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機首の先端形状と空気抵抗について。 私は、機首の先端は尖っていれば尖っているほど、空気抵抗は小さくなると思っているのですが、この認識は正しいのでしょうか? 超音速戦闘機ともなれば、機首はやはり尖っている事がほとんどですが(機首にインテークがあるものは除く)、亜音速の機体はどれもやや丸みのある機首である事が多いですよね。 また、レシプロ機であってもスピナーの形状が尖っているものもあれば丸いものもありますよね。 尖り P-40 飛燕 他 丸い Me-109 他多数 レシプロ機や亜音速機では、機首の鋭角さの若干の違いなどは無視できる程度の問題なのかもしれません。だとしたら、尖っていても多少丸くてもどちらでも構わないのでしょうが、たとえ高速を要求しなくても空気抵抗が小さいに越したことはないですよね? だとしたら、あえて抵抗を大きくする必要はないわけで、飛行機は低速の時代から可能な限り機首は尖っているに越した事はなかったはずだと思うんですよね。 でも実際にはそうではなかったという事は、丸い先端には意味があってあえてそうした、あるいはその速度域では尖っている事のデメリットがあった、としか考えられないのですが、そのあたり詳しい方のご意見をお聞かせください。 たーぼふぁん |
- このあたりの説明でいかがでしょう?https://www.nmri.go.jp/eng/khirata/fish/experiment/upf2001/body_j.html
片
- 片さん>
いつもどうもありがとうございます!
そのページを読んだところ、流れに対して傾く場合、丸い先端の方が抵抗が少ないという事ですが、そうなると今度は逆に、
P-40や飛燕ではなぜ尖らせたのか?
という疑問が出てきました。この時代の他の機種のスピナーと比べると、ちょっと尖りが鋭いですよね?
たーぼふぁん
- 「機首の先端は尖っていれば尖っているほど、空気抵抗は小さくなる」というところではご理解いただけたと思います。
三式戦もP-40も当時の液冷戦闘機一般からすれば標準的な形状なのではないでしょうか。
当時のNACAの実験では、スピナーのこの程度の尖り・丸みでは、抵抗減少上の効果にほとんど差が出ていません。
片
- 片さん>
なるほど!
納得です。
どうもありがとうございました!
たーぼふぁん
- 既に納得されたようですが補足。
ハミルトンとかカーチス電動プロペラは、ハブ先端から油圧筒やモーターが突き出しています。これらを収容し、なおかつスピナーから後ろのエンジンナセルと連続したラインにしようとすると自然に尖ったスピナーになると思います。
いっぽう大戦後半のドイツ機(Bf109のF以降など)の丸いスピナーは、やはり抵抗減少を狙ったものでしょう。
>3.当時のNACAの実験では、スピナーのこの程度の尖り・丸みでは、抵抗減少上の効果にほとんど差が出ていません
飛行機が高速化してくると設計者たちは、この「ほとんど差がない」を「わずかながら差がある」という受け止め方になってくるんじゃないでしょうか。
大戦末期の米軍試作機でも、ブリュースターXA-32・ダグラスXA-26・ダグラスBTD・グラマンXF7Fといった空冷機を見ると、太い直径で先端の丸いスピナーが一時的に流行しているようです。
まあでもこれらは量産機になるとエンジン冷却不足でスピナーをはずしてしまったものの、性能はあまり変わらなかったりして、結局は「ほとんど差がない」という結論に落ち着くんですけども。
超音速
- 空冷発動機の機体の場合は、スピナー先端からカウリングまで含んだ流線を一体として考えるわけで、そのとき必然的にスピナーの断面形変化の度合いが大きくなりますから丸みを帯びることになります。
液冷の場合はその反対なので尖るわけです。
「当時のNACAの実験では、スピナーのこの程度の尖り・丸みでは、抵抗減少上の効果にほとんど差が出ていない」というのは、グラフの曲線がほぼ一致していて誤差程度のわずかな差も見つけにくい感じです。
ただこれは、液冷ナセルの場合の実験ですので、ほかにまで広めて考える根拠とはしないでいただければ、と。
片
- なるほどすいません。拡大解釈は駄目ですね。
そうするとドイツ機の大型半球状スピナは何なのかという疑問が出てきますが、まあ自分で考えてみます。
超音速
- 超音速さん>
補足ありがとうございます!
Me109はモーターカノンを搭載する都合とかはスピナー形状に関係しないのでしょうか?
たーぼふぁん
- モーターカノン対応でプロペラハブが太くなり、スピナも太くなったということもありそうですけど、Bf110GとかMe210/410とかも太いスピナですからね。
超音速
- 110、210/410は単に109と部品を統一しているだけではないでしょうか。
DDかず