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独立空軍と陸軍航空隊の違いと言いますか、陸軍航空隊から空軍になる利点とは何でしょうか。 陸軍からすれば、直属の航空部隊を抱えていた方が便利なように思えます 陸軍にとって陸軍航空隊が陸軍から独立して空軍となる利点とはどういったものなのでしょうか 天ヶ崎 |
- 航空機の用途は、戦略爆撃、戦略爆撃機の迎撃等を考えれば判る様に、地上戦闘の直接支援にとどまらず、あるいはそれ以上に独自の用途が増えてきたことに尽きると思います。また、戦闘の形相も変わっています。
第2次中東戦争におけるイスラエルの様に、原則として空軍力のみで、航空攻撃のみで敵航空機を地上で破壊して制空権を確保し、その後地上攻撃を行なう、あるいは地上部隊の支援をすればよい。
このため、第2次世界大戦の我軍においても、最後には航空総軍ができました。
なお、海軍の場合には、軍艦との一体的作戦が多いので、海軍航空隊を持つようです(第2次世界大戦のイタリーは、独立空軍のため失敗しました)。
但し、究極は地上戦闘なので、総司令官は陸軍大将がなるようです(例えば、米国ではマッカーサー、アイゼンハウワー、シュワルツコフ等)。
UK
- UK様ありがとうございます。
ただ、別に陸軍航空部隊のままでも、戦略爆撃、戦略爆撃機の迎撃等などは出来るように思えます。
勿論不都合があるから分離して空軍としたとは思われるのですが、それらの用途を陸軍航空部隊のままやるのは陸軍にとって具体的にどんなデメリットがあるのでしょうか。
天ヶ崎
- 陸軍が空軍を独立させるのは地上軍の組織の枠組みを超えた機動集中を実施するためです。
地上軍に分属させると、例えば方面軍の境界をまたいで兵力を集中することができません。
地上軍隷属の弊害は制空権が初めて出現した1916年のベルダン戦で、陸軍総司令部直属の独軍航空兵力に対して仏軍は総兵力に勝りながらベルダンに航空兵力を集中できず、長期にわたり独軍制空権を許した事例から既に見られるようになっています。
地上軍に隷属しようがしまいが、どちらにしても敵に対抗できる規模で兵力を集中できない航空部隊は勝てないのです。
航空部隊が空軍として活動できるようにしておかないと空軍は敵空軍に勝てず、その結果、空軍の支援を得られなくなった陸軍は負けてしまう、ということです。
海軍がどうとか、戦略爆撃がどうした、という話は後づけの説明に過ぎません。
BUN
- BUN様ありがとうございます
ちょっと気になっている事があるのですが、
空軍として独立させなくとも陸軍総司令部直属の独軍航空兵力のままで同じ事できそうと素人考えで思ってしまうのですが、この場合だと何が不味いのでしょうか
例えば、日本陸軍の航空総軍でも地上軍の組織の枠組みを超えた機動集中を実施できそうと思えてしまうのです
つまり、陸軍航空隊のままでも機動集中出来るなら空軍新設の必要性がわからないのです。
恐らく無知故に自分はどこか根本的に大きな勘違いをしているだろうとは思っているのですが、何卒よろしくお願い致します。
天ヶ崎
- 航空部隊は新しい部隊なので航空プロパーはせいぜい大尉までしか育っていません。
WW1独陸軍が空軍独立に至らない主な理由はそれです。
しかしその独軍が空軍を躊躇いなく独立させちゃうでしょう?
あれは再軍備前に決めておいたからですよね。
こういう問題はアタマのなかで理屈を組み立てるより、各国でどうだったか、ちゃんと調べて行くと腹に落ちます。
BUN
- ありがとうございます
正直、この度質問に至った理由は、各国がどうだったかの調べ方自体がわからないからでもあるのですが、やはり時間を調べていくことにします
天ヶ崎
- 純軍事的に見れば、有事の際に効果的に動ける体制がきちんとあればいいのであって、軍種の違いはたいした問題じゃないと思うのです。
軍事面ではなく政治面としてではどうでしょうか?
平時においては予算獲得という重要な戦いがあります。
軍事に詳しくない財務官僚や政治家に予算案を認めてもらい、
国民に対してはPR活動によって新兵募集をしなくてはなりません。
つまり、軍人以外に対する「わかりやすさ」も重要なんじゃないでしょうか。
超音速