg弱、翼面積0.2x1.2mぐらい、時速40kmぐらいで地面効果高度域に入って失速寸前まで滑空可能です。
いつも地面効果高度域を飛ぶわけではなく、高空では、滑空(時間優先でしょう、たぶん)で望ましいアスペクト比とはばたきで望ましいそれとの間の綱引きもありますけどね。
六
- >3
ノスリの語源は朝鮮語由来のワシ・タカのスリから来ている説も有力です、実際のノスリの飛び方でも体の大きいいわりに風を利用してホバリングするのが特徴とも言えますので野を擦るイメージはありません
以前T型尾翼飛行機のパイロットと話をしていて「尾翼が高いと着陸の時お尻がストンと落ちる」というのが印象的でした
Tu