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第二次大戦期に作られた様々な双発機の中でも、P-38はとりわけユニークな姿をしている様に思います。逆に言うと、同じ様な機体を他に思い付きません。ドイツなどは奇矯と言いたくなるほどユニークな姿を持つ機体を多数試作していますけれども、調べてみた範囲では、P-38の様な姿をしたものは見付けることができませんでした。 何故でしょうか? あの形には、思い付いたとしても採用したくない程の、あるいは模倣もしたくない程の、致命的に不利な要素があったのでしょうか。もしそうであれば、逆にロッキード社があの形を採用した理由がわからなくなってしまいます。 ご教示いただけましたら幸いです。 ずっきーに少尉 |
- ドイツだとFw-189とかはどうなのでしょうか?
アメリカにもP-61がありますし、歴史的にももっとさかのぼれます。
P-82やMe109Zのようなプランと並んで、ある種最適解に近いもののひとつではないかと思うのですが。
片
- 片様、ご教示ありがとうございます。P-61は知っている筈なのに失念しておりました…。そしてやはりと申しましょうか、同様のものはドイツにもあったのですね。
それにしても、致命的に不利どころか、それこそ奇矯なアイディアにさえ見えるP-82やMe109Zと並んで「最適解に近いもの」というのは意外なお話でした。確かに、日本の二式複戦などが苦しめられたというナセルストールも、これなら起こることはなかったであろう様に思われます。
最後に、単なる私の無知で貴重なスペースを浪費してしまい、申し訳ありませんでした。
ずっきーに少尉
- その他、オランダのフォッカーG.1、イタリアのサボイア・マルケッティSM91、ソ連のスホイSu−12、アメリカのヒューズXF−11、フェアチャイルドC−82/119、ロックウェルOV−10などがあります。
三角野郎
- 昔の航フか世傑に「この形状にすることによる性能向上やメリットは特になく、おそらく当時のロッキード社が奇抜な形で軍の注目を集め採用されやすくするのが狙い」と書いてありました。
私は普通の双発機の形状にしていたらどの程度性能が変わったかに興味があります。
トロッター
- >奇抜な形で軍の注目を集め採用されやすくするのが狙い
世傑は持ってますけど、奇抜な形が結果的に注目を集めたのは事実ですがそれを狙って設計したとは書いてありません。旧版は知りませんけども。
世傑では内部配置を合理的にできた点を評価してますが、空力的なメリットは書かれていません。
ここからは私見ですが、胴体は2つより1つのほうが表面積が少なく抵抗も少ないはず。そのためと尾翼のバフェットに最後まで悩まされた点で空力的メリットがあるとは思われて無いんじゃないでしょうか。
性能に及ぼすメリットとしては、主翼にかかる荷重が分散され強度上有利で、これによって主翼を高アスペクト比とすることができた点があると思います。
超音速
- 4&5>
P-38を扱った世傑No.30と131を持っている者ですが「奇抜な形で軍の注目を集め採用されやすくするのが狙い」と言う記述は無かったと思います。
ちなみに、世傑No.30の機体解説で牧英雄氏が述べている所によれば、P-38の双胴形式について次の様なメリットを挙げています。
1.エンジンの後方にターボ過給器や冷却器、主脚等が無理なく収められ、通常の双発形式よりも前面投影面積が少なくて済むのが最大のメリットであろう。
※前面投影面積の小ささは、空力面のメリットでもありますから、この点、超音速さんの意見とは異なる見解になっています。
2.中央ナセルとしたのは、エンジンやプロペラに関係なく、機首に重武装を集中できる利点があった。
これだと、翼装備の様に翼の補強もいらず、燃料タンクの配置に苦労する事も無く、更に横軸線に近いから射線にブレがなく、命中精度が格段に高くなるのが魅力だった。
また、P-38の設計に当たっては、通常の双発形式の他、エンジンを胴体内に配置して延長軸で主翼の牽引または推進式プロペラを駆動する案に加えて、双胴形式でも日本海軍の局地戦闘機・試製閃電の様な中央ナセル前後にエンジンを配置する案、P-82ツインムスタングの操縦席の片方を外した様な案が検討されています。
あのP-38の双胴形式も、その様な試行錯誤の結果として生まれた物なのです。
瀬戸の住人
- 自分はP-38について特に詳しい訳でなく、また専門書などを持ってる訳でも無いので大変恐縮ですが、
P-38のような形状にした場合は双発機によくあるナセルストールを軽減できるとか、そういう事はないでしょうか?
みいつ
- ごめんなさい、ナセルストールは>>2で書かれていましたね。
出直してきます・・
みいつ