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日本海軍艦上機の機番号についての質問です。 母艦航空隊の場合、艦戦は100番台、艦爆は200番台、艦攻は300番台の機番号が 割り当てられることが多いですが、いずれの機種も母艦一隻あたり18〜27機前後 の搭載定数に対して、下2ケタが40〜50番台の機体が写真でも幾つか存在します。 例を挙げると、「女学生全日本號」で有名な九九艦爆「AII-256」号機は、操縦の 山川新作氏の著書を読む限り、真珠湾攻撃時に「加賀」艦爆第三中隊三番機として 出撃しています。小隊や中隊ごとに番号を整理していたようには思えません。 このような機番号の振り方には、何かルールが存在したのでしょうか。 D4Y |
- 実施部隊では尾翼に描かれる呼称番号について、何々機の機体番号(製造番号のこと)何号機を何号機としたと報告する必要があります。ある呼称番号の機体が失われたか航空廠に還納された場合にその番号を引き継ぐ際には機体番号何号機がその番号を襲名したことを報告します。
従って原則的に番号の重複は許されないので定数以上の数字を持つ場合があります。
そして質問のように呼称番号による中隊などの区分を行う場合もあり、何中隊は何十何号機から何十何号機までの番号を使う、といった形で振り分けている隊も存在します。
また、機種改変などで大規模な機体の入れ替えがあった場合には欠番を補うだけでなく全機の番号を振りなおすこともあります。
よく言われるような縁起を担いで下一桁4番を避ける例も一部にはありますが、同じ隊内で同時期に機種によって4号機が存在したり、しなかったり、といった例もあります。
呼称番号にある程度の規則性を設ける場合もあれば、単純に連番で振っている場合もあるということです。
BUN
- ありがとうございます。
番号の振り方や損耗時の対応は現場に一任されていたのですね。
文献で末期の芙蓉部隊の搭乗割を見ましたが、零戦、彗星、二式艦偵で番号がてんで
バラバラ、機種毎に分けられておらず、定数以上の機体番号が振られた機もありました。
とりあえず、(尾翼番号)何号機は何中隊の何番機として誰が搭乗、というのが出撃
の際に分かればいいのでしょうね。
D4Y
- 呼称番号は本来なら無くても構わない番号です。
機体製造番号で十分代用できるからですが、機体製造番号は桁数が多く頭に製造元の略称が付いて扱い難い上に、異なる機種で番号の重複もあり得るものです。
そこで、桁数が少なく判りやすい呼称番号を用いる訳です。
そして細かい話ですけれども、尾翼に描かれる番号は呼称番号だけではなく、単に機体製造番号の末尾などを応急的に描くこともあります。
ですから何の番号であっても尾翼に描かれているから尾翼番号と呼んでしまうとおかしなことになってしまいます。
BUN