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「撃墜」「墜落」などの言葉は航空機が発明されるた後に作られた造語なのでしょうか? キチヌ |
- 「墜落」は高いところが物や人が落ちるという意味の一般的な漢語です。
「屋根から墜落」「枝から実が墜落する」というような古くからの用例があります。
片
- 「撃墜」は世界大戦中に英語直訳で出現したのではないかと思います。
BUN
- 「日本国語大辞典」によりますと「墜落」の初出は1883-4年刊行の「経国美談」、「撃墜」のそれは1938年の「作戦要務令」ですので、1、2で両碩学のお書きになられた通りではないかと思われます。
hush
- 「墜落」も「撃墜」も、実際の初出はまださかのぼれそうです。
「墜落」は明治になって西洋の物理学を翻訳するときに使われていますから、ひょっとしたら江戸時代までさかのぼれるのかもしれませんが、よくわかりません。
「撃墜」は、BUNさんがおっしゃるとおり第一次世界大戦の航空戦の紹介として、昭和一桁にすでに使われています。
片
- 関連質問です。
撃墜が、近年の造語なら
Q1.「不時着」は、何時頃作られ、使われ始めたのでしょうか?
Q2.「落着」が「一件落着」ではなく「落着事故」などで使われるようになったのは
何時頃でしょうか?(「日航123便落着事故」の記述を読んだ記憶があります)
また
Q3.撃墜、墜落と不時着の定義の違いがよくわかりません。
例えば、
「日航○○便は、エンジントラブルで△△空港に不時着した」
は不時着でいいとして、
「プロエステ空襲でB-24隊は、54機撃墜、26機不時着で基地に帰投できたのは99機のみ」
だと撃墜との区別が曖昧(被弾が原因で飛行継続不能になり、自軍の勢力圏外の飛行場以外の
土地に接地して全損に帰している点では撃墜と同じなので)になってきます。
以前、軍艦の撃沈と大破着底の関係について質問した時は、
http://ansqn.warbirds.jp/logs-prev/B001/B0003097.html
>両者に明確な区分はなく、記述者の主観による部分が大きい
との回答をいただきましたが、該事例も同様(被害を過少に見せたい等)なのでしょうか
2013.5.03.18:55記
NG151/20@明日は出勤
- 「撃墜」は世界大戦中に欧州の戦況を伝える文書の中にも見られます。
大正6年の臨時軍用気球研究会の報告中に「仏独両著名飛行家並『撃墜』飛行機数」として出て来ますので、単純な想像ですがshot downの直訳ではないでしょうか。
>5
「不時着」は不時着陸の短縮ですから大正10年頃には既に使われています。
「落着」は一般的に用いられる「落着」とは別に墜落、不時着の総称として「撃墜」などよりかなり後に生まれているように思います。
「プロエステ空襲でB-24隊は、54機撃墜、26機不時着で基地に帰投できたのは99機のみ」
これではB24編隊が敵機を54機、撃ち墜としたことになってしまいます。
撃墜、撃沈は相手にそれを及ぼす場合に使います。
わかり易い書き方をするならば「54機が墜落」または「54機が被撃墜」でしょう。
これは時代や意図を問わず単純に国語力の問題です。
BUN
- >BUN様
>「プロエステ空襲でB-24隊は、54機撃墜、26機不時着で基地に帰投できたのは99機のみ」
>これではB24編隊が敵機を54機、撃ち墜としたことになってしまいます。
>これは時代や意図を問わず単純に国語力の問題です。
ご指摘、いやご叱責のとおり、汗顔の至りです。改めて
>プロエステ空襲でB-24隊は、54機が被撃墜、26機が不時着で、帰投できたのは99機のみ
と再掲示します。
拙問の趣旨に沿うと、B-24以外にも日本に来襲したB-29で、基地に帰投中、被弾や燃料切れで
洋上に着水し、機体は全損、乗員も多くが死亡、行方不明という例があります。
青森空襲を記録する会
http://www10.ocn.ne.jp/~kuushuu/index.html
から
本土空襲墜落機調査
http://www10.ocn.ne.jp/~kuushuu/mia.html
こちらの例だと、エンジン故障など戦闘以外の不時着機も一括して墜落機として表に計上され、
各解説文で不時着、不時着水と詳述されています。その中で以下の例は
B29-#42-24767
http://www10.ocn.ne.jp/~kuushuu/B29-42-24767.html
被弾による喪失であり、現象面では不時着水でも経緯からは被撃墜に分類されるべきではないかと
思う次第です。
同様の事例は、プロエステのB-24隊でも多数あると推定されるので、米軍では被撃墜と不時着を
どのように分類しているのかと興味が湧いてお尋ねした次第です。
NG151/20
- 帰還予定基地に着陸しない場合も不時着です。着水や胴体着陸ばかりではない、という事です。乗員が最後までコントロールして降りたかどうかなど友軍には判定できることでも、敵側からはわかりません。両者で喰い違いが出ても不自然ではないでしょう。
BUN
- 諒解しました。
やはり撃沈と大破着底の関係と同様、彼我共通の客観的な基準はないということですね。
NG151/20