1116 「零戦は操縦桿が高速になると重くほとんど動かせなくなる、それに比べて米軍の戦闘機は高速でも操縦桿が軽い。」
と、このような記述をよく見かけますけど

具体的に零戦の高速時、低速時の操縦桿を動かすのに必要な力はどれくらいなんでしょうか?
単に重い軽いという表記ではなく 「○○を動かすときの腕力に相当する力」
「○○kgf」などの具体的な数値やたとえた例はないのでしょうか?
できれば零戦以外にもF4Fなどの外国の機体も教えていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
おでんくん

  1. 「操縦桿が重い」問題とは、特に補助翼の操作で「重い」ことが解決すべき課題として零戦の完成時から改善点となっています。
    ですから、同じ零戦でも、原型の12m主翼と、バランスタブを取り付けた12m主翼では操縦桿の「重さ」は違いますし、16年秋から補強された12m主翼も原型とは微妙に違ったことでしょう。そして翼端を切り落とした11m主翼はそれまで横転時に両手で操縦桿を操作したところを片手でできるようになったと当時の説明資料に書かれています。
    さらに翼端を丸めた11m主翼でも恐らく感触が違ったことでしょう。
    このような傾向は他の戦闘機にも多かれ少なかれあり、それぞれに工夫が凝らされています。その中には零戦の原型主翼装備機より「軽い」ものもありますが、改良された主翼の機体より「重い」と評価されるものもあります。


    BUN

  2. 大御所の回答で数値が出ないとなると、零戦では測定値が見当たらないということでしょうか。

    俗にいうエルロンロックを指しているとすると、それまで引けていたものが引けなくなるということで、背筋力の測定値などが参考になるかと思います。操縦席での態勢を想像すると、腕を屈曲させる力、背筋力も一部利用、足の力も入りそうです。棒の向きは違いますが、短艇のオールを漕ぐ力に近いかもしれません。スポーツに詳しい方だと参考数値を出せるかもしれません。
    とおり

  3. あ、前後は昇降舵でしたね。
    とおり

  4. 速度で違い、補助翼と昇降舵で違い、補助翼なら横転方向で違い、零戦の各型式でそれぞれ違うんですよ。
    BUN

  5. たぶん、こんな数字が欲しかったのでは?

    http://ww2aircraft.net/forum/aviation/hellcat-vs-zero-40782-3.html

    The following roll rates are for the early F6F-3 without spring tab ailerons and using 30 lbs. of force. Figures are from an NACA graph. Figures for the A6M3 model 32 are from an R.A.A.F. graph using 50 lbs. of stick force. Figures given are for left/right rolls at degrees per second.

    Speed:...100.....125.......150.........175......,2 00....225.....250.....275.....300....325.....350.. ...375
    F6F-3:..26/34...40/43....50/52......59/61....66/69..70/76..72/77..69/73..63/61..53/47..42/36..36/29
    A6M3:...80/80...99/94...111/104..120/111..81/95..60/77..51/65..44/53..39/45..36/39..33/35..30/31
    F6F-3:..26/34...39/42....46/49......53/55....59/59..64/63..68/66..69/68..68/67..64/64..61/61..57/57*

    *F6F-3 with spring tab ailerons.
    BUN

  6. >そして翼端を切り落とした11m主翼はそれまで横転時に両手で操縦桿を操作したところを片手でできるようになったと当時の説明資料に書かれています。

    片手で操縦桿をうごかせるほど改善されたわけですか
    零戦の32型というと航続距離の低下などの部分の印象が強くて 改良がうまくいかなかったイメージがあるんですが 操縦桿の動かしやすさは改良がうまくいけたわけですね。
    おでんくん

  7. >BUN殿

    これは各速度でのロールレートで いくらの力で動かしているかも記載されている表でしょうか
    そうです、そういう数値が知りたかったんです。
    ありがとうございます。

    おでんくん

  8. 小福田租さまの「二号零戦は高速時の横転操作が軽快なので空戦で有利」という所見もありますよね。

    一方で、大原亮治さまのインタビューがあります。
    (以下抜粋)「32型はエルロンの操作が21型に比べて重いといわれますが、それは速度を重視しているからで欠点ではありません。52型は32型の翼端が丸く成型されたもので、エルロンの面積が減ったため操舵自体は軽くなりましたね。」(抜粋終了)

    小福田租さまの所見には「高速時」とありますので、大原亮治さまの見解は低い速度域での比較という事なのでしょうか。
    たーぼふぁん

  9. この表にある50lbs.は言葉で表現されると「ちょっと重い」辺りで、70lbs.位になると「かなり重い」、それ以上だと「非常に重い」という感じで、30lbs.あたりだと「軽い」と表現されるようです。
    BUN

  10. この表で、零戦の得意なはずの左ロールが、高速域ではむしろ右ロールより遅くなる理由は何なのでしょう?
    だご猫


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