774  流星の量産が縮小され紫電改の量産拡大とされた事情を教えてください。
えりついん

  1. 昭和19年10月、国内の航空機生産を4万機として陸海軍それぞれ2万機ずつを生産するとして、その内訳を軍令部が示したものでは、流星は800機。
    紫電改は6500機。

    昭和20年1月のその改訂版として挙げられているものでは、流星数が空白になっていますが、それ以外の海軍機の合計が19200機しかないところを見ると、流星はやはり800機だったではないかと思います。
    ここでは紫電改は11800機ですが、かわりに零戦4000機を取りやめることになっています。

    昭和20年4月の再検討では、零戦1800、紫電改3400、流星300。
    ここまでは流星の総体的ポジションはそれほど下がっていません。

    これ以降の時期では、攻撃方法の特攻偏重加速、戦闘機への重点化、さらに流星の生産施設の空爆による破壊が加わって両者の差は開いてゆきます。




  2. 戦争末期の軍用機生産計画中で流星の位置づけは時期によって揺れています。昭和20年1月11日 「20年度飛行機生産に関する軍令部要望処理」では

    「3. 艦攻爆 
    (イ) 天山は速やかに生産を終息す 
    (ロ) 流星は銀河の生産を補う程度とし生産を縮減す」

    とされ、単発攻撃機、爆撃機の優先順位を下げて紫電改など他の重点機種の生産を強化する方針が打ち出されていますが、そのすぐ後の昭和20年3月24日「昭和20年度上半期飛行機生産要求変更に関する件照会」では

    「1. キ46IVの生産予定を取止め試製流星の生産を続行す 
     2. 零式戦闘機の一部を金星発動機装備とし零式戦闘機生産量確保に努む

     理由

     1. キ四六中止
     (イ) 夜戦として疑問の点多く改造を要すること多し
     (ロ) 三菱の生産予定は八月以降となるを以て当面の戦力化見込無し
     (ハ) 夜戦は現用の銀河を以て代用す 銀河の代機を流星増産にて補う」

    として今度は増産方針に変わります。
    爆撃機生産を銀河に集中するために同じエンジンを用いる流星の優先順位を下げ、機種選択が二転三転する改造夜戦のベース機が再び銀河に戻って来ると、今度は銀河の不足を補うために流星の増産が求められます。
    同じエンジンを使う銀河の都合でその補助的存在と考えられている流星の優先順位が揺れている、ということです。

    軍需省航空兵器総局が統轄する陸海軍機の生産計画の中で見るとこうした「揺れ」が見えづらくなりますが、陸海軍への生産リソース分配を主眼に立案される軍需省計画が決まってもその完全実施は困難で、陸海軍ともに軍需省に対して「この機種を優先したい」「こちらの機種を絞って他にリソースを向けたい」といった要望を出している、ということです。
    BUN

  3. まちがってた。
    昭和20年1月流星数空白はやはり「ゼロ」ということでした。
    足らない800機は練習機の分でした。
    たしかに盛んに減らされたり、また戻したりしてますね。


  4. 流星って愛知航空機でしたっけ?地震の影響とかもあるのではないでしょうか?
    Alphabette

  5. この頃の流星は不具合続きで大量生産どころの話じゃないんです。21空廠での生産も決まっていますが、命じられればどんどん完成、といった状態とは程遠い感じです。
    BUN


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