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四式戦疾風についてです。 両翼下の計2箇所にハードポイントがありますが、初期型までは胴体下に増槽吊下げポイントがあったのですね。 ということはハードポイントを3箇所にできたはずなのに、なぜ胴体下のそれを廃止してしまったのでしょう? ふつうに考えればハードポイントは多い方がいいですよね。零戦は3箇所ありますし。 何か技術的にできない理由があるんでしょうか? 自分の見た目では重心位置が変わるとか薬莢出口がふさがれるとか思いつきますけど、解決できないわけではないように思えますが。 酔来亭天福 |
- 急降下爆撃を考慮して胴体下への爆弾懸吊に慎重だったこと、四式戦に300リットル落下タンクが採用されなかったこと、そんな理由が絡んで胴体下の懸吊架が廃止されているようです。
四式戦の最初の1000機位は本来、胴体下に300リットル落下タンクを吊り、爆弾を両翼下に吊るように造られて四式戦は胴体下に300リットル落下タンクを吊り、爆弾を両翼下に吊るように造られていますから、統一落下タンクニ型に変更され、胴体下への懸吊では容量不足になったことと、胴体下への爆弾懸吊は考えていないこため、統一型の懸吊架のみに簡略化されています。
BUN
- BUN様ありがとうございます。こんなに早く確度の高い回答がもらえるとは。
簡略化だったのですね。
酔来亭天福
- 陸軍機の中での四式戦は、これに襲撃機や攻撃機の任務を兼ね持たせることを前提に、生産の超重点に置かれています。四式戦があれば襲撃機や攻撃機は生産するまでもなく省略可能、その代わり四式戦はそれら機種の任務をこなせなければならない建前なのです。この場合、陸軍の攻撃機とは敵トーチカを急降下爆撃で破壊できる機種をいいます。急降下爆撃は照準精度を上げるためです。しかし、胴体直下につるした爆弾は、海軍の艦爆のような誘導枠がなければ、急降下爆撃時にプロペラに当たってしまいかねません。
一方、大容量の落下タンクが必要なのは、陸軍の作戦範囲が洋上に及び、そこで爆撃機援護や船団護衛を行う必要が生じたためです。この場合は爆装を考える必要がありません。海軍の零戦爆とは異なるところです。
片
- 300リットル一本の懸吊と200リットル2本の懸吊では抵抗の関係で燃費が悪化するため、100リットル増加分の航続距離延伸は望めません。戦闘機用の統一落下タンクが200リットルになったことで、両翼に懸吊しなければならなくなったのです。
海軍も統一 二型の容量は不足と考えていて、海軍案のニ型は容量が大きくなっています。
BUN
- うわお!あの片様も回答してくれるとは!重鎮お二人に回答していただき感謝です。
疾風は地上目標の急降下爆撃にも使うつもりだったこと、そして胴体下は爆装に使えないとされたことは初めて知りました。
他国の戦闘機で胴体下パイロンを持つものはいずれも爆装に使っていますが、日本陸軍の考えは他国とは違うのですね。
はじめに予定してた疾風専用300L増槽が使えなくなったなら、彗星が使ってる310L統一増槽が使えたんじゃないかと図面を測ってみたんですが、胴体下は地面とのクリアランスが小さくてどうやら駄目っぽいのですね。
で、増槽しか吊れない胴体下パイロンは300Lから200Lになったぶん価値が低くなって廃止につながったということですかね。
初期型は増槽1+爆弾2を搭載できるように思いますが、200L増槽では航続距離も半端になるし長距離攻撃なら双発機に任せればいいですからね。
酔来亭天福