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過給機に用いられる遠心式インペラはどのように製造していたのでしょうか? SF |
- 見出しが長くなりそうなので解答欄を使わせていただきます
機械式・排気タービン式問わず(あるいは黎明期の遠心式ジェットエンジンも含め)、過給機に用いられている遠心式インペラは、吸い込み部と押し込み部(そんな用語はないかとは思いますが)で折れ曲がるように迎え角が変化していたり、フィレットがあるものもあり、かなり複雑な形状をしています。
一応参考までに当時の遠心式インペラの一例として、写真をリンクで貼っておきます。R2800の新古品のようです(fig.1)
fig.1) ttp://i.ebayimg.com/images/g/FCYAAOSwEeFU~GBz/s-l1600.jpg
このような形状のものをどのように製造していたのでしょうか?
かなり計算されて設計された形状だと思うのですが、切削加工で要求通りに製作できるとは思えませんし、鋳造の場合も、結局原型を作らなくてはいけないと思います。
羽根一枚だけ取ってみれば、板材を曲げると手に入りそうですが、羽根一枚できた所で、精度よく配置したうえでフィレットも施さないと原型になりません。それに断面を見ても「曲がった板」ではなさそうです。(fig.2)
fig.2) ttp://i.ebayimg.com/00/s/NDgwWDY0MA==/z/HrgAAOSwWTRWw2Vh/$_12.JPG
SF
- ロストワックスという精密鋳造法ならば難なく製造可能です。この製法で行われているかどうかは断言しかねますが。
DDかず
- 回転工具による機械加工で削れます。
impeller machining で画像や動画を検索してみてください。
BUN
- 取り合えず、そこそこの程度の栄21型のインペラは持っています。
何か写真ポイントの希望ありましたら画像掲示板2にアップしますので言って下さい。
A6M232こと中村
- >2
DDかずさん、回答ありがとうございます。私も鋳造ならばロストワックスを用いていただろうと考えています。
ロストワックスの場合、原型を精密に写し取れるのは理解できるのですが、その原型をどうやって作っているのかが気になっています。
ttp://www.enginehistory.org/Piston/InterWarSCdev/InterWarSCdev.shtml
こちらのサイトによりますと、実際米国が航空用過給器インペラにステライト合金を用いていた頃は切削加工が難しいことを理由にロストワックスで生産していたようです。
>3
BUNさん、回答ありがとうございます。
機械加工ですか。ざっと調べた限りだと5軸加工でムクから削り出しているものか、粗い鋳造肌の見えるポンプ関係のインペラしか見つけられませんでした。米国ですらNC旋盤の登場が50年代になると思うのですが、倣い旋盤や、ロータリーテーブルとフライス盤の組み合わせでジグを用いて加工していたのでしょうか。
>4
A6M232さん、回答ありがとうございます。
栄のインペラの羽根の肌がどのようになっているかについては興味があります、お言葉に甘えられるなら、肌がよく見えるカットを見てみたいです。
みなさま快くご回答を賜り、本当にありがとうございます。
SF
- 多軸自動盤は戦前からありましたし、加工そのものは数値制御でなくとも可能です。
硬いステライトを削るのは現在でも難しい加工の部類に入りますね。
BUN
- 大戦中、しかも日本のものだとしたら加工法は正直言ってわかりません。
BUN
- 栄発動機二一型No211438のインペラを画像掲示板2にアップ致しました。
羽側の表面が内から外に沿ってスジが入っているのは私の手持ちの程度の問題で腐食除去時の為です、程度の良い物はアルマイト加工のままで非常に滑らかな表面です。
裏面は加工時のスジが入ったままとなっています。
A6M232こと中村
- >6,7
返答ありがとうございます。なるほど、当時から機械式の自動加工機があったのですね。言われてみると腑に落ちるのですが、思いつきもしませんでした…。
「"多軸"自動盤」で調べてみると、どうも"multi-spindle"が引っ掛かりますが、BUNさんがおっしゃられているのは"multi-axis"である、という理解で間違いないですか?
>8
貴重な機会をくださってありがとうございます。
キレイなインペラで見惚れてしまいました。
耐熱性があまり必要ない星形エンジンの同軸圧縮機の場合はアルミ系の合金に切削加工というのがスタンダードなのかもですね
当時のアナログ制御(カム式?)の加工機についてもう少し調べてみたいと思います。
SF
- 「聞く前に調べる」、が不文律のところお恥ずかしい限りですが、海外フォーラムで類似の話題を見つけることができました。
回答してくださった方々からすれば、ご存じのことも多いと思いますが、ほかにもご覧の方もいらっしゃると思い、共有させていただきます。
link1) http://goo.gl/001vKx
link2) http://goo.gl/dJrLJL
少なくとも米国の1945当時では、油圧式の倣い機構が用いられていたようで、それにより同時4軸加工をしていたようです。
断面図を積層したものを削って滑らかにしたようなものが倣い機構のマスタとして使用されていたみたいです。
fig1は1952のものらしいですが、マスタが積層でできているのが分かるかと思います。
fig1) http://goo.gl/LcnzqA
fig2が1945のNACAで、fig1を見た後にマスタが積層でできていると気づくことができました。
fig2) https://goo.gl/0K1GUe
また、A6M232さんの写真を拝見する限り、栄のインペラもR2800とほとんど同じ形状で、同時4軸加工は必須だと考えられるのですが、皆様のご意見を拝聴できればと思います。
[NGワード判定を受けて書き込めなかったのでURLをGoogleのサービスで短縮しました]
SF
- 回答でもなんでもなくすいませんが・・・
マスタの積層はベークライト製ゆえに見えますね・・?
良い写真で私も開眼しておりますのでありがとうございます(^.^)
A6M232こと中村