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零戦など、WW-2期の日本機のプロペラの翼型が何であったか、ご教示ください。 川崎の造船学会における講演資料を見たところ、 どうもクラークYのグラフの資料が一番充実しており、 陸軍系のプロペラ翼型はコレか、と辺りをつけてた次第でした。 七七四 |
- なお、川崎の造船学会における講演資料は以下のリンク先でした。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjasnaoe1903/1941/68/1941_68_295/_article/references/-char/ja/
PDFの14-15頁にある18-19図において、NACA5868-9(clerk-Y)について、
詳細な資料を提示してありましたので、ご参考まで。
七七四
- 糸川英夫さんが一時期中島でプロペラの設計をやっていたとき、周りがみなクラークY系だったので、キ二十七で自分で設計した翼型のプロペラを作ってみたところ、「回転が出すぎた」と、手記に書いておられたように記憶しております。
方
- ↑わたしです。
片
- 片監督、ありがとうございます。やはり陸軍系はクラークYですか。
クラークYだと揚抗比20も行けば上等でしょうから、
NACA4409とかRAF28とか、もっと揚抗比の高い翼型でプロペラブレードを開発する
人的資源の余裕があれば、日本機におけるプロペラ効率の更なる改良がありえそう、だったんでしょうね。
それこそ、糸川さん、中島を辞めた後、東大に戻らずに日本楽器とか住友でプロペラ開発に専念できれば、
中島層流翼の翼型を活かした高揚抗比(≒プロペラ効率大)のプロペラが日本で量産まで至った、とか…
七七四
- 便乗質問ですが。
キ二七のプロペラは佐貫又夫さんかと思っていましたが、糸川英男さんから交代したとのですか。
層流翼のプロペラってあるのですか。
じゃま
- 佐貫「亦」夫さんね。
糸川さんが書いておられるのでは、中島の社内でプロペラの空力設計を行い、製造は日本楽器に外注した。
その日本楽器から担当者として出ておられたのが佐貫さん。
片
- あ、「男」も違う。
片
- 片さん、ご回答ありがとうございます。
すみません、人の名前が苦手で。
じゃま
- いえいえ、一番最初に自分のハンドル間違えたわたしですから。
糸川さんが書いておられることには、中島社内でのプロペラ設計の前任者は中村勝治さんだった。糸川さんが入社間もない時期(昭和10年頃のはず)に中村さんから引き継いで、それまでのデータもたくさん受け継いだが、クラークYを使うののが常道になっていたようだった。自分は違うことしてみたくてNN27(と記憶)というプロペラ翼型を作って日本楽器に発注してみた。
ちなみに、中村、糸川というと中島では主に空力をやっていた人たちです。プロペラの翼型までは機体設計側が担当していた、ということのようですね。
さらにちなみにいいますと、中島の層流翼は糸川さんより後に入社し、中島海軍機部門の空力担当者となった内藤子生さんによって開発されています。糸川さん自身はあまりあずかり知らないところだったのではないかと思います。
片
- 直径3m、2000rpmのプロペラを考えると、先端でも接線速度は180km/hですね。
層流翼のプロペラはできるかもしれませんね。
じゃま
- 間違いました。
飛行機の速度を忘れました。
プロペラの羽根はとても薄くつくってある。
乱流遷移を早めて、剥離を防がないといけない。
じゃま
- >直径3m、2000rpmのプロペラを考えると、先端でも接線速度は180km/hですね。
あれ?じゃまさん。1131km/hになりませんか?
超音速
- >片監督
知的好奇心を書きたてるレス、記憶を辿っていただきありがとうございます。
https://perilvraaf.wordpress.com/2008/06/28/japanese-airfoils-tora-tora-tora/
上記リンク先によると、中島NN-5翼型は、NACA2200シリーズの発展形らしいですネ。
更に上記資料で言えば、14試艦攻でKシリーズ(層流翼?)を採用した点、かつ糸川先生が東大に戻ったのが昭和16年、という点を踏まえると、
陸軍戦闘機担当の糸川先生であっても、Kシリーズの存在ぐらいは知っていたのでは、
とも思った次第でした。
まぁ、東大に戻ったとしても、谷教授から研究資料を引き継げる環境であるなら、
LB翼プロペラ開発って「妄想」、それなりに面白いかな、とも感じました。
佐貫先生の長期ドイツ出張で、プロペラ改良が滞ったことは事実なんでしょうネ。
七七四
- 超音速さん
計算しなおしてみました。
その通りですね。
ご指摘ありがとうございます。
じゃま
- プロペラのブレードはコード長が主翼に比べて1桁小さいのでレイノルズ数は層流翼のメリットが出る程大きいのでしょうか?
一方、マッハ数は主翼よりも大きいので層流翼断面にすると臨界マッハ数が高くなる分お得です。プロペラの本を読むと、層流翼の発明後、ブレード断面は層流翼断面が採用されることがあるようです。
NACAが圧縮性の問題に取り組むことになったのは、プロペラを高速で回転させた際の圧縮性による効率低下の問題が先で、薄い翼断面がよろしいということになったそうです。
い