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短期間に連続で質問して申し訳ありません。推力式排気管というのは、どれだけの推力を生み出したのでしょうか。隼二型と三二型の事例だけでは、他の改良も混ざってしまうので、全てが推力排気管の効果かと言われれば、そうでは無いですし。零戦の単排気管が間に合わなかった初期生産型と、それ以降の型で比べたいのですが…。 エンジンの排気、14本まとめていくらぐらいになるのでしょうか。「推力式単排気管を装備した四式戦闘機一型乙が660km/hを発揮」という情報も気になります。 パンジャンドラム |
- お話に少しさかさまなところがあって、
「要求値に何ノット足らないから、翼端をこう直して何ノット、推力式排気管で何ノット、ほかのこれこれで何ノット稼ぎ出そう。足して要求値の何ノットを達成の見込み」
というふうに組上げられていっています。
それぞれの要素で稼ぎ出せる速度は、事前の実験や計算でデータを持った上で望むわけです。
で、零戦の場合、推力式単排気管にすれば何ノット稼げることになってたんだっけ、どこかに数字があったはず。
片
- 零式艦戦に於て高度6000米に於て6〜7kt増速す。又附加効果として消焔作用の利点あり。排気圧力増大するも発動機の大なる馬力の減少を見ず
ここのアンスクのどこかに書いてありました。
みいつ
- この過去ログあたりが参考になるのではないでしょうか。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://www.warbirds.jp/ansq/11/A2002197.html&ved=0ahUKEwigqeL6oejKAhXGVZQKHQvPBSMQFggZMAA&usg=AFQjCNGvNNgu80223EVp55mZFlJanXpXQw&sig2=Oc3CPmmyDYIERNIy5sXoBg
みいつ
- では、14気筒よりも単純計算で3割増しの18気筒で18本の排気管がある四式戦は8〜9ノット程度の増速となり、もとが推力式集合排気管だった事を差し引いても、631km/hから10km/h程度増速が見込めますね。というのも、この質問をしたのは疾風がどれぐらいの増速を見込めるか、という概算がしたかったので、質問させていただきました。ありがとうございます。
疾風のカタログスペックの控えめさというか謙遜し過ぎな感はあります。推力単排気管の後期型試作機の数字を使えば良いのに…。
パンジャンドラム
推力式排気管の効果について、計算してみました。
□エンジン :栄21型
ボア :130 [mm]
ストローク :150 [mm]
圧縮比 :7.2 [-]
気筒数 :14 [-]
□大気条件
高度 :2850 [m]
大気圧 :72.8 [kPa]
大気温度 : 5.0 [℃]
□運転条件
回転数 :2700 [rpm]
ブースト圧 : 200[mmHg]
□結果
1気筒あたり
燃焼温度 :2076.0[℃]
排気温度 : 793.5[℃]
排気管直径 : 50.0 [mm]
排気ガス流速: 18.7[m/s]
排気ガス動圧:213.1[kPa]
排気ガス推力: 9.5 [kW]
排気ガス推力: 18.4 [ps]
損失係数 : 0.7 [-]
全気筒数 :14 [-]
全排気ガス推力:132.7 [kW]
全排気ガス推力:180.7 [ps]
現代の自動車用エンジンより、ずっと圧縮比が低いから、排気温度が高いんですね。
推力式排気管で、かなりの馬力向上が期待できると思います。
じゃま
- >4
キ八十四は最初の試作当初からずっと推力式で、その効果はすでに性能推算に折込み済です。但し、初期には集合管ですが。
片
- じゃまさん、ありがとうございます。かなりの推力を産んでいますね。疾風の場合だと、18本で232psとなり、本来の馬力低下を補っていたと思いますよ。「疾風は二千馬力なのでみるみる上昇していった」、と評されても、三式戦一型丁の様に「ノロノロと上昇していった」と評されたのを見たことが無いのは、推力排気管の力だと思います。ところで、栄のピストンを凄い力でふかしている状態の四式戦は、ただ本数増やしただけの232psよりどれだけ高いのでしょうか。
パンジャンドラム
- 片さん、ありがとうございます。性能概算では624km/hや631km/hにいくらか上乗せされた概算が存在する、ということでしょうか。
パンジャンドラム
- あ、お尋ねは、同じ推力式でも集合管と単排気管でどれくらいの差があるか、ということですね。
ちょっと探してみます。
片
- とりあえずなのですが、昭和17年1月の段階でこれから設計するキ八十四に対して陸軍が680km/hを要求しようとしたところ、中島は660km/hならば、と希望しています。
660km/hというのが、完成した飛行機にその後にいろいろと新しい技術を積み重ねて達成可能となった数字ではなく、最初から折込済みの要素だけで達成可能と考えられていたものだった、ということです。
片
- ありがとうございます。660km/hって、よく聞き覚えがある数字ですね…。巷に言われる疾風の660km/hは、もしかして概算の数字でしょうか。ここから引っ張ってきたのでしょうかね…。仮に烈風試作機飛行時を基準にすると、高度6000mで1300馬力なので、ブースト制限を外すと1450hp程度まで出力が上がり、当初の予定と同じ性能になります。ブースト制限を外せば特段無理もない数字だとは思うんですがね…。
パンジャンドラム
- アジア歴史資料センターで一式陸攻一一型へ推力式単排気管を装備した試験の報告が読めますね。推力の数値は載ってませんが推力式単排気管のみで5〜10ノットの速力向上があったと分かります。
http://www.jacar.go.jp/
「研究実験成績報告 1式陸上攻撃機11型(単輩出管装備)実験」レファレンスコードA03032118200
expery
- >5
かめレスでもうしわけないですが。
計算間違いされてませんか?
> 回転数 :2700 [rpm]
> 排気管直径 : 50.0 [mm]
> 排気ガス流速: 18.7[m/s]
とすると、1気筒あたり、排気ガス体積は1.63Lになりますが。。。
栄エンジンは1気筒あたり1.99Lの排気量です。
排気ガスは、高温で膨張してますので、排気ガス体積は1.99Lより大きくなるはずですが。。。
ちょん太
- >11
そういうことだと思います。
「推力式単排気管を装備した四式戦闘機一型乙が660km/hを発揮」という話の元々の出典を良くは知らないのですが、660km/hは推力式集合管から推力式単排気管への変更などによってではなく、発動機の運転制限解除のみでほぼもたらし得たはずの数字であるように思います。
片
- ちょん太さん
コメントありがとうございます。
排気量=シリンダ断面積×行程+燃焼室体積
燃焼室体積を引き算してみると、小さくなると思います。
じゃま
- それ引き算したらダメでしょう。
片
- >14
>排気量=シリンダ断面積×行程+燃焼室体積
そんな定義は、どこにあるんですか?
引用元をお示しください。
シリンダ断面積×行程で1.99Lですよ。
これを排気量といわない資料があればお示しください。
ちょん太
- かめれすです。
推力排気管の効果が数値で出ている資料として、
"FLIGHT TESTS OF EXHAUST-GAS JET PROPULSION"
NACA wartime report,
http://www.dtic.mil/dtic/tr/fulltext/u2/a801032.pdf
最高速度が5%程度大きくなっているので、元のエンジン出力に換算して15%程度増大の効果があると思います。
中島飛行機の彩雲についても、15kt程度の効果を見込むとなっていたので同程度の出力増大だと思います。
以上のことは、最大速度状態でのおはなしです。
>7
推力排気管の効果は、飛行速度に依存するので上昇力にはあまり大きく寄与しません。最良上昇速度を最高速度の半分とすると、上昇状態での排気の寄与あるいは等価馬力は最高速度の半分程度になります。
>5,>15-17
排気量について、議論が白熱していますが、排気推力を評価するのに必要な数値は、排気の運動量即ち排気の質量流量の速度の積です。
排気量は諸元に明記されているので、実質の排気流量を推定するのに、吸気の圧力と温度、充填率を追求されてはいかがでしょうか。
い
- いさん、ありがとうございます。彩雲でそんなに上がるんですね!私は陸軍機が大好きなので、疾風の660km/hは可能だったか、というのを検証したいのです。5%の向上ですと、5%上がって655km/hになりますが、もともとが推力式集合排気管ですので、そこから推力式集合排気管の分を引かなくてはなりません…。嗚呼、悔しい。推力式集合排気管と推力式単排気管の効率差というものはどう変わってくるのでしょうか。
パンジャンドラム
- 「疾風の660km/hは可能だったか、というのを検証したい」ということでしたら、
何度か申し上げたことなのですが、キ八十四はもともと660km/hという性能をもたらすべく計画・設計された機体です。
600km/h出ていない状況は何によってもたらされたものだったか、というあたりから考えられるのがよいように思います。
その要因として最大のものは、初期における「624/h」とか「631km/h」は本来のハ四十五の性能ではなく、運転制限下のハ四十五特によるものだったことで、
624km/hに排気推力を加えることよりもまず、運転制限解除によってどれくらい性能が「回復」しただろうか、ということの方が先ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
片
- たとえば、紫電改には運転制限下での計画値330ktとか336ktというものと、本来の計画性能であると思われる348ktという数字があります。
その差18kt(33km/h)、12kt(22km/h)を、運転制限下でのキ八十四の実績631km/hに仮に足してみることのほうが、意味があるように思えてしまうのです。
片
- 四式戦の試作機はハ45特であったと記憶しております。ハ45特のブーストと回転数を上げたものがハ45ですが、実際はハ45特と同じ条件で回す様に運転制限が課せられたので、「制限下ハ45=制限無しハ45特」だと考えています。ブースト制限が解除されるのはいつ頃かは知りませんので、制限下の660km/hを検証したくて…。
パンジャンドラム
- !?失礼、よく読んでいませんでした。運転制限下のハ45特なのですか?本来の性能から更に二割差し引いた数字(もともと一割低いのに、そこでさらに1割前後の運転制限がかかっている)で624km/hを出したと言うことでしょうか?だとすれば、陸軍機ファンの私にはこの上なく嬉しい話です。情報ソースをお願いしてよろしいでしょうか。
パンジャンドラム
- >18
「排気量について、議論が白熱してる」とは、思いませんが。単にオーソライズされればよいだけのことです。
>排気量について、議論が白熱していますが、排気推力を評価するのに必要な数値は、排気の運動量即ち排気の質量流量の速度の積です。
>排気量は諸元に明記されているので、実質の排気流量を推定するのに、吸気の圧力と温度、充填率を追求されてはいかがでしょうか。
それは当然の話で、>5でもそうされていると思いますよ。空燃比や排ガス組成をどのように仮定されているのかは知りませんが。排ガスは空気+1割程度の質量でしょうから、排ガス温度を決めれば概算できるのは明らかです。
仮定はみえないですが、>5では、
> 排気ガス流速: 18.7[m/s]
と求めておられます。
> 回転数 :2700 [rpm]
> 排気管直径 : 50.0 [mm]
という条件なので、1気筒あたり、排気ガス体積は1.63Lになりますが
シリンダ断面積×行程=1.99L
なので、おかしいでしょ。と言っているのです。
「じゃま」さんご自身もおそらく計算ミスに気付いているはずなのに。。。
計算ミスを修正すれば、前に進めるのに。。。
引用元も示さずに、(私には、わけのわからない)
>排気量=シリンダ断面積×行程+燃焼室体積
って、話をそらせて、ご自身のミスをごまかそうとするから始末に悪いのです。
人間にはミスはつきものです。素直になって前に進んでください。
ちょん太
- それから、
>18
>推力排気管の効果は、飛行速度に依存するので上昇力にはあまり大きく寄与しません。最良上昇速度を最高速度の半分とすると、上昇状態での排気の寄与あるいは等価馬力は最高速度の半分程度になります。
排ガスが同じなら(同じ回転数、同じブースト、等)、排ガスの推力は対気速度が増えると減りますよ。
上昇時のエンジンパワーをどのように想定されているのか知りませんが、排ガス推力としては上昇時の方が大きくなりますよ。対気速度は上昇時の方が小さいので。
ちょん太
- >25.
18は、おそらく推力馬力の話だと思います。
超音速
- あと、四式戦の推力式単排気管は、プラモデルをみると単排気管は細いのが8本、太いのが四本になってますけど、これは全部細い排気管がたくさんあるのよりは効率が落ちるのでしょうか。そもそも、なぜ集合式だと効率がが悪くなるのでしょうか。
パンジャンドラム
- >23 失礼しました。631km/hはブースト+350、3000回転での値とされていました。訂正します。
ただ、それにしてはあまりにも速度が出ておらず、これはこれでちょっと考えなくてはならない数字だと思っています。
片
- 言葉を変えて説明しますと、「631km/hはブースト+350、3000回転での値」とする既存出版物の記述は、むしろブースト+250のハ四十五特で出されたものだと思ったほうが理解しやすく、つじつまも合いやすいわけです。
この性能計測が行われたとされる8404号機のひとつ前の8403号機がハ四十五特であることは、自分自身の目で中島の実験報告を見ております。
そして、同じ8404号機で計られた624km/hが、運転制限を行われている時期において四式戦を代表するデータとして陸軍や軍需省で使われ続けていることがあります。
片
- 26の続き
http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000749.html
抜粋「高速時ほど推力排気管の効果は大きい」
>27.
右上が2気筒集合、左上と中央両側は単排気管、下は3気筒集合ですね。
http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000749.html
http://www.warbirds.jp/ansq/11/A2002861.html
あとは、2.で述べられている通り、消炎効果があることもメリットですね。
デメリットは騒音が激しくなることでしょうか。
超音速
- >26
言語明晰意味不明ですね。
推力について議論してるので推力なんですよ。そこに馬力を付けることにあまり意味は無いんですよ。レシプロエンジンでいうところの軸馬力について議論しているわけではないことは最初から明らかですからね。
>30
引用されている
>http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000749.html
>抜粋「高速時ほど推力排気管の効果は大きい」
の「書き込み1」の「推力は速度に因らないので,」は間違っているんですよ。
ロケットエンジンじゃないので、推力は対気速度に依存しちゃうんですよ。
まあ、人間はミスしちゃうし、金もらって書いてる訳じゃないし、しょうがないんですが。。。
要は、市販されている本や、学会でオーソライズされた文献で知識を吸収することが大事ですよ。
ちょん太
- >31
26は排気推力(単位は力、kgf、Nなど)を仕事(単位は、馬力、Wなど)に換算した推力馬力というものに言及してされております。
排気の速度、質量流量が一定ならば、その排出の反作用としての推力は一定です。
プロペラの効率は一定とするとそれが発生する推力は対気速度が小さくなるほど大きくなる一方、排気推力が一定ならば比較的低速な上昇時は機体全体の推力にしめる排気推力の寄与は小さくなります。
推力排気管の効果が、「最高速度**km/h増大」と表現され、上昇力への寄与に言及されない所以です。
30 で言及されている事象は、市販の熱機関やガスタービンの本でいうと「推進効率」、「等価馬力」などの項目で説明されているものです。
い
- >32
根本的なところで誤解されておられるんですよ。
>排気の速度、質量流量が一定ならば、その排出の反作用としての推力は一定です。
が間違っているのですよ。
それは、ロケットエンジンの場合なんですよ。
プロペラは前方からの空気に作用して空気の運動量を増やして後方に送りますよね。後方に送った空気の運動量と前方からやってきた空気の運動量の差がプロペラの推力ですよね。
排ガスの推力も同じで、空気に作用して(空気でガソリンを燃やして)運動量を増して、運動量の差が推力となるんですよ。ですから、入ってきた空気の運動量を引かないといけないんですよ。対気速度が大きくなると、引く量が大きくなり、推力が小さくなるんですよ。
重量比で1割程度の燃料分は自前の運動量ですから、その分は、ロケットエンジン的な推力ですが。
ちょん太
- 速度と運転条件についてですが、
質問 1152 回答中で紹介した昭和19年1月3日付の「『キ八十四』操縦法」に、高度別の「最大水平速度の基準」一覧表があり、そこに
高度 6550 標準速度 624 回転数 2900 吸気圧力(+)185 扇車二速
という数字があります。この一覧表では、一速では吸気圧力は +250、二速では主に +185 が用いられています。
なお、同資料「ハ-45」(「特」の文字は無い)の説明の箇所には以下のようにあります。
回転数 3000 ブースト(+)400 地上馬力 1850
公称 回転数 2900 ブースト(+)250 高度馬力 1680/2300 高度馬力 1500/6500
逆向春助
- 19年初頭の冬にはハ四十五に運転制限が課せられるようになって、
ハ四十五特並みの2900回転、+250ミリが上限とされるようになっています。
「特」ではないハ四十五がその数字であってもそれで然るべきなのです。
片
- とりまとめますと、
・ハ四十五装備での計画値 660km/h
・18年初夏から秋にかけての初期の試作機 ハ四十五特装備 これがおそらく624〜631km/hという実績値を残している
・18年秋以降 ハ四十五装備になったが、メタノール噴射の状態が悪くなり性能悪化
・19年1月 ハ四十五装備機にもハ四十五特並の運転制限
・19年春より ハ四十五に額面割れ問題発生、ハ四十五特並よりさらに性能低下
片
- 手持ちの書籍には、
推力馬力はTHP=推力(kg)×機速(m/s)/75
と簡単な式で書いてあるもので、機速が遅いときは仕事量も小さくなると単純に理解してました。
数式なんてのは苦手中の苦手ですがもう少し掘り下げることにします。ちょん太さんが33.で記述されてるのは正味推力(net thrust)ですよね。
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p217.html#01-04-01
から引用すると、ターボジェットエンジンの正味推力(燃料流量は無視)は、
Fn=Wa/g(Vj−Va)
各符号はそれぞれ,Wa:吸入空気流量(kg/sec),g:重量の加速度(9.8m/sec2),Vj:排気の平均噴出速度(m/sec),Va:飛行速度(m/sec)を表す。
ちょん太さんのいうとおり、機速が遅いとき正味推力は大、機速が早いときは小となります。
そして推力馬力は正味推力で計算するので、
THP=Fn×Va/75
過去ログhttp://www.warbirds.jp/ansq/1/A2000749.htmlでは「推力排気管で150ポンドの推力を発生し,これは600km/h時なら正味出力で149hp」と算出しているのはこの式を利用してと思われます。
31.で「そこに馬力を付けることにあまり意味は無い」と書かれていますが、
ターボプロップエンジンでは軸出力SHPと排気推力の総計で仕事量を算出したESHP(equivalent shaft horse power 総計等価出力)などが用いられます。
一定の機速で直線飛行をしているときの仕事量は飛行相当軸馬力FESHP(flight equivalent shaft horsepower)の計算式があります。
FESHP=SHP+(Fn×Va)/(75×推進効率)
この場合排気の推力馬力に、さらに推進効率を算入しなければならないようです。同じページの表によると、速度260km/h(疾風の最良上昇速度)でのターボジェットの推進効率は20%ちょっとで、624km/hでは45%にすぎない。同じくターボファンの推進効率はそれぞれ38%と65%ぐらい。
よって、「高速時ほど推力排気管の効果は大きい」というのは正しいと思います。
超音速
- >37
ジェットエンジンではなくレシプロエンジンの排気の話です。
って言われてもピンとこないのも想像できるのですが。。。
1つ下のトピの>8で片さんが大切なことを述べられてますよ。熟読してください。
ご自身がお知りになりたいことが有れば、別途、トピを立てるのがすじだとおもいます。
ちょん太
- 「航空発動機」 富塚清 共立出版 1943年
14章2 排気の推力効果
当時の考え方が説明されています。
古い本ですが、各地の図書館にあるようです。
>33 ジェットエンジンの場合、吸気と排気の運動量差で推力を定義しますが、レシプロエンジンの場合、吸気の持ち込む運動量の作用は、排気推力のためだけのものではないので、排気運動量との差で排気推力を定義することは一般的ではありません。排気推力を利用しない場合でも吸気の運動量効果は負の推力として存在します。これは、動力系の付加抵抗として扱うのが妥当だと思います。
上の教科書でも、排気推力はレシプロ機関のおまけとして排気の反動分を論じています。
>37 FESHPは、排気推力を合わせて、いかほどの軸馬力に相当するのかという量なので、式右辺第2項の分母の推進効率はプロペラの効率(70-80%)を入れると、時速*km時に推力*kgで軸出力**hp相当となります。
い
- >35,6
コメントいただきありがとうございます。「特」記載の有無についてよくわかりました。
>34 については、ブースト +250 でもなく +185 で毎時 624 キロを実現していた点が個人的に興味深く、紹介した次第です。
逆向春助
- >39
本の紹介、ありがとうございます。
それの戦後版?:航空工学講座2「航空発動機」(1958)、とそれの平成版?:新航空工学講座6「航空用ピストン・エンジン」(1991)は手元にございます。1943年の本も一度読んでみたいものです。パラパラとしか読み返しておりませんが、排ガス推力の記述は見つけられませんでした。
私の>33コメント、即ち、
>>排気の速度、質量流量が一定ならば、その排出の反作用としての推力は一定です。
>が間違っているのですよ。
に対するコメントが欲しかったのですが。。。。
誰にでもミスはあるんですよ。別に、金もらって書いているわけでもないし。自分がその時に正しいと思って書くことに問題はないと思います。ただ、間違ってたと気付いたら訂正するのがエチケットだと思います。
ちょん太
- >37
>38
失礼な物言いだったかもしれません。
お気を悪くされていたら、お詫びいたします。
レシプロエンジンは、ジェットエンジンのようには、前方からの空気の運動量を有効に利用できないのですよ。
気速および排ガス速度をそれぞれv0およびv1とおきます。吸入空気質量および燃料質量をそれぞれ単位時間あたりmaおよびmfとおきます。ご存知のように排ガスの推力Tは、
T = ( ma + mf )v1 - mav0 = mfv1 + ma( v1 - v0 )
です。レシプロエンジンでは出力が一定なら排ガス速度v1は一定です。なので、気速v0が大きくなれば排ガスの推力Tは小さくなります。
燃焼エネルギーは、v1以外にプロペラを回す仕事にも当然使われています。
なお、Airspeedを示すのは、機速ではなく、気速ですよ。
ジェットエンジンではv0が大きくなればv1も大きくなります。レシプロエンジンでは、出力を一定にしようとすると、空気が入り過ぎないようにスロットルをしぼって空気の運動量を無駄に捨てることになります。
ターボジェットやターボファンは、それぞれレシプロ機より高速領域で効率がよくなるように設計されてます。
物理現象を頭の中でちゃんとイメージすることが大事ですよ。イメージできていないのに、ちゃんと理解できていない数式や図表をこねまわしても、まともな結論は導けないです。(これは私自身へのコメントでもありますが。)
ちょん太
- ちょん太さん
ご指摘の件、
>15.はかんちがいで、式も間違いです。
すみません。
排気量と違うのは、4ストロークエンジンでは、排気行程が回転数の4分の1しかないからですね。
計算結果は間違いありません。
基礎的なとこで、ポカを書いてしまいました。
じゃま
- 理解が足りないと言われればそのとおりです。
「い」さん、ちょん太さん、ご教授ありがとうございました。
質問者様、スレッドを無駄に長くして申し訳ありません。
超音速
- だいぶ長くなってきましたので、議論ボードにスレッドを立てたいと思います。
じゃま