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連続での質問お許しください。 ソ連 木製機について。 ヤコブレフなどのソ連木製機は、パネルラインがありませんよね。 木製だからパネルラインがないとの事ですが、金属製でもパテ埋めすればパネルラインなくなりますね。(うろおぼえですが、たしか空気抵抗低減のためにパテ埋めした金属機があったと思います。) 木製はパネルラインがなく、金属製はパネルラインがある。 この違いはどのような事からくるのでしょうか? ご見識をお持ちの方、よろしくお願いいたします。 たーぼふぁん |
- 木製外皮の機体は表面に布を被せて仕上げる場合が多くあります。
これは外板の強度を上げる目的もあってのことです。
金属製外皮の場合は機体全体にパテ仕上げをする場合もありますが、主翼前縁付近だけ実施する場合もあります。
BUN
- >BUNさま
ありがとうございます!
木製機は布を被せているからパネルラインが隠れるわけですね。なるほどです。
たーぼふぁん
- とくにYak−1やYak−3の木製部分について知りたいのですが、木製の上に被せる布は、通常の羽布と同様にドープで塗り固めていたのでしょうか?
また、さらにその上からアルミニウム系の塗料で銀に仕上げた後、通常の塗装という手順なのでしょうか?
木→布→ドープ→銀塗装→(下地塗装あり?なし?)→色塗装
でしょうか?
たーぼふぁん
- 世傑No156(第2次大戦ミグ戦闘機)より抜粋
「合板は厚さ0.5mmの薄い板を木目が45度に交差するように5枚張り合わせたもので、内側は腐食防止のため布を張ってドープをかけ、外側も布でくるんだ上から油性塗料を塗って保護している。」
超音速
- >超音速さま
ありがとうございます!
>外側も布でくるんだ上から油性塗料を塗って保護している。
という事は、外側はドープをかけずに布に直接塗装していたという事ですね。
たーぼふぁん
- 世傑No156(第2次大戦ミグ戦闘機)より抜粋
「合板は厚さ0.5mmの薄い板を木目が45度に交差するように5枚張り合わせたもので、内側は腐食防止のため布を張ってドープをかけ、外側も布でくるんだ上から油性塗料を塗って保護している。」
超音速
- >5
ドープと油性塗料は本質的に別種のものです。
わかりやすく模型用塗料でいうなら、ばそれぞれラッカーとエナメルに相当する、といってもよいところです。
普通一般に航空機用塗料としては、布、金属には繊維素系ラッカー、木製部品には油性塗料系ワニスやペイントが使われることが多いです。
繊維素系ラッカー塗料では溶媒が揮発して溶質であるところの樹脂上皮膜が残るのに対し、油性塗料は液体成分まで含めた全体のかなりの部分が固化して塗膜を形成します。
したがって、油性塗料の方が塗膜が分厚くなりやすく、このため一般には航空機には使われないのですが、この場合は木製外面を滑らかに均す目的もあって使われているのではないかと想像します。
片
- ×樹脂上皮膜が残る
○樹脂状のものが皮膜として残る
片
- 同じく木製部品であるシュワルツ式被包プロペラ(九一式戦闘機など)も、木の上に金網を張った上に酢酸繊維素系樹脂(ドープと同じ系列です)でガチガチに盛って整形されています。
木製機のピアノみたいと例えられるように、木を心材としてその上に分厚くコーティングして表面を平滑に完成させることは、近代的木製機では一般的なことだったのです。
片
- >片さま
ありがとうございます!
>この場合は木製外面を滑らかに均す目的もあって使われているのではないかと想像します。
>木を心材としてその上に分厚くコーティングして表面を平滑に完成させることは、近代的木製機では一般的なことだったのです。
なるほどです。
という事は、4.のご回答の
>外側も布でくるんだ上から油性塗料を塗って保護している。
この、布に塗装される油性塗料というのは色塗りを兼ねたものではなく表面コーティングのみを目的にしたもので、色塗装はさらにその上から行われたという事でしょうか?
木→布→油性塗料→色塗り
ですか?
たーぼふぁん
- 兼ねてるのかもしれません。
油性塗料のは無色のワニスと有色のエナメルがあります。
片
- 油性塗料がどんなものであるかよりも、そもそも記事上の「油性塗料」という言葉自体が何かを間違えて使われているのではないでしょうか。
BUN
- >BUNさま
>油性塗料がどんなものであるかよりも、そもそも記事上の「油性塗料」という言葉自体が何かを間違えて使われているのではないでしょうか。
それは具体的には、どのような事でしょうか?
たーぼふぁん
- 単純に油性塗料を水性塗料でない何か、といった程度に考えている場合です。
BUN
- 以前から「九六戦や零戦の機体に『ワニス』を塗っている」という記事も見受けられて来ましたから、さもありなん、という感じもします。
片
- 15.片さま>
それはつまり、よく聞く『九六艦戦は防錆用にワニスを塗っている』という話は、実際には違ったという事でしょうか?
たーぼふぁん
- 九六戦外面のような超ジュラルミンには「油性塗料」であるワニスは塗りません。
これはちゃんと規定が残っているので分かっている話なのですが、ベンジルセルロースの透明ラッカーが塗ってあったのです。
片
- ジュラルミンの地肌に透明の軽金属用特殊塗料を塗って保護することは機種を問わず一般的に行われています。無塗装と解説される機体にはこうした塗装が為されているものが多数あるということです。そして塗料の変色が著しいとの問題意識も当時からあり、改善策が研究されています。「何とかしたい」との報告が残ってるためにそれが確認できるのです。
BUN
- 片さま>
BUNさま>
ありがとうございます!なるほどです。
17.18.を拝読いたしました上で、また質問なのですが、
ベンジルセルロースの透明ラッカーは『無色』の透明だったのでしょうか?
もし無色の透明だとすると、有名な『金色の九六艦戦』は、18.のコメントにありますような"塗料の変色"(透明ラッカーの変色)によってそうなったと考えるのが妥当なのでしょうか?
たーぼふぁん
- 完全に無色の透明ラッカーを作り出せる力は当時の日本の化学工業会にはありません。
はじめから淡黄色を帯びており、使用するにつれさらに黄色が濃くなっていきます。
片
- >20.片さま
ありがとうございます!とても勉強になります。
たーぼふぁん