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宜しくお願いします。 四式戦闘機の急降下での機首抑えについて質問です。 http://soranokakera.lekumo.biz/.s/tesr/2017/03/post-8718.html 四式戦には零戦と同様にトリムタブが付いており、敵艦水平突入時にトリムを使って400km/hで上手く飛ぶとあります。500km/hではスピードオーバーである、と明言しています。 一方で、急降下で650km/hを超えたら怖くなった、とするほどの特攻訓練も行なっています。このパイロットが視界を失うほどの引き起こしにも耐える機体剛性もある。 勿論特攻を前提にしているので750km/hを出す為に試作機が8000mから背面で行なった様なものとは違う、一般的な急降下のそれだと思われます。 それで果たして海面高度の水平飛行でトリムを取っても500km/hを保つのが不可能な機体が、650km/hで「急降下」などなぜ出来るのでしょうか。それも敵艦を狙える様な。特攻でトリムを悠長に回すほどの余裕も腕の本数も無いはず。 長くなりましたが、「疾風が650km/hを超える様な急降下をするにはどうしたのか、そもそも出来るのか、それで敵艦でなく敵機を奇襲する様なのも出来たのか」など伺いたいと思います。 パンジャンドラム |
- 零戦も一式戦も急降下出来ますよね。
暇人
- >暇人様
回答ありがとうございます。
そう、まさにそれなんです。急降下時に容易く機首が浮くであろう零戦や隼とその操縦系統でも、急降下できちゃっているんです。
操縦桿を思いっきり倒したからだよ、では納得しきれないものがあります。
人力の出せる範囲内だけでどうにか解決出来る話ならば、疾風の急降下時のは話題にも挙げられないはずです。
ちょっと本気だしたらそんな急降下が出来ちゃう機体が、なぜ500km/hの敵艦めがけての水平飛行も出来ないの、となる。
テスパイ吉沢+小山+その他大物での座談会の場でも、突っ込みが悪かったと述べられているんです。
パンジャンドラム
- リンク先読みましたが、「海面高度の水平飛行でトリムを取っても500km/hを保つのが不可能」と書いてあるでしょうか?
500km/hではスピードオーバーというのはそういう意味ではないのでは?
突っ込みが悪いというのは急降下加速の話で、急降下速度が遅いという意味ではないと思います。
超音速
- 一式戦では操縦桿で抑えつけなければみたいな記述が有ったかと思います。自分は四式戦でトリムを使って500Kmで海面高度=10mを維持し続けるのが難しいと読みましたが。突っ込みに付いては従来の物より良かったとしている方々も居ますよね。後、うろ覚えで申し訳無いのですが、急降下時にどちらかというと機首が浮き気味になる様にしていたという記述を見た記憶が有るのですが。
暇人
- >超音速様
お久しぶりです。回答ありがとうございます。
件の急降下の「突っ込みが良くなかった」は実際に小山&吉沢(テスパイ)の座談会の場で質問されており、司会の馬場さんが「加速性が悪いのですか」と質問したところ、「機首が持ち上がってしまう」と訂正されました。小山さんも「ある程度突っ込むと起きる方がいい」「逃げるものは時として追わぬ」と追随します。
なので急降下加速ではなく急降下速度だと認識しています。
重量があり翼面荷重の高い機体ですので、パチンコ玉が落ちる例えで加速はするでしょう。
ですので、その後の機体の制御は如何したのだろうと思って。
>暇人様
私もそう読めました。地面効果の如何については安易には触れませんが、最高速度で機体が浮き上がるともその疾風パイロットの方の証言を信頼すると、少なくとも海面最高速度時(そしてその下で触れられている500km/h)に機首上げの傾向はあったと見れます。
パンジャンドラム
- >5
そうでした。小山悌 氏の話でしたね。
急降下性能に付いては、戦後の黒江 氏の発言に FW190程では無いが不満は無かったというのが有りましたね。
暇人
- 鉛直方向に働く重力は、急降下時は揚力と反対方向の成分と機軸方向の成分とに分解されます。
水平飛行時とくらべ揚力と反対方向の力が減少することで、急降下時は機首上げモーメントが強くなります。
また、米軍戦闘機は主翼の取り付け角0〜+1度、水平尾翼は+1〜2度であるのに対し、疾風は主翼+2度・水平尾翼0度となっており高速時は水平尾翼がマイナス仰角となり機首上げモーメントが発生するのでしょう。
したがって海面高度500km/hでの機首上げモーメントはあったでしょうが、あくまでトリムと操縦桿で抑えられる程度だったんではないでしょうか?昇降舵の作動角は下に20度あります。
敵艦の喫水線下に突入するためにさらに機首を下げるのに支障が出るという意味でオーバースピードという表現だったのではと思っています。
超音速
- >超音速様
納得度の高い考察、ありがとうございます。水平は保てるが、そこから最後、機種を下げて高度0m以下の喫水線下を狙うのは難しいと。そもそもどの機体も水平最高速度を測定している以上は、飛べないとおかしいですからね。だから黒江さんの様な剛腕が機体のポテンシャルを最大限発揮する最大速力測定には向いていると。
そして、では500km/hでまともな降下には入らない、となりかねませんが、やはり設計者が認めてしまっているのですから、500km/hで「逃げるものは追わぬ」飛行機になってしまったのでしょうか。残念という他ないのですが…
パンジャンドラム
- 自分は400Kmで突入と500Km突入で変わる所が有るのでは無いか?というのが気になりました。反跳爆撃は500Kmなんて書いて有る所も有りますよね。攻撃に不都合が有ったのか、或いは低高度過ぎて下方修正した時に海面に突っ込み易いので400Kmだったのかと思った訳です。
後、タブに付いて、日本機では有りませんが P-40は頻繁にラダーのタブ調整をしないと真っすぐに飛ばないなんてのも見た事が有りますね。空戦の時は大変だったとか。
暇人
- >暇人様
海面での機動はシビアですからね。速度を落とさねば失敗のリスクも多いのかもしれません。
しかし、どちらにせよ、海面高度とはいえ、500km/hでそういった緻密なピッチング制御もままならなければ、その速度で空戦における射撃もそれに見合ったものになってしまいます。
私は疾風の中〜高速度域での空戦の実態を探るべく、高速での疾風の操舵について質問している為、質問に関係なくとも、ぜひ疾風の操舵がどの速度まできいたのか、戦記や飛行資料などお持ちでしたどなたかご教授願います。
例えば、零戦は有名なTAICによる鹵獲調査で、200ノットから急激に重くなる様な事が書かれており、具体的な速度が示されています。
この堀川中尉さんの様に、実際に乗った人ならば、個人差はあるにせよ何キロ、と明確にして下さる人がいらっしゃるかもしれません。
パンジャンドラム
- ご存知かもしれませんが、トップページの「参考資料オリジナル」の中の「米軍作成疾風操縦マニュアル」が大変参考になりますね。
やはり250mhp(400km/h)あたりがもっとも機動に最適である様です。
超音速
- 私はろくな物を持っておりませんが米軍のテスト結果等有りましたよね。
350mphから舵が重くなるとか。
http://www.warbirds.jp/siryo/frank.htm
http://www.warbirds.sakura.ne.jp/ansqn/logs/A004/A0000839.html
暇人
- 急降下とタブの使い方もマニュアルの方に載っていますね。
暇人
- 合わせてこちらも興味深いかと。
http://www.aviastar.org/air/japan/nakajima_ki-84.php
暇人
- >超音速様
400km/hは以前の回答で伺っています。その速度での機体制動は確実な筈で、最低でもその点では200ノットがせいぜいの五二型とは一線を画すものだと考えています。
>暇人様
350mphから重くなるという米軍調査があるのですか。それが真実ならば日本機として見ると非常に優れた機体ですね。
改めてマニュアルをよく読んだら360mphまで55度の急降下爆撃が出来てますね。爆弾積んでるとはいえ、疾風って改めて見るとやはり飛燕に次ぐ急降下が可能な機体に思えました。
そもそも日本のパイロットが疾風の舵を悪く言うのって、「勘」に頼るところが大きく、定量的に見れば日本のパイロットさんは少々極端な事を言っているんじゃないかと、思います。突っ込みで起きるといっても、数字で見るとそこまで低い速度で起こるものではなくて、むしろ実用上、それ以上求めてパイロットが耐えられたの??、と言ってやりたくなる様な速度を求めている様にしか思えません。
この時の吉沢さんとかがもうちょっと何キロからとか言って下されば、とっくに決着がついた問題ではあるのに。
パンジャンドラム
- 最後のリンク先に急降下テストした時の状況と速度が書かれています。何でも酸素供給が上手く行かずに途中で止めたとかで。止めなかったらどれ位出ていたか興味深いです。
暇人
- 舵の件はそれまでの機体と違ったからでしょう。でも、御承知と思いますが「肩が凝る」「思い切り引けば」なんてパイロットの発言が有りますよね。極め付けが某トップエースの「こいつは軽戦のやり方も出来るんです」じゃないでしょうか。歴戦のパイロットは上手く四式戦を使っていたのだろうと思います。
暇人