1095 |
20o機関砲は射程が短く12.7o機銃は長かったし装弾数も多かったというのが常識です。しかし実は装弾数はともかく射程は20oのほうが長かったという話が最近の本に出ていました。ションベン弾と呼ばれていたイメージとはかけ離れています。いったいどちらが正しいのでしょうか? 40oロケット砲 |
- どこの国のどの機銃のことであるかわからなければ回答できかねます。
超音速
- ションベン弾、20mm機関砲、12.7mm機銃という組み合わせから考えると、零式艦上戦闘機に搭載された機関銃のことを仰っておられるのではないかと愚考致しております。
その想定が正しいとして、少し検索をかけてみたのですが、射程がどの程度のものでったのかは分かりませんでした。ただ、地上でならともかく、空中で発射されるものがどこまで飛んでいくかなどというのは、発射高度(大気の密度が異なります)、発射角度等で随分と変わってくるものであり、あまり意味がないのではないかと思っております。
ただ、
http://www.b-b.ne.jp/cgi-bin/kaigun/bbs2/kaigunbbs.cgi?no=443
こちらのページによりますと、紫電改の20mm機関砲(2号銃ですので、ションベン弾ではありませんが)は、翼内銃の弾道交差点が200mだったそうです。もし、この200mが命中させるための実際的な射程であるのならば、おそらく7.7mm機銃のほうが「射程」は長かったのではないかと思っております。
しかし、同一条件で発射した際、もし、20mm機関砲のほうが遠くまで到達するのなら、その本の記述は矛盾いたしませんし、どちらも正しいということになります。
門外漢で、専門知識も何もございませんし、その本の記述がどうなっていたかも存じませんが、「射程」という言葉の意味の捉えようではないでしょうか。
hush
- ご質問の件に関しては、航空機用火器の「射程」ではなく「一定距離での集弾性(命中精度と解釈してもよい)」の事を指していると解釈するのが良いでしょう。
銃砲について一定の知識のある方なら分かると思いますが、単に「射程」が長くても「集弾性」が悪ければ命中せず、役に立たないのです。
この事に気づかずに、火器のカタログデータだけを頼りに調べているとご質問の件の様に「零戦の20mm機関砲は米軍機の12.7mm機関砲より射程が長いのに、何故ションベン弾と言われるの?」と言う大ボケをかます事になります。
瀬戸の住人
- 済みません。
こちらから質問者の40mmロケット砲さんへ逆質問したい事があるので、もう一つ。
質問の件に出ていた、20mm機関砲と12.7mm機関銃の話が出ていたと言う「最近の本」とは、2015年8月に出版された「零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか」(清水 政彦、渡邉 吉之・著、宝島社)でしょうか?
もしよろしければ、上記の件についてお答え頂けますと幸いです。
瀬戸の住人
- そうです。立ち読みしたので詳しく覚えていませんがたしかその本だったと思います。従来の20o砲無能論をひっくり返すお話しでした。
40oロケット砲
- ということであれば、その本の筆者の言う「射程」と「型式」が何を指しているかが問題ですね。
「最大射程」なのか?
「有効射程」なのか?
「実践で使えた射程」なのか?
「1号銃」と「2号銃」は別物ですからどちらを指しているのか?
そこらへんが曖昧だと3で瀬戸の住人さんが回答しているようにとんでもないことになります。
なにはともあれ、筆者がどのような想定で執筆なさっているのか分からない限り、回答は永遠にでないでしょうね。
Tokyo-Rose
- うーむ・・・とーしろには難しい話ですね。しかしあの坂井三郎氏のような撃墜王があまり信頼していなかった等のことを考えるとやっぱり無用の長物だったのかもしれませんね。坂井三郎氏は専ら7.7o機銃を使った、機体では無く操縦士の頭を狙ったという話はあながちうそではないのでしょうね。
40oロケット砲
- 40mmロケット砲様、回答ありがとうございました。
「零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか」については、私もしばらく前に立ち読みしかしていませんが、近い内に入手する予定ですので、その時に何か分かったら、ここか議論ボードで書いてみたいと思います。
瀬戸の住人
- そーですね。瀬戸の住人様よろしくお願いします。ところで我が40oロケット砲は鍾馗に搭載されB29の迎撃に大活躍したとありますが実際はどーなのでしょうか?
40oロケット砲
- >7
無用の長物のわけはありません。さまざまな空戦記を読む限り、坂井さんのような主張は少数派に感じます。
以下は、とあるエースパイロットの回想記です。
(前略)・・・P39は私の照準器にいっぱいになった。
私は引き金を引いた。ところが、二○ミリ機銃が出ない。七・七ミリだけが豆鉄砲の
ような音をたてて発射されていく。
「チェッ」
と私は舌打ちをしたが、あまりにも近い距離の目前の好餌につられ・・・(後略・引用おわり)
戦闘におけるそれぞれの機銃の実相がよく現れている個所だと思います。
とおり
- 随分時間が経ってしまいました。(現在、2015/10/16・23:26)
ようやく「零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか」を入手して一読しましたが、かなり読みづらい内容で苦労しました。
結論としては、零戦用の20mm機銃(形式については明記なし)の弾丸には
「榴弾は瞬発信管なので機体表面以外の威力は不充分」
「徹甲弾には火薬があるのに信管が無い」
「焼夷通常弾は瞬発信管なのと炸薬よりも焼夷剤が少な過ぎるという設計ミスで、焼夷効果が無い」
と言う欠陥がある点や、零戦に搭載された九八式射爆照準器のレクティルデザインが大きすぎて、操縦席から見た場合、反射ガラスに充分映らないと言う問題があるとか書かれていましたが、20mmと12.7mm機銃の射程に関する議論は特になされていないようでした。
瀬戸の住人
- 続きです。
>9 随分遅くなってしまい、申し訳ありません。
お名前の件、ホ301・40ミリ機関砲(実態はロケット弾を銃身内で加速させるロケット機関砲)の事ですね。
この機関砲を搭載する二式単戦二型乙に関しては「丸」2014年9月号(潮書房光人社/刊)の特集記事でBUNさんが解説している所によると、B-29が夜間低高度焼夷弾攻撃を始めてから、数少ない熟練搭乗員が本機で夜間出撃した結果、関東地区の防空に当たる第10飛行師団から増備要求が行われる程の評価を得られたとの事なので、それなりの戦果はあったようです。
もっとも二式単戦は、この時期に当たる昭和20年春に四式戦に取って代わられて生産中止になっていますし、B-29が昼間高高度爆撃をしていた頃は高高度性能の不足で余り役に立っていないようですが。
また、同じく「丸」2014年9月号に掲載された、二式単戦装備の飛行第70戦隊員へのインタビュー(堀場亙、語り部・鈴木節佳、中村和雄)によると「まして『鍾馗』の四〇ミリ噴進砲ではまともに飛ぶのは五〇メートルほどしかなく、これをB-29に当てようというのは自殺行為にも等しい(当たれば確かに効果はあったが)」とも書かれています。
瀬戸の住人
- 続きの最後です。
>10
その「エースパイロットの回想記」とは、どんな本でしょうか?出典元を明かされない様では、信憑性に疑問符を付けざるを得ません。
あと、これは余談ですが、光人社から2001年に出版された「海軍航空教範 軍極秘・海軍士官搭乗員テキスト」(押尾一彦/野原茂・編)によると、零戦が装備した九七式7.7mm固定機銃に関して、故障の原因、修理処置について二重給弾など複数の現象が触れられており「以外と故障が多かったことも判明した(引用書138ページより)」と書かれています。
更に、渡辺洋二氏の著書「大空の戦士たち」(朝日ソノラマ文庫版新戦史シリーズ45、1991年)所収の「零戦隊、重慶上空で初空戦」によれば「懸念された九九式二〇ミリ一号機銃の故障は少なく、逆に信頼性十分なはずの九七式七・七mm機銃に不具合が続出した。白根中尉(註・後に紫電装備の戦闘701飛行隊長としてフィリピンで戦死する白根斐夫大尉の事)のみ撃墜が得られなかったのは、はやばやと二〇ミリ弾を使い果たし、同時に七・七ミリ機銃が故障したためである」と述べています。
つまり、今日のイメージとは異なり、零戦の九七式七・七mm機銃も割と故障する事はあった様です。
ちなみに「大空の戦史たち」によれば、重慶での零戦初空戦の際、原因不明の理由で1発も20ミリ弾を撃たなかった1機(山下小四郎空曹長機)と片銃が故障した1機(末田利行二空曹機)を除く11機の零戦は、早期に二〇ミリ弾を全弾(本来1銃につき60発の所、55発を装填)撃ち尽くしたそうです。
あと、坂井三郎氏の零戦の20mm機銃の評価については、本掲示板過去ログにあるこの記事も参照するとよいと思います。
【参照元】
http://www.warbirds.jp/ansq/1/A2001473.html
瀬戸の住人
- >13
レスをいただいていたとは気づかず失礼しました。
回想記についてはいろいろ読まれればそのうちありますよ。信憑性うんぬんをいうまえに、ご自分で試してみることを薦めます。
なお、11〜13は結論がわかりません。少なくとも私の記憶では20mmを無用の長物などと評している方はありません。ではなにが悪いかというと特に60発装備機の、要は携行弾数の少なさです。トータルで7秒程度レバーを握ればもう上記の回想記のような状態になってしまうわけです。そうなってしまってはまさに「ちぇ」であり、その場合弾の出ない20mm砲など「無用の長物」でしょう。おそらく坂井さんも何度もこういう思いをしたのではないかと類推します。
また7.7が良かった点は機首装備であることで、翼装備よりははるかに当てやすいのです。一式戦の12.7も当てることに関しては回想記での評判がよいように感じます。
とおり
- >14
返信どうもです。
回想記に関しては、機会がある時に捜してみましょう。
11〜13のレスについて(結論が不明と言う件)ですが、11と12は9のレス(40mmロケット砲様)への返信です。この点は説明不足でした。
13に関しては、10の回想記の内容から「九九式一号二〇ミリ機銃は故障しやすい」ととおりさんが思っていらっしゃると解釈した為、現実には九七式七・七mm機銃も故障する時は故障するよと言う指摘をしたのですが、14のレスでそれが自分の勘違いだと分かりましたので、お詫び申し上げます。
九九式一号二〇ミリ機銃の装弾数の少なさと機首機銃の命中精度の良さに関しては同意します。前者に関しては坂井三郎氏も指摘されている様ですし。
瀬戸の住人