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【「武器・装備全般」質問かもしれませんが、航空機も関連するため、こちらへ投稿させていただきます。】 航空機から投下された爆弾と、投下されないまま迎撃され墜落しつつある航空機に搭載されている爆弾の威力は同じでしょうか? (神風特攻等による艦船攻撃の事例ではいくつもありますので、陸地への爆撃に関する疑問です。) 実戦写真や当時の動画、映画でみる限りでは、「投弾前の爆撃機を撃墜、着地(?)後に大爆発した」というのを見たことがないもので・・ むしろ燃料残量の影響での引火、火災の方が大きいようにも見えます。 例えば、島国A国の首都が相手国Bの爆撃機100機により空襲された際、A国側は当然迎撃に出る訳ですが、仮に首都上空で迎撃戦をおこない大善戦したとして、うち80機を投弾前に撃墜したとしても、その80機分の機体+100機分の爆弾はその首都圏内に落ちる訳ですよね? だとすると、N国は絶対に海岸線より海側で迎撃するべきだと思うのですが、どうなのでしょうか? 史実では、大戦末期、日本は「本土防空戦」が主で、水際防衛はあまり聞いた事がありません。バトル・オブ・ブリテンも然りです。*ドーバー海峡自体が短いので比較が難しいのですが・・ 個人的に日本が水際防御をしなかったのは下記のように考えています。 ・燃料欠乏で迎撃機が遠くへ飛べなかったから。 ・迎撃側が撃墜された際のパイロット救助事情。(内陸ならパラシュート降下のみで解決) ・探知性能が悪く、「気がつけば相手爆撃機が内陸侵攻間近」。 ・要所要所を狙われて爆撃されるより、投弾前に撃墜する方が(実質同じ爆弾量でも)圧倒的に被害が少ない。・・・等々です。 過去ログでもドンピシャのを探しかねており、WEB検索でも「爆撃機、空襲、爆弾、投弾前、撃墜、被害、威力」等の語句を加減して調べていますが、興味あるサイトが出てきません。よろしくお願いいたします。 (唯一、Y知恵袋で『原爆投下直前にB−29を撃墜していたら、被害はどうなっていたか?』というのがありました。当方は通常型の爆弾のケースで知りたいです。) ジョナサン2 |
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13119498948
したがいまして、爆発しません。
hush
- 自身投稿の誤字を発見しました。
【投稿質問中段→『誤:N国は絶対に海岸線(以下略)』→『正:A国は絶対に海岸線(同)』】
hush様、大変分かりやすいweb紹介、誠にありがとうございました。
つまり、「(信管、雷管が作動し)自由落下する爆弾」と「(信管、雷管が作動しないまま)撃墜され自由落下する航空機に積まれている爆弾」の違いですね。よく分かりました。
また、ミッドウェー海戦における日本空母格納庫内の爆弾、魚雷の誘爆についても併記されており、より深く理解することができました。ありがとうございます。
ジョナサン2
- A国は絶対に海岸線より海側で迎撃すべきです。子供でも分かります。
ではなぜしなかったか?
→事実上ほとんどできなかったからです。(わずかにできた場合もありますが)
理由は日本の技術の遅れと、燃料を含む物量の問題です。
以下は渡辺洋二著「本土防空戦」という書物からの引用です。
「八丈島のレーダーがB29を二〇〇〜二五〇キロ前方に捕捉してから、司令部の連絡を受けて各戦隊が高度一万メートルの所定空域に至るまでに、一時間二十〜三十分かかる。従って、防空戦闘機がようやく展開したころには、B29の第一梯団は富士山上空から東進して、もう東京にさしかかっている、というのがいつわらない実情だった。その上、攻撃もやっと浮いていられる戦闘機にとっては、運がよくて一撃かけられるだけである」(引用おわり)
また、昼ならまだこうなんですが、夜間の場合は敵機はほとんど見えず、探照灯を機体に当てて初めてB29を射撃できるのが実情だったと思われます。
とおり
- 1967年7月の空母フォレスタルの火災事故では、航空爆弾の誘爆で甚大な被害が発生しました。
詳しくはウィキペディアにも書いてあるんですが、ロケット弾の誤発射が燃料タンクに当たり大火災で、爆弾が高熱にあぶられ誘爆、という状況でした。
第2次大戦以前の砲爆弾は高熱による炸薬の誘爆が起きやすいようなので、艦船や航空機が被弾などで大火災に見舞われれば、搭載する砲爆弾も誘爆してしまうのではないでしょうか。
超音速
- >4
フォレスタルの場合は、ジェット燃料に引火し、その高熱にあぶられて旧式の爆弾が爆発していますが、これはケロシンの出す最大1000度近い高温によるものです。にもかかわらず、爆発までに1分34秒かかっています。
では、たとえばB29の場合、これはケロシンではなくガソリンですが、炎上した時に、どれくらい燃え、どれくらい高温になるのでしょうか。そのあたり、私には分からないのですが、炎上後墜落までに1分以上かかるとは思えないのです。よしんば、機体全体が炎上したにも関わらず、墜落に数分かかったとしても、搭載する爆弾が誘爆するまでに温度が上がるかというと疑問です。
戦後70年以上経つのに、各地で見つかる不発弾、その中にはB29から投下された爆弾も含まれていますが、原形を留めているものがほとんどです。柔らかい土の中に潜り込んだせいもあるのでしょうが、そのほとんどが信管の不具合によるものと考えております。つまり、信管が作動しなければ、上空から落とされても破壊しないぐらい、爆弾は丈夫なものなのです。
実際、義母の母親が空襲で破裂した爆弾の破片に腹を割かれて死んでいますが、その破片は叩いても落としても大丈夫そうに見えました。
これは、信管の起爆剤が密閉容器に入っているからだと思います。無酸素状態ですので、容器が壊れ、そこで初めて爆発するはずです。これは、爆弾本体の爆薬でも同じかと思います。爆薬本体の着火点、爆発点は関係ないはずです。
なお、艦船の場合は、条件が異なります。消火するか、沈没しない限り、鎮火しないからです。したがって、空中の航空機と違って、爆弾等が誘爆するまで至る可能性はずっと高いはずです。
hush
- もちろん航空爆弾の炸薬は分厚い弾殻の中にあることは認識しています。ただ私も炸薬の着火点や爆発点など化学的な条件は考えずに回答しているのですが。
一例としてフォレスタルを挙げましたが、第二次大戦中の航空母艦では被弾によるガソリン火災から爆弾の誘爆につながった例が多くありますね。
そのなかには弾薬庫に収容され信管未装着のはずの爆弾が誘爆したと思われる例もあったはずです。
1.のリンク先が爆弾の誘爆に関してあまり詳しい言及がなく、爆弾は信管が作動しなければ絶対爆発しないと誤解する人もいるのではと心配したので例を挙げさせてもらいました。
質問に沿った状況だと、地上で炎上する墜落機の残骸に爆弾が残っていたら、というような場合が考えられます。
超音速
- いずれにせよ艦船の搭載爆弾誘爆にくらべると航空機のそれはレアケースだろうという前提を置いた上での回答です。
超音速
- >6、7
丁寧な補足を賜り、感謝申し上げます。
しかし、常連の回答者様がそこまで仰るということは、私のほうに何か不備があるのだろうと思って調べていたのですが、火薬というのは無酸素状態でも燃えるのですね。何を今更と言われそうですが、本当に知らなかったのです。
もう一つ、火薬の発火点というのは存外に低いということを存じませんでした。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/1550/shell_var/charge.htm
上記は、拙ページもリンクさせて戴いていたサイト「大砲と装甲の研究」の残っていた部分ですが、コンポジットBの発火点は278度でしかありません。
したがって、フォレスタルで誘爆までに1分34秒かかったというのは、消火活動の結果なのだと推測致しております。
ただし、太平洋戦争中に使用されたものについては、そのあたりの記述はありません。ただ、TNTが使用されていたそうですので、これだと230度で発火するそうです。
汗顔の至りですが、発火したからといって、爆発するとは限らないとは思っています。もちろん、6、7で仰っていることはその通りなのですが、火薬を発火させても燃えるだけです。爆発させるには信管(雷管)が必要であり、にもかかわらず、ミッドウェーやフォレスタルで誘爆したのは、他の要素があったのだろうと思っております。
どちらにしろ、御迷惑をおかけしました。
hush
- hush様
どうでも良いことなのですが、火薬を爆発させるのに必ずしも信管は必要ありません。玩具(?)として販売されている爆竹が良い例ですが、密閉した状態で着火すると爆発するものもあります。ちなみに国際化学物質安全性カードには、TNTは「240℃に加熱すると爆発する」とあるようですので、一応お知らせしておきます。
くら
- >9
御教示感謝申し上げます。
hush
- さらに興味深い関連回答、誠にありがとうございます。
誘爆、信管(雷管)、密閉、爆発、発火点・・、様々な視点から起こる疑問と納得は尽きません。
TNT火薬は240℃で爆発するんですね。驚きました。揚げ物調理+60℃くらいで爆発する計算ですよね。
ジョナサン2
- すいません、9で大事なことを書き忘れておりました。
信管が作動していない状態で火災により爆弾や魚雷弾頭が誘爆するのは、弾頭に装填された爆薬(あるいは信管の起爆薬)が発火する温度に達して燃焼した(密閉された弾頭内で爆薬が燃焼(=爆発)した)結果であると言いたかったのです。
くら
- >12
さらなるフォロー感謝申し上げます。
hush
- 余談。
今日(H29.9.23)昼のNHKニュースにおいて、那覇市国際通り付近でビル建て替えの為の更地で50kg級航空爆弾の不発弾が発見され、信管を抜き処理された、とありました。その弾体は類似の不発弾ニュース同様、完全に原形をとどめており、外殻の頑丈さが分かります。
関係部局では「太平洋戦争後、沖縄県内にはいまだ2000tの不発弾があり、処理に70年以上かかる」といった話でした。
・・・、そういえば、こういった類の不発弾ニュースでは「某土地で(工事等の何らかの要因で)想定外の大爆発があり、調べたら不発弾だった」という話は聞いたことがありませんね。
ジョナサン2
- >14
ジョナサン様
調べれば簡単に出てきますよ
一例ですが:平成二十一年二月五日提出 質問第九一号 沖縄県における不発弾爆発事故に関する質問主意書
くら
- >15
くら様
事例、ありがとうございます。当方の見聞の限りではなかったのですが、「沖縄 不発弾 爆発」検索で確かに該当しました。
何を根拠で「不発弾あと約2千t」なのかと思ったら、こんな数式だったのですね。
ジョナサン2