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まれにみうけられる「戦略戦闘機」という言葉は定義化されたものなのでしょうか? ぼら |
- 戦略戦闘機とは、定義どころかまったくの形容矛盾です。
BUN
- どの程度公式に定義されているかはわかりませんが、1950年代のアメリカ合衆国では、strategic fighterという語は使用されていました。
ウイキペディアで申し訳ないのですが、英語版のF-101の解説には、
In late 1952, the mission of the F-101 was changed from "penetration fighter" to "strategic fighter", which entailed equal emphasis on both the bomber escort mission and on nuclear weapons delivery.
とありますから、「長距離爆撃機の護衛と核攻撃の双方が可能な戦闘機」を、戦略爆撃機と訳すことは、いいのではと思います(その後、この双方の任務を適切に達成できるかについては、様々な問題が出てくるわけですが)。
また、50年代の米空軍には、strategic fighter Sqodronや、strategic fighter wingがありましたから、これらの部隊に配属された戦闘機(F-84など)を、戦略戦闘機と呼ぶことも、あながち間違いとはいい切れないでしょう。
カンタニャック
- ごめんなさい。Squadronですね。
カンタニャック
- 重ねてごめんあさい。
×「長距離爆撃機の護衛と核攻撃の双方が可能な戦闘機」を、戦略爆撃機と訳すことは…
○、「長距離爆撃機の護衛と核攻撃の双方が可能な戦闘機」を、戦略戦闘機と訳すことは…
なんともはや。
カンタニャック
- そうした名称はSACの設立に絡んだものですから「だから戦略戦闘機という概念が存在する」という話ではありません。
ならばtactical Fighter Squadronからtactical Fighterを切り取ったらどう訳すのか、ということにもなってしまいますので、訳語としてもあまり適切ではないでしょう。
BUN
- 現実についてはBUNさんんの、おっしゃる通りでしょうが、それが見果てぬ夢であったにしろ、草創期のSACは「戦略戦闘機」がほしかったのではないでしょうか。
実際のSACの部隊名称については、「戦略戦闘機スコードロン」と訳すと誤解と混乱を招きやすいことには同感ですが、じゃあどう訳すかというと「戦闘機」ではなく「戦闘」にするぐらいしか、思いつきません。そういう意味での「あながち間違いとはいい切れない」という弱気の発言です。
カンタニャック
- strategicはfighterにかかるのではなくfighter squadronにかかるのです。「戦略空軍戦闘飛行隊」とした方が実態に近いでしょう。
実際の部隊名とは別にstrategic fighterという言葉はWW2時代のP-51部隊に対する一つの「尊称」として使われることがあります。それは空軍が独立軍である根拠であるところのstrategicな部隊の方がtacticalな部隊よりも「高度」で「貴重」という認識があるからです。
そんな空気の中で戦後の予算縮小、部隊削減時代にSAC所属の戦闘機隊にstrategicを冠することでこの部隊はtacticalな存在ではなく、strategic bombingに不可欠で容易に削減し難いものである、との意思を示している部分も無きにしもあらず、です。
BUN